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マイクロソフト、同社最大規模のカンファレンス“The Microsoft Conference 2001/spring”を開催

2001年05月15日 20時34分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は15日、同社主催としては最大規模のカンファレンス“The Microsoft Conference 2001/spring”を都内で開催した。開催期間は15日~17日。

開催初日となる本日は、同社代表取締役社長の阿多親市氏が“インターネット時代のマイクロソフトのビジョン”と題し、基調講演を行なった。

基調講演の様子
阿多社長による基調講演の様子

同氏は「マイクロソフトの基本戦略は“あらゆる場面でのシステム価値の向上”。機能だけでなく使いやすさを追求していく。インターネット新世代に必要なのは、人間が使いやすいコンピューターシステムを提供すること(キーワード:experience)、グローバル化やシステム統合、インターネットビジネスへの進出などの課題に対して俊敏性と柔軟性を持って対応すること(キーワード:Agility)、OSやプラットフォームに依存しないオープンなIT環境と、インターネットをプラットフォームとした機能を提供すること(キーワード:.NET)の3点だ」

「experienceをキーとした製品として、Office XP、Windows XPを順次発売する。これらは.NET戦略のクライアント群で中核となる製品であり、Office XPは.NET構想の最初のステップとなる」

「Agilityは、ビジネスを進めていくための方向性であり、スピードを自社の競争力に変えるということ。スピード、柔軟性、エンパワードがキーとなる。.NET Enterprise Serverは、従業員のエンパワード、ビジネスパートナーとの統合、顧客とのコネクションを支えるサーバー群だ。マイクロソフトは、プラットフォーム、アプリケーション、サービスを提供してリーダーシップを確立し、自らがサンプルとなってAgilityを実践する」

「.NETは、第三世代のウェブ技術を利用したプラットフォームであり、キーワード。プラットフォームに依存せずいつでもどこでも使えるサービスがキーワード。ソフトウェアをプラットフォームに依存しないサービスとして使えるようにするため、われわれはウェブサービスを推進する」

「現在、会社の中にはいろいろなシステムが存在しており、システム同士をつなぐものが必要だ。ウェブサービスにより、会社の中で“孤島”となっている個々のシステムをつなげる。サービスとして、インターネット経由でシステムを利用し合うことが重要だ」

「インターネットを介したリアルタイムな情報のやり取りをするための手段として、われわれはUDDI(Universal Description, Discovery and Integration)とSOAP(Simple Object Access Protocol)を提唱する。SOAPとUDDIにより、例えば、WindowsとUNIX間、COMとCORBA間、.NET FrameworkとJava間などを接続できる。競合の壁を越え、業界をあげて標準プロトコルを推進する」と語った。

会場では、富士通(株)のビジネスソフト『INTERSTAGE』(Javaベース)と、マイクロソフトの.NETアプリケーションをSOAPで相互接続するデモが行なわれた。マイクロソフトは富士通と相互接続を行なっており、1月29日付けで接続実験に成功したことを発表している。

デモの説明画面
相互接続デモの説明画面

同氏は「ユーザーがプラットフォームを意識せず接続できるよう、今後も相互接続検証を進める。また、SOAPなどを意識せずウェブサービスを作成できるVisual Studio .NETを提供する。Visual Studio .NETは、.NET Frameworkをサポートしており、全ての開発言語が1つの環境で利用できる。現在β1の段階で、今夏にβ2を提供できるだろう」

「インターネットをインフラとして、既存システムや他社製のシステムなど企業の資産を活用できる。experience、Agility、.NETという3つのキーワードが新世代の企業システム経営に必要なもの。.NETはいつでもどこでもどんなデバイスでも利用できる世界。実現にはまだ時間がかかるが今後も努力していく」と締めくくった。

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