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ウォッチガード、企業/IDC向けインターネットセキュリティーアプライアンスを発表

2001年05月31日 18時10分更新

文● 編集部 佐々木千之

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米ウォッチガード・テクノロジーズ社は31日、都内で記者発表会を開催し、中規模以上の企業やインターネットデータセンター向けに、ファイアーウォールとバーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)接続機能を備えたインターネットセキュリティーアプライアンス製品『FireboxIII』ファミリー2機種を発表した。

『Firebox4500』
『Firebox4500』

今回発表したインターネットセキュリティーアプライアンスは、『Firebox2500』と『Firebox4500』の2機種。同社のFirebox製品は、ファイアーウォール機能、VPN機能を備えており、管理ソフトウェア『WatchGuard VPN Manager』、およびLiveSecurityサービス(※1)が含まれる。Firebox2500/4500は、どちらも5000人規模のVPN接続の認証ユーザー(同時接続数)をサポートする。2製品の違いは3DES暗号を使用したVPN接続のスループットで、Firebox2500が55Mbps、同4500は100Mbpsとなっている。ファイアーウォール機能としてのパケットフィルターモードのスループットは両製品とも197Mbps。

※1 LiveSecurityサービス:ウォッチガード社のセキュリティー専門家が年中無休24時間、直接サポートしてくれるサービス。セキュリティー関連情報メールの配信や、インターネット上にセキュリティーの脅威が新たに登場した場合のFireboxのシステムアップデートなどを行なう。

Firebox2500/4500のハードウェアは、CPUがAMD K6-III-500MHz、128MBのSDRAM(2500の場合。4500は256MB)、8MBのフラッシュメモリー、暗号用アクセラレーターボードという構成で、インターフェースは100BASE-TXポート×3、シリアルポート×1を備える。OSはLinuxをベースに同社がセキュリティーを強化したものを使用している。6月中旬に出荷予定だが、すでに販売パートナー(※2)を通じて受注を開始しており、価格はFirebox2500が131万8000円、Firebox4500ga175万8000円となっている。

※2 アダムネット(株)、(株)データコントロール、(株)イソリア、富士ゼロックス(株)、(株)富士通ビジネスシステム、(株)ヒューコム、(株)アイティフォー、(株)リンクメディア、ネクストコム(株)、Network Solutions社、オムネス(株)、(株)大塚商会、ソフトバンク・コマース(株)、(株)シネックス、テクノフォックスコーポレーション。※ウォッチガード自身は直販を行なっていない。

北アジア地域担当副社長のジョン・カーチ氏
米ウォッチガード・テクノロジーズ、北アジア地域担当副社長のジョン・カーチ氏

発表会では、北アジア地域担当副社長のジョン・カーチ(John Kirch)氏とエンタープライズ・プロダクト担当ディレクターのマシュー・ディッキー氏が、同社の現状と新製品について説明した。

エンタープライズ・プロダクト担当ディレクターのマシュー・ディッキー氏
米ウォッチガード・テクノロジーズ、エンタープライズ・プロダクト担当ディレクターのマシュー・ディッキー氏

それによるとウォッチガードのFirebox製品は多くの企業やISPなどに受け入れられており、累計で世界では5000以上のネットワーク、日本でも500以上のネットワークでセキュリティー製品として利用されている実績があるという。売上げも順調で、2000年の売上げは6030万ドル(約71億8000万円)で、'99年の2060万ドル(約24億5000万円)から急激に増大しており、2001年には1億ドル(約119億円)に達する見通しとしている。

ウォッチガードの年間売上げ推移グラフ
ウォッチガードの年間売上げ推移グラフ。2001年は1億ドルに到達する見通しという

VPN機能を備えたファイアーウォール製品では、米シスコシステムズ社、米ネットスクリーン社、米チェックポイントテクノロジー社、米SonicWall社などが競合相手だが、ウォッチガードはSOHOから企業、IDCまでカバーする幅広い製品ラインアップを持っており、さらに他社の同等の機能を備えた製品と比較して、およそ半額程度とコストパフォーマンスに優れるとしている。また使いやすさを念頭に開発を行なっており、専門誌でも、インストールや運用がほかの製品に比べて容易であるとの評価を受けているという。

『Firebox』シリーズにおける各製品の位置づけ
『Firebox』シリーズにおける各製品の位置づけ

ウォッチガードでは、企業の各地の拠点をネットワークで結ぶインターネット分散型企業(IDE)の市場にフォーカスし、専用線と比較したVPNシステムのコストパフォーマンスのよさを武器にシェアの拡大を目指すという。今回のFireboxIIIシリーズの投入によって、中規模以上の企業や、VPNサービスを展開する事業者などのニーズにも応えられるとしており、サービスプロバイダー向け事業の推進や、企業に対するVPNシステムのコンサルティングで、企業ユーザーをターゲットに一層の売上げ拡大を目指す計画だ。

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