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米PictureIQ、画像変換アプライアンスと日本法人設立を発表

2001年06月04日 20時17分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米PictureIQ社は4日、都内で記者発表会を開催し、ウェブサイトの画像ファイルを、アクセスしてくる端末に適した形式に自動変換する画像処理アプライアンス『TransForce(トランスフォース)』を発表した。合わせて4月25日に日本法人“ピクチャーアイキュー・ジャパン株式会社”(※1)を設立したと発表した。

※1 ピクチャーアイキュー・ジャパン株式会社:4月25日に、米PictureIQ社が100%出資する日本法人として設立。資本金は1000万円で、本社は東京都新宿区。代表取締役は浜和人氏。

日本市場を戦略的重要地域と認識

発表会では、米PictureIQのビル・マッコイ(Bill McCoy)CEOが、同社と新製品について説明した。米PictureIQは、'98年10月に米アドビシステムズ社からスピンアウトした社員が、米Adobe Ventures社、米インテル社などの出資により設立した、企業向けデジタル画像処理技術を使ったシステムを提供する企業。マッコイ氏自身、米アドビシステムズの創立メンバーの1人。米PictureIQはサードパーティーとして唯一、米アドビシステムズの『Adobe Photoshop』や『Adobe Premire』のソースコードを見ることができるライセンスを受けているという。

米PictureIQのビル・マッコイCEO
米PictureIQのビル・マッコイ(Bill McCoy)CEO

米PictureIQは設立時から、戦略的に重要な地域として日本市場でビジネス展開を図っており、これまでの実績としては、2000年9月に(株)セガ(当時は(株)セガ・エンタープライゼス)が発売した、ドリームキャスト用デジタルカメラ『ドリームアイ』には、同社とセガが共同開発した画像レタッチソフト『DreamPhotoFun』がバンドルされている。マッコイ氏は「残念ながらドリームキャストの不振により大きな売り上げには繋がらなかったものの、日本企業との提携は貴重な経験となった」と述べた。日本市場を重要視する理由として、デジタルカメラの普及率が高いこと、および携帯電話を始めとするモバイル機器でインターネットを利用する率が高いことを挙げた、「日本市場での経験を、戦略の礎とする」としている。

オンデマンドで画像フォーマット変換する『TransForce』

現在のウェブサイトへのアクセス状況を見ると、HTTPトラフィックの約70%は画像ファイルであるが、携帯電話やPDAなどインターネットにアクセスする端末が多様化した結果、各種の端末に最適化した画像をウェブサイト側に用意することが、コンテンツ政策上のボトルネックになっているのが現状という。同社が発表したTransForceは、オリジナルの画像ファイルを、アクセスしてくる端末ごとに画像サイズやフォーマットを最適化して配信する、画像変換・配信アプライアンス製品。変換はある端末がアクセスした段階で、オンデマンドで行なわれる。画像変換の速度は変換する画像にもよるが、毎秒およそ30~100枚で、1度変換した画像はキャッシュ(メモリーおよびHDD)に格納し、2度目以降のアクセスにはキャッシュした画像を配信する仕組み。これによって、さまざまな端末に対して個別の対応をするための作業時間とコスト、各端末用の画像を格納するためのストレージコストを削減できるとしている。

『PictureIQ TransForce』
『PictureIQ TransForce』先頃米国で開催された“NetWorld+Interop 2001”において、“ベストオブショー”を受賞したという

TransForceのハードウェアは、高さ1U(44.5mm)のラックマウントタイプ筐体に、2基のPentium III-800MHz、1GBのSDRAM、2基の9GB SCSI HDD、2つの100BASE-TXポートを搭載しており、OSはLinuxを採用する。画像処理プログラムは、米アドビのPhotoshopの画像処理アルゴリズムを一部使用しているが、基本的には米PictureIQが開発した。対応する画像形式は、JPEG、GIF、BMP、TIFF、PNG、PSDで相互に変換可能。さらにプラグインソフトを提供することで、将来登場するJPEG2000などのフォーマットにも対応可能。TransForceは代理店を通じて販売し、価格は600万円。「現時点ではまだ販売代理店契約が正式に結ばれていない」(ピクチャーアイキュー・ジャパンの浜和人代表)としているが、テクマトリックス(株)、(株)ソリトンシステムズなどが代理店となる予定。6日に日本コンベンションセンター(幕張メッセ)で開幕する“NetWorld+Interop 2001 TOKYO”において、PictureIQ、テクマトリックス、ソリトンシステムズの各ブースで展示する。

ピクチャーアイキュー・ジャパンの浜和人代表取締役
ピクチャーアイキュー・ジャパンの浜和人代表取締役

端末の識別には、端末がウェブサイトにアクセスする際にサーバー側に送ってくるブラウザー情報を使用し、各種PDA、携帯電話(iモード、EZweb、J-SKYの各サービスおよび端末)、パソコン、セットトップボックスに対応する。新機種が登場した場合、その端末が送ってくるブラウザー情報文字列と、画像形式、サイズ、色数を設定するだけで対応できるという。こうした端末に関する情報は、販売代理店やウェブサイトを通じて提供する予定。TransForceは柔軟な設定が可能で、例えばアクセスが集中する時間は圧縮率の高いサイズの小さな画像、それ以外の時間はサイズの大きな高画質の画像を配信することも可能としている。

TransForceで変換された画像を表示するデモ
発表会では、iモード、EZweb、J-SKYに対応したカラーディスプレーを持つ携帯電話を使って、TransForceで変換された画像を表示するデモが行なわれた。画像はJ-フォン(J-SKY)の『SH05』で表示したところ

ピクチャーアイキュー・ジャパンの浜氏はTransForceについて、「携帯電話によるインターネットアクセスの利用の多さなどを考えると、TransForceは日本市場でのポテンシャルの高い製品だと考えており、600万円という価格ではあるが、2002年度(2001年10月~2002年9月)に300台、売り上げにして18億円を見込んでいる。この数字はかなり角度の高い数字だと考えている」と述べた。ピクチャーアイキュー・ジャパン全体では、2002年度の売り上げを20億円としており、ほとんどがTransForceの売り上げで占められることになる。またマッコイ氏は「当初はTransForceの売り上げのうち50%以上が日本からの売り上げ(※2)になり、その後日本以外の売り上げが伸びるにつれて30%台に落ち着くと見ている」と述べて、日本市場に対する期待の高さを示した。

※2 米国では、5月8日(米国時間)に発表している。

マッコイ氏は「日本はデジタル画像とモバイル通信技術において世界をリードしている。PictureIQにとって日本は単なる販売のターゲットではない」と、日本市場重視の姿勢を何度も強調した。さまざまなサイズや色数のディスプレーを搭載した携帯電話が、次々と登場し、かつ、インターネットにアクセスするという市場は、今のところ日本しかないといってよく、PictureIQにとって大きな市場であると共に、格好の製品テストの場所であると言える。ただし、画像を含めたウェブコンテンツの変換ソフトウェアやサーバーは、日本IBM(株)や(株)バーテックスリンクなどがすでに提供しており、TransForceのような画像に特化したアプライアンス製品が市場にどのように受け入れられるかが注目される。

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