「3D PROPHET 4500 64MB」 |
3月12日の発表以来、コストパフォーマンスを重視する3Dゲーマーの間などで注目を浴びていたGuillemotのHerculesブランド製ビデオカード「3D PROPHET 4500 64MB」。右にならえでGeForceファミリを導入するのに抵抗感を感じていた人で、登場を心待ちにしていた人も多いだろう。そんな、PowerVR3をベースにした米ST Microelectronics製の第3世代チップ「KYRO II」を搭載するビデオカードがとうとうアキバにデビューした。
カード裏面。こちらにもHerculesのロゴが |
搭載するSDRAMはSamsung製。最大200MHzまで対応する5nsのチップを採用している |
KYRO IIはST Microelectronicsの従来製品「KYRO」と同様、PowerVR3の「タイルベーステクノロジ」(TBR)を採用している。これは“モニタ上に映っていない”ポリゴンを消去する「隠面処理」という技術だ。隠面処理により“表現されない奥行き部分”のデータ分だけメモリ帯域を消費せずに済むため、廉価なSDRAMと組み合わせても十分な描画性能を持つという。
現行KYROとの違いは、プロセスルールの変更(0.25μm→0.18μm)とコア/メモリクロックの変更(ともに115MHzもしくは125MHz→ともに175MHz)がメイン。KYROでサポートされていなかったHardware T&L/DirectX8の新機能への対応は今回も見送られており、基本的にKYRO IIはKYROの高クロック版という位置づけと言える。GeForce2 GTSに対するGeForce2 Ultraのような存在だと判断していいだろう。
付属のドライバCD-ROM |
なお、24日にアキバへ登場した3D PROPHET 4500 64MBはバルク版。付属品はKYROシリーズ用のドライバCD-ROM(ドライバのバージョンは7.89)だけで、マニュアルすらついていないという状況だ(オンラインマニュアルはCD-ROMに入っている)。カードはHerculesブランドお馴染みのブルーで、表面と裏面にはブランドロゴや製品名がプリントされている。カードにはビデオエンコーダやDVIコントローラ用と思われる空きパターンが確認でき、ビデオ入出力やDVI出力に対応したバリエーションモデルが登場する可能性もうかがえる。
ビデオ入出力やDVI出力用の空きパターンが基板上に確認できる |
実売価格はOVERTOP、高速電脳、PCiN秋葉原で1万9800円、CUSTOMで2万800円。数は少量のため、どうしても“初物”が欲しいという人以外は、来週登場予定のリテール版を待った方がいいかもしれない。
ちなみにそのリテール版だが、3月の段階では「1万8800円で登場する」と発表されていたものの、入荷を予告している複数ショップによれば2万2000円から2万5000円程度で販売開始となる見込み。残念ながら、発売までの間に何らかの事情で卸値が上がってしまったようだ(25日の取材において状況の変化が確認できた。リテール版も、どうやらバルク版と変わらない2万円程度の価格で登場するもよう)。
25日現在の価格情報
価格 | ショップ |
---|---|
\19,500 | コムサテライト3号店 |
\19,800 | クレバリー1号店 高速電脳 コムサテライト2号店 PCiN秋葉原 |
\20,800 | CUSTOM |