細部でツメの甘さが気になるも
コストパフォーマンスの高さは大いに魅力
さて、この生まれ変わったLibretto。ミニノートPCのあり方をイチから見直して、本機で掲げてきた新しいコンセプトには共感できるし、それに基づくスペックやコンポーネント構成も納得のいくものだ。だが、その一方で、細部でのツメの甘さが気になる。キーボードは確かに打ちやすいが、前述したようにたわみが気になり「ミニノート中で最高のキーボード」と言えるほどではない。また、CPUの発熱に応じて回転するファンの音も、家庭や静かな場所(教室や図書館など)で使われるこのタイプのノートPCとしてはかなり大きめだ。そして、ボディ剛性の面でも若干不安を感じてしまう。底面のPCカードスロット付近には、この部分を強く押さないよう注意を促すシールが貼り付けられているのだが、万が一を想定してのこととはいえ、ちょっと情けない。IBMの“ThinkPad”などではまず考えられないことである。いくつものモバイルPCを乗り継いでいるような成熟したユーザー(いわばマニア層、リブラー)にアピールするためには、これをもう一段階進化させたモデルがほしいところだ。
もちろん、現時点でも全体的にはいいマシンであることには間違いない。余計なギミック(エンタテインメント系機能)を排除したおかげで、コストパフォーマンスも非常に高くなっている。オープンプライスだが、実売価格は、Office XP Personalプリインストールの「Libretto L1/060TNCNモデル」が14万円前後、Office XP Personalなしの「Libretto L1/060TNMM」が13万円前後だ。ほかのCrusoe搭載機と比較しても“お買い得”の一言で、この価格であれば、前述した欠点も許せてしまえる人も多いだろう。特に、はじめてモバイルコンピューティング、ミニノートPCにチャレンジしてみようという方の入門機として最適ではないだろうか。
CPU | Crusoe TM5600-600MHz |
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メモリ | 128MB |
液晶 | 10インチFLサイドライト付き低温ポリシリコンTFT |
解像度 | 1280×600ドット/フルカラー |
HDD | 10GB |
CD-ROM | - |
通信 | モデム |
サイズ | 268(W)×167.2(D)×20.5~29.3(H)mm |
重量 | 約1.1kg |
OS | Windows Millennium Edition |