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誰でも使えるセキュリティーアプライアンスを目指す──米ウォッチガード

2001年06月01日 21時52分更新

文● 聞き手、構成:編集部 佐々木千之

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インターネットセキュリティー製品を開発・販売する米ウォッチガード・テクノロジーズ社は5月31日、都内で最上位製品となる『FireboxIII』シリーズの発表会を開催した。ASCII24では発表会後に北アジア地域担当副社長のジョン・カーチ(John Kirch)氏と、エンタープライズ・プロダクト担当ディレクターのマシュー・ディッキー(Matthew Dickey)氏に日本市場について尋ねた。

[編集部] まず昨日発表した『FireboxIII』シリーズについて、VPNの認証ユーザー数5000人に対応という数字ですが、これは従来の『FireboxII』シリーズでも達成している数字です。従来製品との違いを教えてください。
[ディッキー氏] VPN利用時の暗号化通信と、パケットフィルター通信の両方でスループットが向上したことが大きな違いです。また新製品『Firebox2500』『Firebox4500』の認証ユーザー数5000人という数字だが、当社の方針としてテストし、実証した確実なものだけを公開するということで、かなり控えめな数字です。同時にVPNでアクセスする5000人に関して、ログイン後にどのような行動を取ったかを、Firebox側ですべて追跡できます。単に接続できる、というものではありません。
ウォッチガード社のファイアーウォールアプライアンス
ウォッチガード社のファイアーウォールアプライアンス。上から『WatchGuard SOHO』、『FireboxII』、『Firebox2500』、『Firebox4500』
[カーチ氏] コストパフォーマンスを考えるとFireboxIIから大きく向上しています。『FireboxII VPN』は3DES暗号化通信のスループットで24Mbpsをサポートして228万円。これに対してFirebox4500は100Mbpsに向上して、175万8000円です。『FireboxIIPlus』とFirebox2500を比較しますと、同じく3DES暗号化通信スループットが7.5Mbpsで、175万8000万円だったものが、Firebox2500ではスループット55Mbpsで、価格は131万8000円です。FireboxIIでも同じ価格帯の他社製品に比べて高性能でしたが、今回のFireboxIIIではより差が広がったと言えます。

今後もより使いやすい製品を開発

[編集部] 今回の製品で、上から下位までのラインアップがひとまず完成したということですが、今後の製品の方向性について教えてください。
マシュー・ディッキー氏
エンタープライズ・プロダクト担当ディレクターのマシュー・ディッキー(Matthew Dickey)氏
[ディッキー氏] ウォッチガードは、より使いやすいものをという方針で開発を進めてきました。Fireboxシリーズは、ハードウェアとソフトウェアがセットになったアプライアンス型製品であり、管理ソフトのグラフィカルユーザーインターフェースも相まって、トレーニングもほとんど無しでも使いこなせることを目指してきました。今後もそれを継承し、より高いスケーラビリティーと管理のしやすさを目指します。
[編集部] 個人やごく小規模の事務所向きのFireboxを出す予定はないでしょうか?
[ディッキー氏] 日本でも広がりつつあるADSL常時接続環境は、『WatchGuard SOHO』が対応します。自分でコンピューターを用意してファイアーウォールソフトウェアをインストールする場合には、常にアップデートに気を付け、バージョンアップしていかなければセキュリティーは守れません。それと比較すれば、WatchGuard SOHO(※1)のようにアプライアンスベースで、かつLiveSecurityサービス(※2)を使うほうが、遙かに使いやすいはずです。
※1 WatchGuard SOHOの価格は、1年間のLiveSecurityサービス込みで7万9000円。2年目以降のLiveSecurityサービスは年間1万7000円。

※2 LiveSecurityサービス:ウォッチガード社のセキュリティー専門家が年中無休24時間、直接サポートしてくれるサービス。セキュリティー関連情報メールの配信や、インターネット上にセキュリティーの脅威が新たに登場した場合のFireboxのシステムアップデートなどを行なう

海外市場最大の日本におけるビジネスをさらに拡大する

[編集部] 発表会で、'96年の会社設立後売上げが順調に伸び、2000年の売上げは6030万ドル、さらに2001年は1億ドルに達する見通しだという話がありましたが、日本市場についてはどうでしょうか?
[カーチ氏] 残念ながら監査上の理由から地域別の売上げは公開していません。ただ、Fireboxシリーズの世界全体の累積販売台数が5万台、日本での累積販売台数が5000台ということは言えます。
ジョン・カーチ氏
米ウォッチガード・テクノロジーズ社北アジア地域担当副社長のジョン・カーチ(John Kirch)氏(日本法人ウォッチガード・テクノロジーズ(株)の代表も務める)
[編集部] 売上げ全体に対する米国の売上げの割合はどのくらいですか?
[カーチ氏] 昨年の米国市場からの売上げの割合は45%で、残りが海外からということになります。海外での売上げでは、日本市場が最も大きいものです。私が担当するアジア・太平洋地域の中では、日本からの売上げが60%となります。もちろん今後この割合をもっと増やしていきたいと考えています。また、LiveSecurityサービスを英語以外で提供しているのは日本語だけです。このことからも、当社が日本市場を重要視していることがおわかりいただけるかと思います。
[編集部] ASCII24が2月にインタビューした際、日本法人(※3)を立ち上げたとおっしゃっていますが、どのような活動をしているのでしょうか
※3 ウォッチガード・テクノロジーズ株式会社:2001年1月設立。資本金は1000万円で米ウォッチガードが全額出資している。本社は東京都渋谷区でジョン・カーチ氏が代表を務める。

[カーチ氏] いま日本人のスタッフを増やしているところです。当社のテクニカルサポートは米本社のチームが主に行なっていますので、日本法人はパートナー企業とのコミュニケーションを行なっています。そのほか、Fireboxの顧客企業が何を必要としているかをまとめて、その要求に応えるコンサルティング活動も行なっています。また6月30日には日本で初めて、米国から技術トレーナーを呼び、パートナー企業の技術者を対象に認証トレーニングセミナーを開催します。

                    

ウォッチガードは海外最大の市場として、日本に力を入れており、まずは企業をターゲットに、Fireboxシリーズを使ったVPNの導入を進める戦略をとっている。また企業のセキュリティー管理をアウトソーシングするサービス“Managed Security Service(MSS)”をインターネットサービスプロバイダーやシステムインテグレーターを通じて提供開始している。LiveSecurityサービスの日本語化、トレーニングセミナーの開始など、次々にサポートの強化を図っており、企業のネットワークセキュリティー意識の高まりとともに、日本市場での存在感も増していきそうだ。

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