エイベックス(株)とマイクロソフト(株)は24日、ブロードバンド対応のエンターテインメントコンテンツ配信事業で提携することに合意したと発表した。今回の提携に伴い、エイベックスは、ブロードバンド向けコンテンツ配信サービス“avexnet TV”(エイベックスネット・ティーヴィー)を本日より開始した。このavexnet TVには、マイクロソフトのWindows Media Technologiesが採用されている。
握手を交わすエイベックス依田会長兼社長(右)と、マイクロソフト古川バイスプレジデント(左) |
avexnet TVは、通常のテレビのように番組編成表に添って、アーティストのプロモーションビデオなどを24時間ノンストップで放送するブロードバンド向け配信サービス。
スタート開始時は、エイベックスアーティストのプロモーションビデオを放送する“PV Channel”(1ch)、エイベックスのテレビCFを放送する“CF Channel”(3ch)、全国地上波30局ネットで毎週放送されているエイベックスのオリジナル番組『Channel a』を放送する“Channel a”(4ch)の3チャンネルが提供される。
転送レートは300kbps(320×240ドット/毎秒24~30フレーム)で、VHSビデオで映像を録画した場合と同レベルの映像品質だという。対応プレーヤーはWindows Media Player 7で、avexnet TV専用スキンが用意されている。
Windows Media Playerで再生したavexnet TVのイメージ画像。アナログテレビのようなスキンはavexnet TVオリジナルのもので、サイトからダウンロード可能。チャンネルボタンをクリックすると、1ch、3ch、5chと切り替わり、前回閉じたときに選択していたチャンネルが、次に起動したとき自動的に表示されるなど、通常のテレビと同じような感覚で操作できる |
エイベックスは、「既存のメディアでは、例えばプロモーションビデオを流しても、そのビデオを見たいユーザーが視聴できるとは限らない。見たいコンテンツを見たい人が視聴できる場を提供する」とし、avexnet TVでプロモーションの拡大を図る。
また将来的にはチャンネル数も拡大し、アーティスト関連グッズやコンサートチケットなどを販売する通信販売チャンネルや、新人アーティストのデビューストーリーを放送するチャンネル、ライブやコンサートを流すチャンネルなどを検討しているという。
avexnet TVは、エイベックスの総合エンターテインメント情報サイト“avexnet”およびマイクロソフトのインターネット総合情報サイト“MSN”の“Windows Media ガイド”メニューから無料で提供される。ただし、将来的には有料化されることもあり得るという。なお、avexnet TVの企画、編成、制作、運用およびマーケティングは、エイベックスネットワーク(株)が担当する。
エイベックスのサイト“avexnet”の画面。右上のavexnet TVアイコンをクリックすると、利用方法と番組表が表示される |
本日都内で行なわれた発表会で、エイベックス代表取締役会長兼社長の依田巽氏は、「ブロードバンドに対応した専用の放送番組を作成する。今はブロードバンドの夜明け。今後ブロードバンドインフラが急速に一般家庭に入るだろう。AV総合プロバイダーのトップブランドとしてブロードバンド時代への第1歩を踏み出す」と挨拶した。
なお、海外展開については「日本向けコンテンツがベースとなるため、当面は日本が重点市場となるが、海外展開も視野に入れて展開したい」としている。
また、米マイクロソフト社コンシューマ戦略担当バイスプレジデントの古川享氏は「これまで映像や放送のプロは、ある意味インターネットを邪悪なメディアとしてみていた。今回のエイベックスの参入によりインターネットがプロに認知してもらえたことをうれしく思う。放送事業者もインターネットを放送のパイプとして意識し始めている」
「優れたコンテンツが配信されることで、ブロードバンドの本当の価値が生まれる。コンテンツが具体的に見えてくるまでは、ブロードバンドは必要なかったかもしれない。コンテンツができて、ドライビングフォースがかかる」と語った。