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FinePix4800Z

FinePix4800Z

2001年05月31日 23時53分更新

文● 奥田清孝

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多彩な撮影機能、動画も音声も記録OK

撮影サンプル1。F2.8、1/120。元画像は2400×1800ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。撮影時は日陰になっていて、このような状況では色がくすみやすいが、撮った画像はメリハリのある発色になっている。FinePixシリーズは派手な色という印象があったが、FinePix4800Zでは旧モデルより自然な発色になったように感じる。

 撮影モードはカメラ任せのフルオート、人物や夜景など状況別に適した設定を選べるシーンポジション(SP)、細かい設定ができるマニュアルモード(ホワイトバランス、感度、露出補正、ストロボ光量、マニュアルフォーカス、シャープネス、測光方式、多重露光)、そのほか連写、動画(320×240ドット、MotionJPEG形式、毎秒10コマで連続80秒)、ボイスレコーダ機能(WAVE形式、連続30分)を選べる。
 測光方式はアベレージ、スポット、TTL 64分割マルチの3モードだ。実際に撮影してみるとTTL 64分割マルチの場合、少し露出が明るめになる傾向がある。おそらくシャドー部分の影響を受けてハイライト部分が飛び気味になるためで、そういった場合、露出補正で調整するのだが、こんなとき操作性の良さをありがたく感じる。
 ポップアップ式の内蔵ストロボは、レンズのほぼ真上に位置しており、被写体の後ろに不自然な影を出にくくしている。スローシンクロのほか、光量補正も行え、その場の雰囲気を活かすことも思いのほか簡単だ。



撮影サンプル2。F2.8、1/42。元画像は2400×1800ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。FinePix4800Zの「オートホワイトバランス」機能は“光源の雰囲気”を残すように、弱めの補正を行う。電球で照明された室内の感じが良く再現されている。ホワイトバランスを“白熱灯”にしてしまうと太陽光下に似た色合いとなるが、白熱灯ならではの味わいのある色調は得られない。

 撮影感度は、標準でISO125に設定。光量が足りないときはマニュアル/オートでISO400まで上げられる。感度が上がると画像は若干荒れた感じにはなるが、ノイズは少なめに抑えられているようだ。ホワイトバランスがオートのときは、光源の雰囲気が残るようになっている。白熱灯で照明された室内の感じを出したい、といった場面に好都合だが、戸外の日陰などでの撮影では青っぽくなってしまう。その場合、マニュアルでホワイトバランスを設定したほうがいいだろう。太陽光、日影、電球のほか、蛍光灯では3種類の細かな設定が用意されているので、かなり厳密に補正が加えられる。



撮影サンプル3。F2.8、1/110。元画像は2400×1800ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。デジタルカメラは容易に撮れる分、つい構図が雑になりがちだが、液晶モニタをベストフレーム機能に設定すれば(モニタに縦線、横線が現われ)、水平、垂直を合わせてバランスを見ながら撮影できるので、このように丁寧な構図作りに役立つ。

 ベストフレーミング機能を使えば、液晶モニタに縦横3分割フレームが表示され、建物の水平垂直の線を合わせたり被写体の配置を考えたり――というバランスのとれた構図作りにも役立つ。
 ある程度使い慣れてくると、今度は場面ごとに細かい設定をマニュアルで変えながら撮りたくなるだろう。そうして撮影を重ねることでFinePix4800Zの機能をフルに使いこなしている感じが増し、シャッターを押すことがより楽しくなってくる。本来ならオートで何も考えず撮るだけのほうが楽なはずだが、軽快な動作と操作性の良さが、カメラを理解して使いこなす楽しさを感じさせるてくれるのだろう。



撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。エッジのくっきりしたシャープな画像となっている。

 起動時に自分の好きな画像を表示できる「オープニング画面登録」という機能もあり、こういった細かい配慮が製品への愛着につながる。実に遊び心があって楽しい。

 上位機種のFinePix6800Zと同じデザインを踏襲し、性能的には旧モデルFinePix4700Zとほぼ同等だが、使い勝手が良いピクチャー・クレードルなどが同梱されながら、標準価格は3万円ほど安い。予想実売価格7万9800円を考えると、お買い得感はとても高い機種といえるのではないか。


撮像素子 1/1.7インチ約240万画素(有効約216万)ハニカム配列原色CCD
レンズ 光学3倍ズーム 8.3~24.9mm(35mmフィルムカメラ換算:36~108mm)、
F2.8~7.0
記録画素数 2400×1800/1600×1200/1280×960/640×480ドット
動画 最長約80秒(320×240ドット/MotionJPEG形式/毎秒10コマ)
シャッター速度 3秒~1/2000秒
記録媒体 スマートメディア
露出 プログラムAE/マニュアル/シーンポジション(人物/風景/夜景/
モノクロ)
電源 専用リチウムイオン充電池(NP-80)×1
本体サイズ 80(W)×36.3(D)×97.5(H)mm
重量 約258g(本体のみ)

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