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CCNA

資格通信

2001年06月15日 02時28分更新

文● NETWORK MAGAZINE 編集部

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出題 
グローバルナレッジネットワークインク 田中宏志

OSI参照モデルでエンドツーエンドの通信品質を確保するのはどの層か。

  • A 物理層
  • B データリンク層
  • C ネットワーク層
  • D トランスポート層

 CCNA試験では、ネットワークを理解するうえで基本となるOSI参照モデルの問題が多く出題される。OSI参照モデルとは、ISOが策定したOSI(Open Systems Interconnection)というネットワークアーキテクチャのモデル図である。図1のように、ネットワークの構成要素全体を7つの層に分け、それぞれの階層(レイヤ)ごとにプロトコルを定めている。

図1●OSI参照モデル
図1●OSI参照モデル

 物理層は、ビット列の伝送を行なうための取り決めがなされている。具体的には、コネクタの形状やピン配列、電圧や電流に関する仕様のほか、符号化方式についての規格を定義する。

 データリンク層は、1つの物理的メディアに接続されている近隣デバイス間でフレームを送信する方式が定められている。たとえば、フレームの形状やハードウェアアドレス(MACアドレス)、媒体アクセス制御方式、エラー検出方式や再送制御、フロー制御について定める。

 ネットワーク層は、パケットの中継、およびエンドツーエンドを定義する役割を持つ。具体的には、ソフトウェアアドレス(TCP/IPの場合はIPアドレス)と呼ばれる番号で発信元と送信先を識別する。ソフトウェアアドレスは、そのデバイスが存在するネットワークを表わす番号とネットワーク内でデバイスを識別する番号(IPアドレスの場合はネットワーク番号とホスト番号)で構成されており、そのデバイスが存在する場所に応じて管理者が番号を割り当てる。このため、ソフトウェアアドレスを見れば、最終的な送信先に到達するにはどのネットワークを経由すればよいか分かる。

 トランスポート層は、エンドツーエンドの通信品質を確保する方法が定められている。データリンク層のプロトコルによっては、エラー訂正やフロー制御を行なわないものもあるので、トランスポート層に該当するプロトコルがこれらの機能を補い、発信元が送信したデータを確実に送信先に届ける仕組みだ。

 セッション層は、プログラム間通信を行なう方式を定義する。具体的には、プログラム間通信を実現するのに必要な、セッションと呼ばれる仮想回線の開始、終了、および制御方法を定めている。

 プレゼンテーション層は、データの表現方法を定義する。たとえば、文字を表現するためのコード体系や、画像や音声をバイナリ表現する方式、データを圧縮、暗号化する方式などである。

 最後のアプリケーション層は、ネットワークを利用するアプリケーションそのものの通信方式を定める。たとえばファイル転送を行なうアプリケーションの場合、最初にファイル名を送信し、次にファイルサイズを送信、続いてファイルそのものを送った後、最後にファイルの最後を表わすデータを送る、といった取り決めを行なう。

 なお、エンドツーエンドの通信品質を確保するのはトランスポート層である。したがって正解はDである。

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