「ThinkPad i Series 1620」は、日本アイ・ビー・エムのB5ファイルサイズのモバイルノート。この夏の新モデルはボディカラーがブラックに変わり、LAN機能を標準装備、ポータブルCD-RWドライブも標準で同梱する。
ボディカラーがビジネス向けと同じブラックに
モデム、LAN、1394をフル装備
左側面の左から、ヘッドホン、マイク、コンパクトフラッシュスロット、PCカードスロット(TypeII)、IEEE1394(4ピン)。右側面は、右端にUSBポートがあるのみで、HDDパックが内蔵されている。 |
この夏は1モデル(2662-3F7)のみのラインナップ。ほかのThinkPad i Seriesと同様、2001年夏モデルからボディカラーがブラックに変更されている。同じブラックでも各シリーズで微妙に質感が異なるのだが、この1620には天面とパームレスト部にThinkPad X21と同じラバー質の塗装が施され、高級感はグッと増している。
左側面の左から、ヘッドホン、マイク、コンパクトフラッシュスロット、PCカードスロット(TypeII)、IEEE1394(4ピン)。右側面は、右端にUSBポートがあるのみ、HDDパックが内蔵されている。 |
前面中央にはUSBベースの独自コネクタ「ウルトラポート」を装備。背面のインターフェイスは、左からACアダプタ、USB、CRT、LINE IN、LAN、モデム。 |
HDDはパック式になっておりネジを1本外せば引き出すことができる。HDDの換装は自己責任となるが、その気になれば容易に交換が可能だ。ちなみに、評価機に内蔵されていたベアドライブは、日立の「DK23BA-20」だった。 |
光ドライブは外付け。先代ではUSB接続のポータブルCD-ROMドライブを同梱していたが、今回はUSB接続のポータブルCD-RWドライブ(Panasonic「KXL-RW21AN-B」)にグレードアップ。初代1620には標準添付だったドッキングステーション「ウルトラベースX2」は、今回別売りオプションとして用意されている。ちなみに、バッテリ駆動時間も、先代の3.9時間から4.5時間(いずれもメーカー公称値)へと延長されている。これはBIOS、デバイスドライバなど、省電力機構を徹底的に見直した結果だという。
打ちやすさで定評のあるキーボード。キーピッチは18.5mm、ストロークは2.5mm。反発力の強いキビキビとしたキータッチが印象的だ。ThinkPad伝統の7段配列に、ポインティングデバイスは「拡張版TrackPoint」。パームレストも十分に確保されている。キーボード・ライト機能も装備している。 |
同社のThinkPad i Series s30との比較では、完全に日本市場にフォーカスして開発された“s30”に対し、この1620は、ワールドワイドモデルである“Xシリーズ”をベースモデルとしているため、“操作性”、従来モデルや現行他モデルとのオプションの互換性といった“ユーザービリティ”、“筐体の剛性”などへのこだわりをより強く感じることができる。キーボードも、キーピッチこそs30よりも0.25mm広いだけの18.5mmだが、パームレストが広く確保されているため、膝の上などで使用する時などの安定感ではs30よりも断然こちらが上だ。また、s30はチップセットに440MXを採用しているためメモリ搭載容量の制限(最大256MB)があり、さらにサウンド、モデムもチップセット内蔵機能を使用するなどローコスト化が目立ち(もちろんこれは低消費電力のためでもある)、細部のスペックはずっと本機のほうが上である。ビジネス向けThinkPadと同じポートリプリケータやドッキングステーションが使える点も強みだろう(使用できるオプションの種類はXシリーズと若干異なる)。一方、サイズや重量、バッテリ駆動時間ではs30のほうが断然有利。結局、選択の基準はどの要素を重視するかにかかってくるだろう。
CPU | 低電圧版Mobile PentiumIII-600MHz |
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メモリ | 128MB |
液晶 | 12.1インチ |
解像度 | 1024×768ドット/フルカラー |
HDD | 20GB |
CD-RW | R6倍/RW4倍/CD6倍(外付け) |
通信 | モデム&LAN |
サイズ | 279.4(W)×226.8(D)×24.9~30.2(H)mm |
重量 | 1.6kg |
OS | Windows Millennium Edition |
Officeアプリ | Office XP Personal |