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FMV-BIBLO LOOX S7/60W

FMV-BIBLO LOOX S7/60W

2001年06月21日 00時00分更新

文● 小林

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FMV-BIBLO LOOX S7/60W

富士通

オープンプライス

富士通のLOOXシリーズは、CPUにTransmetaの「Crusoe」を採用したA5サイズのミニノートだ。8倍速DVD-ROMドライブ内蔵の「LOOX T」と、ドライブは外付けで重量を1kg以下とした「LOOX S」の2種類があるが、ここではより携帯性を重視したSシリーズのうちPHSモジュール「H”IN」を内蔵したワイヤレスモデル「LOOX S7/60W」を紹介する。

外出先での通信&文書作成に用途を絞った
シンプルなコンセプト

 本機は、2000年11月に登場した「LOOX S5/53W」の後継に当たる製品で、CPUが従来のCrusoe TM5400-533MHzから同-600MHzに、HDD容量が10GBから15GBにそれぞれスペックアップしている。TM5400は、LOOX Tや他社のCrusoeモデルが採用するTM5600に較べて2次キャッシュ容量が半分(256KB)で、その分性能はやや劣る。ただ、アプリの動作速度など体感上の違いはメモリやHDDへのアクセスなど多くの要因が重なるため、CPUだけが理由で遅くなることはないはずだ。

パームレストの前面に用意したバッテリは容量1800mAh。容量3800mAhの「バッテリパック(L)」(価格1万5000円)を追加すればさらなる長時間駆動が可能だ。

 筐体は消費電力の少ないCrusoeの持ち味を最大限に発揮し、従来どおりのファンレス設計を採用。ただし、CPUクロックが上がったため底面の発熱は若干増えているようだ。CPUとHDDを酷使し続ける編集部のバッテリベンチの結果は3時間6分44秒と好成績(省電力優先モード)。LCD輝度設定にもよるが、公称スペック値の3.7時間を上回るバッテリ駆動時間は十分期待できる。

 一方で、Crusoeマシン共通の弱点(x86命令をCrusoe内部のVLIWコードに変換する際に生じるタイムラグ)は、本機も抱えている。新しいウィンドウを開いたり、新たにアプリケーションを起動する際には明らかな遅延(待たされ感)があり、それがちょっとしたストレスとなるのは確かだ。



背面にはUSB×1とモデム、サウンド関連のインターフェイスを装備。中央はCRT出力で、ディスプレイとの接続には別売の変換ケーブル(4000円)が必要。

 携帯性を最優先に考えたためインターフェイスは最小限で、背面にUSB×1、右側面にTypeII×1のPCカードスロットを装備するのみ。内蔵のPHSデータ通信機能「H”IN」を利用したワイヤレスインターネット接続や、外出先での長時間の文書作成に用途を絞り込んだ、比較的シンプルなコンセプトの製品となっている。

本体背面に装備した「H”IN」モジュール。ベストエフォート方式の64kbps通信が可能だが、パケット通信を併用する定額制PHSサービス「Air H”」には非対応。OSのタスクトレイには、H”端末と同じ形のアンテナマークが表示され、5本のアンテナで通信状況が確認できる。

 内蔵するDDIポケットのPHSモジュール「H”IN」は、最大64kbpsのデータ通信に対応(PIAFS2.1準拠、回線交換方式)。PHS回線の新規契約や、すでに契約済みのH”端末からの変更(機種交換)は付属ソフトの「H”INサインアップ」で行うため、わざわざショップに足を運ぶこともなく、好きな場所/時間に行える。仮登録時の利用限度は最大3000円分まで、正式契約には後日送られてくる「ユーザー登録キー」の入力が必要だ。本体にPHSをわざわざ内蔵しなくても、PCカードやCFカードタイプのPHS端末を差せばいいと思われるかもしれないが、限られた拡張機能の本機では、唯一のPCカードスロットを空けておけるのは、それだけで大きなメリット(安心感が得られるなど)と言える。



キーボードは、キーピッチ16mm/キーストローク2mm。右側のキーが小さくて打ちにくいが、それ以外は自然なレイアウトで総じて使いやすい。ただし、ポインティングデバイスのスクロール機能は少々反応が鈍い印象だ。

 作業効率を左右するキーボードは、ピッチ16mm/ストローク2mmと小ぶりだが、配列に無理はなく、慣れればタッチタイプも可能だろう。タッチがやや“フワフワ”した印象なのが気になるものの、このサイズのノートとしては及第点だ。ディスプレイは1024×512ドット(ワイドXGA)表示に対応した8.8インチTFT液晶で、横幅と画素ピッチはB5ノートなどで用いられている10.4インチのXGA液晶と同程度で、縦が2/3サイズになったと考えればいい。縦512ドットの画面は、文章作成には十分だがWebブラウズには少々手狭、という感想を持ったが、普段から使い慣れている環境によって感じ方はそれぞれなので、本機に興味を抱いた人は店頭などで一度実機に触れておくといいだろう。

 価格はオープンプライスで、店頭での実売価格は15~17万円前後。同価格で、H”INの代わりに携帯電話接続用のUSBケーブルが付属するモデル「LOOX S7/60」も用意されている。用途に合わせて選択したい。

 なお、Crusoe&横長液晶を搭載する競合機種としては、東芝の「Libretto L1/060TNCM」がある。こちらは実売価格で14万円前後と若干安く、B5サイズのDynaBook SSと同等のキーボードを搭載する関係でキーピッチ(18mm)にも余裕がある。液晶画面の解像度も高い(1280×600ドット)が、その分本体サイズはLOOX Sよりひと回り大きい268(W)×167.2(D)×20.5(H)mmとなっている。どちらを購入するかは、H”INの有無や携帯性でしっかり判断したい。



液晶の左下にはHDDへのアクセス状況やバッテリ残量などを表示する、小型のモノクロ液晶を装備している。その右にある電源ボタンは小さく、あまり目立たない。
天面はマグネシウム合金製で、FMVシリーズのロゴが浮き彫りにされた凝った作り。
CPUの発熱などで熱くなる底面には、フエルトが貼られている。
LOOX S7/60Wの主なスペック
CPU Crusoe(TM5400)-600MHz
メモリ 128MB
液晶 8.8インチTFT
解像度 1024×512ドット/フルカラー
HDD 15GB
CD-ROM
通信 モデム
サイズ 243(W)×151(D)×30(H)mm
重量 990g
OS Windows Millennium Edition
オフィスアプリ Office XP Personal

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