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マイクロソフト トレインシミュレータ

マイクロソフト トレインシミュレータ

2001年06月09日 18時51分更新

文● JR西日本宇野線終着駅 鉄.bin

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開発者に日本の鉄道マニア有り?
渋さが光る有数の路線収録にマニアも(古川会長も)納得

小田急線7000形
収録されている路線は、特徴および走行する車両のスペックが記載されている。小田急線はこの7000形のほかに通勤用の2000形も収録されている。
 鉄道ファンが鉄道シミュレーションに最も期待する要素は、何と言っても収録されている路線、および車両の種類と数である。本作では日本を含む世界各国から6つの路線が、そこで活躍する車両と共に収められている。しかも、6つの路線の収録総延長はなんと約1000km! 時速100km/時で走破しても10時間以上かかるというとんでもないボリュームである。もちろん列車の外観や線路の配置、高低差、車窓の風景、そして季節感までもが再現されている。それではその6路線を順に紹介しよう。
 アメリカからはアムトラックのビジネス路線である「ワシントンDC-フィラデルフィア間」、BNSF(Burlington Northern Santa Fe)の雄大なロッキー山脈を駆け抜ける貨物路線から「ホワイトフィッシュ-シェルビー間」の2路線。大編成の貨物列車を豪快(?)に運転できる。


オリエント急行
ヨーロッパを代表する、歴史ある豪華客車「オリエント急行」を牽引する蒸気機関車の運転席。これもフライングスコッツマン同様前がまったく見えない。
 ヨーロッパからは豪華列車で名を馳せる“オリエント急行”の「オーストリア区間」、そして時速100マイルを最初に突破したイギリスの蒸気機関車「フライングスコッツマン」が当時の路線とともに収録されている。
 日本の路線は、まず小田急電鉄および箱根登山鉄道の「新宿-箱根湯本間」が用意されている。小田急といえばロマンスカー。もちろん車両は運転席が2階にあり1階部分がすべてパノラマ展望席になっている7000形(LSE車)だ。ビルが立ち並ぶ新都心から温泉行楽地の箱根へという、ほかの路線ではそうそう味わえない変化に富んだ車窓を楽しめること間違いなしだ。そしてもうひとつ、JR九州の「八代-人吉-吉松-隼人」を結ぶ単線非電化のローカル線“肥薩線”が用意されている(本作では「八代-吉松間」を収録)。「そんな路線聞いたことないぞ!」という方も多いだろう。たしかにJR九州のローカル線なら、リゾート特急“ゆふいんの森”を擁する久大本線(「久留米-日田-大分」)や、蒸気機関車“SLあそBOY”が走る豊肥本線(「熊本-豊後竹田-大分」)のほうが観光客への知名度は数段高い。


肥薩線路線図
肥薩線の路線図。人吉-大畑にループがあるように見えるがそれは間違い。実は大畑をスイッチバックで発車してループしたのちに矢岳へと向かっている。それにしても恐ろしい急勾配だ。
 だが、肥薩線は鉄道マニアにはたまらない路線なのである。その理由は人吉-吉松間にある。この区間は九州地方の脊梁を超える難所のため、わずか3駅間にスイッチバックがなんと2カ所、さらに半径300mの山肌を1周して標高差をかせぐループ線まで存在するのだ。スイッチバックとループ線がセットであるのは全国でもここだけである。また、「真幸-矢岳間」は快晴時には、はるか桜島まで一気に見下ろせるという日本三大車窓(ほかはJR東日本篠ノ井線の姨捨-篠ノ井間の姨捨駅と、JR北海道根室本線の滝川-根室間の狩勝峠)に数えられる風景が待っている。まさに、マニアが涙して喜ぶ貴重な路線といえよう。ただし標高差が激しい上に、運行車両のキハ31はステンレス製の軽量ボディのため雨天時に滑りやすく難易度はかなり高い。



肥薩線キハ31
こちらは肥薩線のキハ31の運転席。前方に広がるのんびりした山岳風景と古めいたアナログ計器は日本独特の味をちょっと感じさせる。
 運転可能な動力車は全9両。各収録路線で活躍する代表的な列車が用意されており、車両ごとに重量や出力などの要素をシミュレートしている。当然ながら運転パネルもそれぞれ異なっている。
 グラフィックはすべて3D表示(Direct3D対応ビデオカードが必須)で、視点の移動はもちろん自由自在。運転席は当然として、外部、真上、客室などに切り替え可能で、さらにマウスでグリグリと視点を調整することもできる。ただし、路線によってはのん気に外を眺めていると、スピードオーバーなどですぐに危険状態に陥るところも多いので注意が必要である。



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