スイッチでバーチャルLAN(VLAN)を構成したときのメリットで次の中からもっとも適切なものを選べ。
- A コリジョンドメインを分割する
- B ブロードキャストドメインを分割する
- C 全二重通信を可能にする
- D カット&スルースイッチングを実現する
CCNA試験で問われるのはレイヤ2スイッチであり、レイヤ3、4スイッチは入らない。よって、ここではレイヤ2スイッチ(以下スイッチ)について解説する。
スイッチとは、ブリッジ機能を持ったハブのことである(図4)。ブリッジは、コリジョンが発生する範囲、すなわちコリジョンドメインを分割する機能を持つ。しかし、ブロードキャストフレームを送信する範囲、すなわちブロードキャストドメインを分割することはできない。なぜなら、ブロードキャストフレームはデータリンク層のレベルで「全員宛」を表わすため、すべてのポートにブロードキャストフレームを伝播しないと全員に到達しないと判断するためである。これは、スイッチでも同様である。
図4●ブリッジの原理 |
一般的なスイッチは、VLAN(バーチャルLAN)を構成する機能を持つ。VLANとは、通信できる範囲を論理的に分割する機能のことだ。VLANを構成すると、物理的な配線を問わず別グループのLANに接続されているかのように見せかけることができる。もちろんVLANは、コリジョンドメイン、ブロードキャストドメインともに分割する機能を持つ。ただし、VLAN間で通信を行なうには、ルータが必要である。
コリジョンドメインの分割、全二重通信、カット&スルースイッチングは、VLANを構成しなくても実現できる機能である。したがって正解はBである。