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ラムバス、高速RDRAM技術を発表――2005年にはバンド幅が毎秒9.6GBに

2001年06月14日 00時47分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ラムバス(株)は13日、開催中の“Rambus Developer Forum Japan 2001”において、2005年までのRDRAM/RIMMの技術ロードマップを発表した。RDRAMのバスクロックを現行の400MHzから533MHzないし600MHzに引き上げることと、RIMMのバス幅を16bitから32ないし64bitに拡大することで、2005年にRIMMあたりのバンド幅を毎秒9.6GBに高速化するという。

Rambus Developer Forum Japan 2001(RDF Japan 2001):ラムバス(株)と米ラムバス社が主催する、Rambusメモリーに関する技術フォーラム。セッションと展示会が行なわれる。参加は無料だが、事前の登録が必要。3回目の今回は、13~14日の2日間、赤坂のホテルで開催する。

RDF Japan 2001のメインセッション後に行なわれたプレスミーティングには、米ラムバス社のジェフ・テイト(Geoff)CEO、同社のパートナー&OEMマーケティング担当副社長スティーブ・チェン(Steve Chen)氏、および今回発表した高速化技術におけるメモリーメーカーパートナーである韓国のサムスン電子社、エルピーダメモリ(株)、(株)東芝 セミコンダクター社の幹部が出席した。

パートナー&OEMマーケティング担当副社長スティーブ・チェン氏
パートナー&OEMマーケティング担当副社長スティーブ・チェン氏

現行のRIMMは、PC800 RDRAMと呼ばれるグレードのもので、バスクロックは400MHz(データ転送レート800MHz)、バンド幅は毎秒1.6GBとなっている。ラムバスの今回の技術は、クロックの高速化とバス幅の拡大という2つの技術で高速化するというもの。

メモリーのバスクロックとバス幅の組み合わせによるグレードの違い
メモリーのバスクロックとバス幅の組み合わせによるグレードの違い

まずバスクロックを2002年に533MHz(PC1066 RDRAM)、2005年に600MHz(PC1200 RDRAM)にする。これと並行してRIMMのバス幅を2倍の32bitおよび4倍の64bitに拡大する。つまり、現行の400MHz、16bitのものと合わせて、9種類のRIMMグレードが登場することになる(クロック3種類×バス幅3種類)。32bitのRIMMは現行の16bit RIMMとまったく同じメモリーモジュール基板とソケット、64bitはピン数が増えるためピンの間隔が狭まるがモジュール基板は同じ大きさのものが利用できるという。

今回の高速化技術のロードマップ
今回の高速化技術のロードマップ

チェン氏は「現在のRIMMのバス幅は16bit。ピン数(バス幅)が少ないままで広いバンド幅がとれるのがRambusメモリーの特徴だ。バス幅を32bit、64bitに拡大すれば、SDRAMが到達し得ないバンド幅に到達できる。RIMMのフォームファクターを変更することなく4倍のバンド幅が得られるのが最大のメリットだ。パソコンのマザーボードも、現在の4層基板のままで対応でき、大きなコスト上昇はない」とメリットを説明した。また「今回の高速化技術は従来の技術の発展であり、技術的なリスクは少ない」とも述べている。

パソコンのメモリーバンド幅要求と、ラムバスの高速化の比較グラフ
パソコンのメモリーバンド幅要求と、ラムバスの高速化の比較グラフ

各メモリーメーカーはこの高速化メモリーの投入時期について次のように述べた。

サムスン電子のメモリープロダクトプランニング担当副社長のジョン・カン(Jon Kang)氏「いまは0.17μmプロセスでPC800のものを作っており、PC1066もある程度の歩留まりで作れると考えている。今後0.15μm、0.12μmと微細化するが、0.12μmならPC1200も製造可能だ。0.12μmは2002年の第2四半期以降に可能になるが、PC1200が製品になるのは2004年頃になるだろう」

エルピーダメモリの取締役兼テクニカルマーケティング本部長犬飼英守氏「来年末にはPC1066の現実味が出てくるのではないか。エルピーダでは0.15μmプロセスをスキップして0.13μmに移行する予定で2002年の第1四半期以降に生産を開始する。PC1066はこの0.13μmで対応可能で、PC1200にも対応できると考えている。ただ、製品として出すかどうかはマーケットからの要求による。あまり高価にならずに提供するには次世代の0.11μmが必要だと思う。2004年くらいになるのではないか」

東芝 セミコンダクター社メモリ事業部DRAM統括部統括部長の斎藤昇三氏は「現在0.175μmプロセスでPC800を歩留まり100%で生産している。PC1066は50%くらい。来年には0.13μmに移行し、PC1066の歩留まりは100%、PC1200で数十%。2004年には0.11μmに移行して、PC1200が100%になると考えている」

ラムバスでは今回の技術を使った製品が登場していけば、今後のパソコンにおけるメモリーバンド幅の要求に対して十分に応えられるとしている。

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