5月28日、Linus Torvalds氏の自伝的著作である『それがぼくには楽しかったから 全世界を巻き込んだリナックス革命の真実』(Linus Torvalds,David Diamond著、中島洋 慶応義塾大学教授監修、風見潤訳、(株)小学館プロダクション、ISBN4-7968-8001-1、1800円(本体))のプロモーションのために来日した、Linus Torvalds氏とDavid Diamond氏の記者会見が行なわれた。
記者会見では最初に、本書を刊行した(株)小学館プロダクション代表取締役である高石哲夫氏の挨拶が行なわれ、オープンソースの開発モデルが新しいビジネスモデルを考える参考になるのではないかという点と、そしてそのために「こうしたLinusさんの考え方をより深く知っていただきたい」と述べた。
引き続いて、本書の共同執筆者であるDavid Diamond氏による、執筆に際してのエピソードなどを交えたスピーチが行なわれた。そもそもの執筆のきっかけとなったのは、San Jose Mercury News紙からのBill Gates氏への取材の依頼だったそうだ。しかし「Gates氏は世界のコンピュータ利用者を人質にとるのに忙しかった」とのことで、Linus氏へのインタビューに切り替えることになったのだという。その際の取材が非常に楽しいものだったので、共同で何らかの本を出すことを提案したところ、Linus氏もいつか自伝を出版することを考えていたため、「一緒に働くのと同じくらい一緒に遊ぶ」という条件で本書の執筆が始められたのだそうだ。執筆のためインタビューも、ジェットコースターに乗りながら行なわれたり、プールで泳ぎながらオープンソースの動きに関して話をしたり、バッティング練習やハイキングをしたりといった形で、遊びながら行なわれたという。Linus氏は何よりも「楽しむ」ことが大事であると考えているそうで、どん欲になるのではなく、知識を共有し、何事も楽しむことで無限の可能性が広がるということが、本書を通じて読者に伝わってほしいと述べた。
Linus氏(左)とDavid氏。 |
その後、Linus氏とDavid氏への質疑応答の時間が設けられた。