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EDiCube TP1040AV

EDiCube TP1040AV

2001年05月23日 22時16分更新

文● 伊藤裕也

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DV Symphomovieがバージョンアップ
MPEG2ファイルへの出力に対応

DV Symphomovie 3.0
DV Symphomovie 3.0。画面は、DVカメラなどIEEE1394接続したデバイスをWindows上からリモートコントロールする「DV Deckモード」。

 エプソンダイレクトの「DV Symphomovie」は、DVC(デジタルビデオカセット)に記録した映像の取り込み(キャプチャ)から編集、さらにはDVCへの書き込みまで、DVベースのビデオ編集に関連する一連の処理が行えるソフトだ。
 本ソフトの特徴は、

  • 映像に加工の必要な箇所のみをレンダリングしてファイル化、そのファイルをオリジナルの映像と差し替えることによりレンダリングにかかる時間とHDD容量を最小限に抑える「部分レンダリング」システムを搭載
  • 作成できるビデオファイルは4GBまでというファイルシステムの制限(FAT32の場合)を打破し、ひとつのビデオクリップで最大180分までの映像を記録できる参照AVI方式「GigaSize」をサポート

といった、まさに実用最優先の作りとなっている。
 そのDV Symphomovieがバージョンアップされた。ファイル出力に関する機能を強化し、編集したDVデータをMPEG2/Windows Mediaファイル(Windows Media Video V7、以下WMV)として出力できるようになった。

DV Symphomovie 3.0
こちらは、編集加工を行う「DV Editモード」。タイトルや字幕スーパーの追加にナレーション/BGMの適用――と、ひととおりの作業に対応したビデオ編集ソフトだ。

 DV SymphomovieにおけるMPEG2エンコード機能には、カスタム・テクノロジーのエンジンを使用している。この機能で作成できる映像はフレームサイズが720×480ドット、フレームレートは29.97fpsと、“DVD-Video”と同じスペックで、ビットレートは10/5/3Mbpsの3種類から選択可能だ。
 参考までに、約10分間(ファイルサイズは約2GB)のDVデータをMPEG2ムービーとして出力した場合、ビットレートを10Mbpsに設定した状態でファイルサイズは約720MB、5Mbpsでは約370MB、3Mbpsでは約220MBとなる。
 溜め込んだ貴重なビデオテープなどの映像データの蓄積を目的とする場合、標準装備のCD-RW(コンボ)ドライブでは容量的に長時間(30分以上)の映像記録は難しく、IEEE1394インターフェイスで接続する大容量ストレージデバイス(DVD-RAMや最近出てきたDVD-RWドライブなど)の導入を検討することになるだろう。とはいえ、DVD-Videoと同等の品質で映像を記録し、簡単にPCで再生できる(その気になればCD-R/RWメディアでの配布も可能)というのは大きな魅力だ。
 なお、ビットレートの設定は、本文中に出てきたような数値ではなく、「高画質」「中画質」「低画質」という名称で表される。そのため、低画質を選んでも、もともと動きの少ない映像であれば(高画質に設定した場合と比較して)必ずしも粗い画質にはならない。DV SymphomovieのMPEG2出力を試してみた結果では、高画質は動きの激しい映像の保存に向き、低画質は動きの少ない映像の保存に適用するのが良いだろう。

 一方、WMVもMPEG2と同様に3つの設定から状況に応じてビットレートを選択する。設定の詳細なフォーマットは下表のとおりで、こちらは主に、Webページでの公開やビデオメールといった用途に適している。ちなみに、WMVの出力は高画質に設定した場合でもそのファイルサイズは10分で50MBほど。解像度こそ320×240ドットと低いものの、長時間の映像をCD-Rに記録するには、この設定が最も無難といえよう。MPEG2とWMV、状況に応じてうまく使い分けたい。


Windows Media Video V7出力フォーマットの詳細
種別 高画質 中画質 低画質
ビデオ フレームサイズ 320×240ドット 240×176ドット
ビットレート 632kbps 189kbps 36kbps
フレームレート 30fps 15fps
オーディオ ビットレート 64kbps 32kbps 10.2kbps
サンプリングレート 32.0kHz 16.0kHz 11.0kHz
モノラル/ステレオ ステレオ モノラル

 価格は標準構成のモデルで11万2800円。現在特価で販売されているTP1030AVよりも3000円ほど高くなっているが、HDDやコンボドライブの増強などを考えればコストパフォーマンスの高さは相変わらず健在だ。拡張性には難があるものの、IEEE1394ポートとUSBポートを上手に活用すれば、そう困ることもないだろう。
 個人ユーザーが、デジタルビデオカメラなどで撮影したホームビデオの編集を行うための編集システムとしては抜群のコストパフォーマンスを誇るだけに、ビデオ編集に興味のある人にとって有力な選択肢のひとつとなることは間違いない。

EDiCube TP1040AVの主なスペック
CPU PentiumIII-1BGHz
メモリ 128MB
ビデオ i810E
HDD 40GB
コンボドライブ R20倍速/RW10倍速/DVD12倍速/CD40倍速
通信 モデム&LAN
OS Windows Millennium Edition
モニタ オプション
Officeアプリ ×/○(選択可能)

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