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セガ、新規事業戦略を発表、アニメーション制作ソフトを提供

2001年06月19日 22時09分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)セガは19日、1日付で発足した同社新組織“新規事業本部”の戦略説明会を開催、同社新規事業本部未来研究開発部が独自開発したCGキャラクターアニメーション制作用ソフト『Animanium(アニマニウム)』を発表した。

新規事業展開は、セガが同社構造改革の一環として進めているもの。同社は、5日のコンテンツ戦略説明会でも述べたように、コンシューマーソフト事業、アミューズメント事業、ネットワークゲーム事業で世界一を目指すとしているが、エンターテインメントにおけるコンテンツプロバイダーのトップを目指すにあたり、今後新規事業を積極的に展開するとしている。

セガ香山氏
セガ特別顧問の香山哲氏。6月28日には同社代表取締役に就任する予定という

新規事業本部は、研究開発部門と営業開発部門、戦略企画室を統合し、動きの激しい市場の変化に素早く対応できる組織として1日に発足したもので、ゲーム以外のエンターテインメントビジネスを行なう。セガの施設運営力、業態開発力、コンテンツ開発力などをベースに、同社の持つCG映像技術やバーチャルリアリティー技術、ネットワーク技術をなど活用して新業態開発と新市場開拓を同時に進めていくという。新規事業本部は、3年後で売上100億円、利益率15%以上を目指すとしている。

現時点で計画されている主要な新規事業は6つ。“VR-TECHアプリケーション事業”は、アミューズメント施設であるジョイポリスのアトラクションで培ったバーチャルリアリティー技術とアトラクション開発能力を応用し、各種シミュレーター製品を開発する。教習所シミュレーターや官公庁プロジェクト、移動型ファミリーアトラクションなど公共性の高い分野にも展開するという。

“映像・音楽事業”は、セガのCG映像技術や3Dサウンド技術などを利用し、さまざまな他のエンターテインメントコンテンツと融合させた新たなコンテンツ製品を開発するもの。具体的には、インタラクティブアクアリウム『Fish Life』や今回発表されたアニメーション制作用ソフト『Animanium』などがこの事業に当てはまる。

“エデュテイメント事業”は、映像/音楽技術を、デジタル図鑑シリーズなどのエデュテイメントソフトに応用するもの。

“異業種サポート事業”は、BtoBビジネスとして、異業種分野にエンターテインメント性や付加価値性の高いシステムをカスタマイズして販売するもの。回転寿司オーダーシステムやファーストフードKIDS向けシステム、ファミリーレストランオーダーシステム、居酒屋オーダーシステムなどが挙げられる。

“キャラクター/タレントプロパティー事業”は、キャラクターやタレント、アーティスト、映像作品など認知度の高い素材をモチーフとしたエンターテインメントビジネスを行なう。ジョイポリスアトラクションの『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』など映画連動アトラクションや、タレントのタイアップアミューズメントマシンなどがある。

“NEW ARCADE事業”は、既存のアミューズメント事業で現状手付かずの分野を、異業種や同業他社とのタイアップにより実現するもの。キャラクターを利用した業態開発やブロードバンド対応などが挙げられる。なお、このブロードバンド対応については2月21日付の(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント、(株)ナムコとの共同発表をベースに進めていくとしている。

セガは、これらの新規事業について、セガトイズなど関係会社の事業を通して行なうことで、関係会社の企業価値を高めていく。さらに、セガの持つリソースを関係会社で展開する。具体的には、関係会社の(株)エスジーエス(パチンコ等の仕入/販売会社)と、セガのハードウェア開発部を組み合わせることで、システム部品の供給事業を本格的に始める予定という。

セガ自身が中心となって行なう新規事業もある。そのひとつが、『Animanium』による事業展開だ(『Animanium』に関する内容は後述)。セガは、新規事業の売上を5年以内に10%にしたいと述べているが、この『Animanium』による新規事業がその中核のひとつとなるという。なお、新規事業については、ハードではなくソフトおよびサービス業にフォーカスし、外部とのアライアンスも展開するという。

セガ特別顧問の香山哲氏は、「新規事業の特徴は、企画、営業、開発を同一本部に入れたこと。全社から優秀な人材を選抜して配置した。新しいマーケットを獲得したい。たくさんのセガのリソースを新規事業開発に投入する。セガでやればいいことはセガで、グループ会社でできることはグループ会社で行ない、セガはそれを支援する。コンシューマーソフト、アミューズメント、オンラインゲームの3事業は近いうちに世界一になるが、その世界一の数を新規事業で増やしたい」としている。

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