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WonderBJ S630/WonderBJ S6300

WonderBJ S630/WonderBJ S6300

2001年06月15日 22時20分更新

文● 行正

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WonderBJ S630/WonderBJ S6300

キヤノン販売

WonderBJ S630:5万4800円
WonderBJ S6300:7万4800円

キヤノンの「WonderBJ S630」は、印刷品質の高さと印刷の速さを両立させた4色インク使用のA4カラーインクジェットプリンタだ。従来機「WonderBJ S600」の後継にあたり、さらに高速化されている。同時に発売された「WonderBJ S6300」は、S630と同じエンジンを搭載したA3対応機で、印刷速度はS630と同一だ。

高画質モードでも双方向で高速印刷

S630/S6300の印刷ヘッドのアップ。右側の縦長のがブラック(K)インク用ノズル。左側にはシアン(C)/マゼンタ(M)/イエロー(Y)/マゼンタ(M)/シアン(C)の順にカラーノズルが対称に並んでいる(イエローは1ノズルに見えるが実際は2組配置されている)。

 WonderBJ S600は、独特のヘッド構成でカラー画像でも高速に印刷できるインクジェットプリンタだ。一般的な印刷ヘッドで双方向のカラー印刷を行うと印刷ヘッドの移動する方向によってインクが紙に載る順番が逆になり、発色が変わってしまう。多くのプリンタでは、これを避けるために高画質モードでは単方向印刷にしているものがほとんどだ。そこでS600では、印刷ヘッド上の印刷ノズルを左右対称に配置し、高画質カラー印刷でも双方向印刷を行うことで、ほかの製品に比べて高速なカラー印刷を実現としている。



“VAIOカラー”に似たブルーグレーの配色となったWonderBJ S630。給排紙トレイは取り外し可能なほか、排紙トレイは写真のように折りたためる。

 S630は、S600の後継機種にあたり、双方向印刷用の左右対象ノズルや全色独立インクタンクといった基本構成はそのままに給排紙の高速化を図った製品だ。基本スペックはS600と同じで、解像度は2400×1200dpi、インクドロップは5plで、CMYKの4色独立インクを採用。印刷速度は、モノクロ17枚/分、カラー12枚/分となっており、S600のそれぞれ16枚/分、10枚/分から、約20%高速化している。また、S630と同じ印刷ヘッドを採用するA3プリンタがWonderBJ S6300であり、ヘッド/インクタンクは共用なほか、印刷速度もS630と同じだ(A4印刷時)。



A3対応機のWonderBJ S6300。排紙トレイは収納式で、畳めば本体前面にぴったりと収まる構造だ。

 なお、画質に関しては今回変更されておらず、どちらもS600と同等だ。
 高速化されたポイントは主に給排紙機構で、従来は共用していた給紙・紙送り用モーターを独立化させて個々に制御することにより、排紙と同時に次のページを給紙するという動作を可能にしている。印刷ヘッドの移動速度そのものは変更されていないため、1枚単位での印刷時間はほとんど変わっていない。



WonderBJ S630(上)とS6300(下)の等倍率写真。S6300はA3対応機のため横幅は57cmとさすがに広い。S6300の排紙トレイは1段目のみ展開しているが、さら2段階伸ばすことができ、給紙トレイも1段階展開できる。

 本体デザインは、S630/S6300ともにブルーグレーを基調としたツートーン配色となった(従来はオフホワイト)。トップカバー部はS630がつや消しのブルーなのに対し、S6300はつやのある樹脂素材に金粉を散らしたような高級感のあるデザインとなっている。

 実際に印刷してみた結果では8~9%と、わずかではあるが速くなっている。カタログ値ほどの速度向上が見られないのは、印刷を実行してからの時間を計測しているためで、PC側の処理時間(いずれも8~10秒程度)を省けば、速度の違いはより顕著となるだろう。


印刷時間(Word文書10ページ)
標準 速い
S600 1分36秒 1分19秒
S630 1分28秒 1分13秒
S6300 1分25秒 1分16秒

 高速カラーインクジェットプリンタとしては、クラス最速の「hp deskjet 990cxi」があり、モノクロテキスト印刷では990cxiのほうが高速だが、高画質カラー印刷時でも双方向印刷を行うという利点は大きい(990cxiでは単方向印刷)。
 6色(もしくは7色)インクを使用するインクジェットプリンタに比べれば画質的には一歩譲るものの、カラーで高速に印刷できるという利点は、暑中見舞いなどの大量印刷やデジタルカメラ画像を一気に印刷する場合、Webページをメモ代わりに印刷するときなどに威力を発揮する。最高画質だけにこだわらず、実用性を重視するならばおすすすめの製品だ。

WonderBJ S630/S6300の主な仕様
製品名 WonderBJ S630 WonderBJ S6300
解像度 最高2400×1200dpi
インク C、M、Y、K(いずれも染料系)
ノズル CMY各256ノズル(128×2列)、K320ノズル(160×2列)
対応用紙 A4~A5、はがき/封筒/バナー A3~A5はがき/封筒/バナー
給紙枚数 100枚(A4)
インターフェイス USB、パラレル
対応OS Windows 98/Me/2000、Mac OS 8.1~9.x
本体サイズ 430(W)×294(D)×177(H)mm 573(W)×335(D)×194(H)mm
重量 約5kg 約7kg

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