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~Javaの拡張と今後の計画

JavaOneレポート(その2)

2001年06月07日 16時11分更新

文● 渡邉 利和(toshi-w@tt.rim.or.jp)

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基調講演開演待ち時間
JavaOneでは、基調講演前の待ち時間に生バンド演奏などが行なわれるのが恒例。今年は「San Francisco太鼓道場」による和太鼓演奏が披露された。

今回は、もっともJavaOneらしいテーマともいえる、Javaの技術的側面に関する話題を中心にお届けしたい。

初日の基調講演では「技術色が薄れた」と紹介したが、2日目に行なわれたJavaのオリジナルの開発者であるJames Gosling氏の基調講演ではうってかわって技術の話が中心であり、スクリーンに投影される資料は「ユーザー数の伸び」といったものの代わりにJavaのサンプルコードが使われるといった具合である。ある意味、今日の基調講演は本来のJavaOneらしいものであったと感じた。

James Gosling氏
日本、韓国、フィンランドでJava対応携帯電話やデジタルデバイスを買い漁る、というストーリーのビデオが上映されたあと、ビデオの中と同じ姿で山のような買い物を持って登壇したJames Gosling氏。

ここでは、Javaの言語仕様の拡張計画が紹介された。新たな言語要素として、“Assertions”“Generics”が導入される予定である。Assertionsは現在β配布中のJDK 1.4から導入されている機能で、この導入は“Java Language Specification”の拡張という位置づけになる。機能としては、“ユーザーが任意に定義できる例外”という感じだろうか。Assertionsを利用すると、プログラムの実行中にあらかじめ設定した条件に反する状態になったことを検出できる。この機能はJava 0.9の段階では仕様に含まれていたものの、省略されていたものだという。

Assertionsのコード
Assertionsの説明としてGosling氏が提示したスライド。Gosling氏はあまり踏み込んだ説明はせず、このサンプルコードを見れば分かるだろう、といった雰囲気が感じられた。簡単なコードだが、どう使うものかはだいたい想像がつくと思う。

また、GenericsはParameterized Typeと呼ばれる機能である。Gosling氏の説明によれば、データ型をパラメータ化するものであり、厳密な型チェックを実現するということのようだ。こちらも基本的にはコードの品質改善を実現するための機能で、Java言語仕様への追加要求がもっとも多かったものだということだ。ただ、筆者には現時点ではあまり詳細に踏み込んだ説明ができないので、Gosling氏が提示したサンプルコードをご覧いただきたい。Genericsが導入される時期はまだ決まっていないが、1.5以降になるという。

Genericsの説明
こちらは、Genericsの説明。実のところ、筆者にはなぜこのような機能が必要で、便利なものなのかよく分かっていないので詳しい説明は避ける。

なお、初日(6月4日)に公開されたJava関連の今後のスケジュールについてここで改めてまとめておこう。まず、基本となるJ2SEに関しては、基本的に18カ月ごとにアップデートが行なわれる。現在β公開中のJ2SE 1.4が年末くらいにリリースされ、次の1.5が2003年前半にリリースされる予定だ。なお、J2EEに関しては、J2EE 1.3が年内にリリースされる予定となっている。

Tシャツ配り
Gosling氏恒例のTシャツ配りには、今年はエアシューターが使われ、会場を沸かせていた。こうしたノリのお祭り騒ぎはJavaOneによく似合うと思う。

James Gosling氏
基調講演後、追加説明に応じてくれたJames Gosling氏。

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