COMPUTEX TAIPEIレポートの第4弾では、PCケースメーカーを特集してお届けする。日本国内では星野金属工業などが先駆者として活躍しているアルミケース。最近では台湾メーカーも低価格のアルミケースを日本市場に投入し、随分と利用者も増えてきているようだ。
台湾のケースメーカーとして、自作ユーザーに知られているところと言えば、SongCheer、LIAN LI INDUSTRIAL、CHENBRO MICOMなどが挙げられる(今回のCOMPUTEX TAIPEI 2001ではSongCheerのブースを見つけることはできなかった)。はたして、これらのメーカーはアルミケースの製造に積極的なのか? 上記メーカーを含めて、めぼしいところをブースで直撃してみた。
LIAN LIのサーバー用アルミケース。 |
CHENBRO MICOMのブースで見かけたヨーロッパ向けのOEM製品。 |
同社では、ヨーロッパ向けに写真のようなファンレスのアルミケースを展示しているが、これはメーカー向けオーダーメイド(OEM)製品のプロトタイプ。サイドに凹凸をつけることでヒートシンク構造に仕上げている。サイズは366(W)×390(D)×105(H)mmで、3.5インチベイ×1、5インチベイ×1、シャドウベイ×1を持つ。
ファンレスのため、代わりにサイドをヒダ状にしてヒートシンク(放熱)効果を持たせている。 |
ケースの前面にはUSBとIEEE1394ポートを装備している。 |
左が従来のYY-A101-X03、右が新たに投入されるアルミバージョン。 |
ケース背面はこうなっている。 |
ユニークな形状のi-Teeシリーズ。一部にアルミが使われている。 |
写真でおわかりのようにケースの形がTの字になっていることから、“i-Teeシリーズ”と呼ばれているもので、カラーはイエロー、ブラック、シルバー、ゴールドに近いものまで6種類。マザーボードの設置面とドライブベイが向き合う構造になっているのが特徴的だ。5インチ×3、3.5インチ×1、シャドウ×1というドライブベイ構成になっているようだが詳細は不明だ。
マザーボード取り付け面を倒したところ。 |
ドライブベイはマザーボードと向き合う形になる。 |
以上のように新製品の展示はポツリポツリとあるものの、総じてアルミケースは日本市場向けの限られたマーケットでしかないという意見が多く、大量生産はしないというメーカーがほとんどだった。「日本ではアルミケースの限定販売を行うことが多いが、大量生産に向いてないのだから当たり前だ(笑)」というメーカーもあれば、「ケースにあんなに金をかけるくらいなら、他のパーツを購入したほうがいいのではないか?」と率直な感想を述べる担当者もいたほど。ちなみにCOMPUTEX TAIPEI 2001のパンフレットの製品別メーカー索引のページには「アルミケース」の欄が設けられ18社が記載されているが、実際にはそれほど製造に積極的ではない。ただ、星野金属工業のネームバリューは台湾でも高いようで、各社とも注目はしているようだった。