さらに賢くなった測光方式
撮影サンプル1。遠景の描写力も良い。撮影は1200×1600ドットだが、掲載のため480×640ドットにリサイズしている。 |
まず、露出決定を行う測光方式が従来の「中央部重点測光」から、キヤノンお得意の「評価測光」に変更された。これで光線状態の入り組んだ状況や、逆光時でも安心してシャッターが押せるようになった。記録画素数は従来、200万画素をフルで使う1600×1200ドットと、640×480ドットの2つしかなかったが、中間の1024×768ドットが新たに追加された。
2倍しかないズームを補うデジタルズームも細かく設定でき、1.25/1.56/2.0/2.5倍(最大5.0倍相当)を選べる。内部の処理が高速化されたおかげで撮影間隔も短くなり、秒間2.5コマの連続撮影も可能になっている。ホワイトバランスの精度も上がり、従来は64分割で測光していたのが10万以上の分割になった。さらにスローシャッター時の画質向上を図る、ノイズリダクション機能も追加されている。以上に挙げた機能以外にも、多くの部分で追加や見直しがなされ、より購入欲をかきたてる内容に仕上がっていることは確かだ。
撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングした画像。細かい部分の解像力はかなり優れており、200万画素クラスの中でもトップクラスの性能を持っている。ハイライト部の描写が若干甘いが、その分シャドー側の描写力が良好だ。 |
同梱の本体キットにはPCとの接続に必要なものすべてが揃っている。専用のUSB接続ケーブル、8MBのコンパクトフラッシュ、テレビに出力するAVケーブル、ストラップ、専用充電池および充電器、ユーティリティソフトなど、買ったその日からカメラの画像を楽しめる。付属するソフトは画像ビューアやパノラマ合成、リモートコントロールが行えるソフトなど、盛りだくさんの内容だ。もちろんWindows用/Macintosh用とも同等のソフトが同梱されている。
撮影サンプル2。逆光時の撮影では質感の描写力が出やすい。葉の透明感でレンズの基本性能の高さがわかる。エッジの強調が若干強いが、プリントを考えたらちょうど良いくらいだ。レタッチ向きとは言えないものの、このカメラを使うユーザー層を考えれば納得できる設定だ。撮影は1600×1200ドットだが、掲載のため640×480ドットにリサイズしている。 |
バッテリは従来品と同じだが充電器が変更になり、カメラよりも小さいサイズになっている。充電器本体にACプラグを内蔵するため、ケーブルが不要で携帯性も良い。だが、いざというときに専用の充電池しか使えず、カメラ本体から充電池を取り出して充電器にセットしなければならないのは難点か。予備の充電池を1本(4500円)持っていたほうが精神的に安心するだろう。できれば本体内部に入れたまま充電できる手段も欲しいところだ。
撮影サンプルで3。マクロ撮影結果。レンズ前ギリギリまで近寄ることはできないのが残念(マクロ時で10cm)。近接撮影時に「あともう少し……」と思うことが多々ある。シャープネスは高く、質感の描写力は申し分ない。コントラストも高くてメリハリのある画像だ。撮影は1600×1200ドットだが、掲載のため640×480ドットにリサイズしている。 |
レンズが光学2倍までしかないのがネックとはいえ、本体サイズを考えれば仕方がない。上位機種にあたるIXY DIGITAL 300が3倍ズームを内蔵しているので迷うところだが、本体サイズは格段に小さく、携帯性では一歩も二歩も勝っている。デジタルカメラに軽快さと携帯性を求めるなら、迷わずに選びたいカメラだ。
撮像素子 | 1/2.7インチ約211万画素CCD(有効約202万) |
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レンズ | 光学2倍ズーム5.4~10.8mm(35mmフィルムカメラ換算:35~70mm)、 F2.8~4.0 |
測光方式 | 評価測光(測距点連動) |
撮影画素数 | 1600×1200/1024×768/640×480ドット |
露出 | プログラムAE |
シャッター速度 | 1~1/1500秒 |
ホワイトバランス | 自動/プリセット |
記録媒体 | CF(TypeI) |
動画 | 640×480ドット:約6秒、320×240ドット:約18秒、160×120ドット:約48秒 |
電源 | 専用充電式リチウムイオン電池(NB-1L)×1本 |
本体サイズ | 87(W)×26.9(D)×57(H)mm |
重量 | 約190g(本体のみ) |