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日本アリバなど、“電子購買コンソシアム”設立説明会を開催

2001年06月15日 22時16分更新

文● 編集部 佐々木千之

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電子商取引における間接材(※1)分野の標準化を目指す“電子購買コンソシアム設立準備事務局”は15日、都内のホテルにこのコンソーシアムに興味を持つ企業を集めて、活動内容や目標の説明会を開催した。説明会では、電子商取引コンソシアムの発起会社となる、日本アリバ(株)の渡辺邦昭代表取締役社長、ソニー(株)プロキュアメントセンターの川久浩一センター長が出席し、設立の意義などについて説明した。

※1 間接材(Operating Resource):文房具や出張手配などの、仕事を進める上で必要な商品やサービス。オフィス家具や販促品、人材派遣サービスなども含まれる。これに対して製造のために使われる材料や部品などは直接財と呼ばれる。

電子購買コンソシアムは、eビジネスにおける間接材の企業間取引(B2B)において、現在統一されていない部材コードなど電子カタログの標準化を行なうもの。

日本アリバ代表取締役社長の渡辺邦昭氏
日本アリバ代表取締役社長の渡辺邦昭氏

日本アリバの渡辺社長は「ITの利用技術は長らく、基本的に企業内システムの合理化のために使われてきた。B2Bのシステムができて初めて、企業と企業との利用になってきた。一昨日、松下電工(株)がアリバと間接材の調達システムを構築することで、30億円の節約を目指すという発表をした。現在のデフレ状況で新たに利益を上げるのは非常に困難だが、この30億円はそのまま利益と見なすことができる金額だ」とB2Bシステム導入のメリットを述べた。

さらに「アメリカのデータだが、企業がコンピューターに入力するデータの80%は、他社のシステムからのアウトプットだといわれている。A社の発注はB社の受注ということであるから、これを繋ぐことでコストが削減できる。日本で間接材の購買をB2Bでやっているところはまだほとんど無い。このシステムを進めようとすると会社コードや品目コード、フォーマットなど標準化しないといけない項目がたくさんある。標準化にしても、欧米で利用されているコード体系“UNSPSC”には、のし袋といった日本独自の商品のコードはない。こうした商習慣に対応しつつ、グローバルな標準を作ることが求められている」と、コンソーシアム設立の意義を訴えた。

設立準備委員会が説明会で提示した活動目標では“電子商取引における間接材分野での各種の標準化を日本国内における商慣習などを踏まえながら推進することで、国内のB2B市場の活性化を図ると同時に、国際標準を常に視野に入れグローバル化にも対応できるよう海外との積極的な調整を行なう”とうたわれている。

電子商取引コンソシアムが行なうB2B取引標準化の意義
電子商取引コンソシアムが行なうB2B取引標準化の意義

設立準備委員会によると、電子購買コンソシアムの組織は、売り手側となる企業の“サプライヤコンソシアム”、B2B市場を提供する企業の“コマースサービスコンソシアム”、買い手側企業の“バイヤーコンソシアム”の3つの専門的コンソーシアムと、全体をソリューション的視点でとらえる電子購買コンソシアムの4つのコンソーシアムで構成する。これらコンソーシアムは、年間10万円の会費を払う正会員、コンソシアムの目的を理解し共通の認識になった活動を行なう賛助会員(無料)、特別に指名する特別会員からなる。

電子商取引コンソシアムが行なうB2B取引標準化の意義
電子購買コンソシアム組織構成

具体的な活動方針としては、UNSPSCを基にした製品分類の日本語化と日本独自の商慣習への対応など電子カタログの標準化、注文プロセスやデータメッセージ仕様の標準化、金融決済サービスや物流サービスなどとの共通インターフェースの開発を挙げている。コンソーシアムに参加した企業には、各種標準の早期の実装、自社の経験に基づいた提案、ウェブそのほかによる会員企業の情報をB2B市場に発信可能、などといったメリットがあるという。

今後のスケジュールとしては、本日より会員企業を募集開始し、6月26日に設立総会を開催、その後はワーキンググループに分かれて活動し、10月に日本アリバが主催するイベントにおいて成果を発表するフォーラムを開催するとしている。なお、コンソーシアムの設立発起会社は10数社を予定しているが、26日の設立総会時に発表するとして、日本アリバとソニー以外については明らかにしなかった。

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