cD0コア採用PentiumIII-1GHz |
cD0ステッピングコアを採用した新型PentiumIIIが突然アキバにデビューした。Intelは昨年の12月にPentiumIIIのステッピング変更を発表しているが、今回の登場は延長戦上にあるものだ。
ショップに並んでいるのはバルク版PentiumIII-1GHz。S-Specは“SL52R”となっており、主なところではCPUコア電圧が1.75Vへと上昇している。
なお、今回登場したバルク版と従来のcC0コアPentiumIII-1GHzとの仕様差は以下のとおり。
Stepping | CPUID | VCore | TDP(※1) | Thermal Spec |
---|---|---|---|---|
cD0 | 068A | 1.75V | 29.0W | 75℃ |
cC0 | 0686 | 1.70V | 26.1W | 70℃ |
cD0(左)とcC0(右)の比較 |
デザインにも若干の変更がある。従来製品と比較した右の写真を見てもらえれば分かるように、従来のPentiumIIIにあった“Intel”ロゴのシルク印刷だけではなく“PentiumIII”のロゴすらなくなってしまった。このため、一見しただけではPentiumIIIなのかCeleronなのか分からない。なお、CPUパッケージの上部にはIntelの名前、そしてクロック/2次キャッシュ容量/FSB/VCoreが刻まれ、下部には製造週やロットナンバーが刻まれている。また、SECC2などのパッケージに見られた“2D MATRIX MARK”と同じマークと思われる印刷も今回からあわせて記載されている。
裏面にも変化がある。はっきりと分かるのはキャパシタの数が8から12へと増加している点だ。一般的にキャパシタはノイズ対策を含めた安定性への配慮のために必要なものだが、ステッピングの変更によって必要になってきたと思われる。以前Coppermineコアに移行する際、このキャパシタの数が低減されたことがあったが、その時とは対照的だ。
裏面。cD0(左)とcC0(右)。cD0のキャパシタの並びは“S”?! |
CPUコア周辺がうっすらと暗くなっている |
22日付けで公開されているPCN(Product Change Notification)によると、1GHzのcD0ステップ製品としては今回アキバの登場したSL52R(S-Spec)の他に、FC-PGA2パッケージとしてSL5B3(S-Spec)がライナップに上がっている(両方とも製造プロセスは0.18μm)。今回の製品には、予想されていたほど大きな変化はないものの、今後はFC-PGA2パッケージから搭載する“IHS”(Integrated Heat Spreader)を持つPentiumIIIが登場してくる可能性も否定できない。気になるのは、今回の製品のコア周辺がうっすらと暗くなっている点だ。FC-PGA2がどのようなCPUパッケージで登場するのか詳細は不明だが、それを暗示しているようにも思える。
入荷していた高速電脳によると、初回はわずか2個で、しかもすでに売約済み。木曜日に再入荷する予定で、価格は3万800円となっているという。なお購入する場合、ステッピングの変更でマザーボード(BIOS)側の対応が必要になっている可能性もあり、人柱になる覚悟は少なからず必要だ。
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