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超薄型の「SPARCstation 1」をAT互換機に改造! もちろんOSは「Solaris 8」だ!!

2001年05月12日 22時26分更新

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置き物「SPARCstation 1」はいかに

SPARCstation 1
部屋の置き物になっていた SPARCstation 1の筐体。確か1000円しない金額でゲットした記憶

 Solaris 8入手の一件とは別に、置物のSPARCstation 1をなんとかして使ってみたいとも日頃から思っていた。
 私が所有するSPARCstation 1の裏側には、アメリカ人らしき筆跡で2-2-90と油性ペンの文字が書いてある。つまり1990年生まれなのか? いまでこそジャンク品となっているが、当時はハイエンドワークステーション。408mm×408mm×58mm(突起と足含まず)の筐体はまさに“ピザボックス”(宅配ピザの箱)。その後のSPARCstationはCD-ROMドライブなどが内蔵され若干厚みが増していた。なので、いちばんすっきりとしたデザインはこのSPARCstation 1ではないだろうか。
 ただ、その薄いケースが災いして、これにAT互換機をブチ込むには、ATX対応の超薄型電源が必要。あるいは、付属の電源を生かすならBabyATマザーボードが必要だ。そして、薄型筐体のためスロットにカードを差すことができないので、オンボードでビデオ機能やネットワークコントローラまで搭載したマザーボードを使うしかないと思っていた。



T810B-CU
最初にゲットしたマザーボード、Tomatoの「T810B-CU」

 そんなある日、Akiba2GO!の記事でTomatoブランドの「T810B-CU」の記事を見た私の中で、むずむずと物欲の虫が動き出した。BabyATマザーボードならば、電源がそのままで使えそう。そして、i810チップセットならば、特に拡張カードがなくてもとりあえず起動できる。USBポートがあればカードがなくてもネットワークに接続可能。さらに、BabyATマザーボードでありながら、いまどきの性能を持ったマシンになる。
 そうと決まれば即アキバにゴー! マザーボードをソフトアイランド秋葉原店でゲットした。7680円なり。
 ここで、飾りものだったSPARCstation 1の筐体は、復活に大きく動いた。あとは手持ちのパーツをちょいちょいで組み上げてしまえばすぐ終わり。こう考えていた。



マザーを入れてみる
ひとまずマザーボードをSPARCstationに入れてみる
アルミ板とスペーサ
購入したアルミ板とスペーサ

 次に、T810B-CUを筐体内部にネジで固定するためのスペーサを千石電商で購入。20円が5個。ふつうのPC用ケースに付属しているスペーサは、雄ねじ部分がインチ規格。インチのタップなどという工具は持ち合わせてないので、ミリねじのスペーサを買い直したわけだ。
 ほかには、バックパネル用のアルミ板。50(W)×200(D)×1(H)mmで70円(ラジオデパート2FのSS無線)。



Celeron-566MHz
今回は電源容量も不安だったので、低クロックなものをチョイス

 電源はSunのものをそのまま使う。そのままでもCPUにCoppermine Celeronの低クロックを選べば消費電力的に問題ないだろうということで、566MHzをチョイス。手持ちにはPPGAの333MHzもあったが、つい気前良く新品の566MHzを購入してしまった、ツクモパソコン本店IIで5980円。

 Sunのケースは非常に薄いので、ファンも薄型が必要である。そうしているうち、なぜかこのマシンの製作が記事になることがAkiba2GO!で決まっていたのである。



CPUクーラー
これが4800円のCPUクーラー。ちょっと奮発してまった。

 ならば、玄人好みのCPUクーラーにしようと、Akiba2GO!のK副編に選定を相談。ちょうどその時は毎年ヨーロッパで開催されるCeBIT取材直前だったので、購入まで任せてしまった。だが、これが大誤算。K副編(オーバークロック好き)は「薄型でも万全の冷却性能を」と気を利かせ、アルファの薄型銅埋め込みCPUクーラー「FC-PAL15U」を高速電脳でゲットしてきてしまった。うわっ、4800円。「CPUクーラーごときにカネはかけられん」と思っていた私に、この金額は重くのしかかる。これがさらなる苦難の道のはじまりとは誰が予想しただろうか。



なにはともあれ、改造開始

タップ
ケースに穴をあけ、スペーサをとめるためにタップをたてる

 とりあえずBabyATマザーボードを固定するためにケースに穴を開け始めた。
 さすがはSun。鉄板が厚い。しかし決して剛性が高いわけではなく、ちょっと力を入れて押すとケースがグニャリとたわむ。プラケース時代のDell製PCのようだ。
 まず、スペーサを取り付けてマザーボードを固定。ここで、端子類をつけるバックパネルを加工する。絶対必要なVGA端子、そしてPS/2端子、なにかと便利なUSB端子、これを装着するために、アルミ板を加工する。



背面
後ろにはアルミ板でビデオ出力端子やPS/2端子、USB端子を配備。RJ-45端子やもうひとつのビデオ出力端子は、後になって付け加えたため、バラックである

 アルミの加工はきちんとした道具があれば、そんなに難しいことはないが、ドリルとヤスリだけでやったため、けっこう時間がかかった。
 Sunの電源のコネクタは、もちろんATとはまったく異なるもの。これは、他の編集部が廃棄した昔のPCから事前に切り取っておいたAT電源のコネクタを繋いで解決した。ついでにHDD用のコネクタもゲット。接続には圧着端子を使う。半田付けにチューブかけでもいいのだが、接合部強度の点では圧着がベスト。
 さて、ここで問題が。Sunの電源には-5Vがないのだ。あるのは、+5V、+12V、-12Vだけ。大した電流もないので、-12Vからの3端子レギュレーターを使って作ろうとも思っていたのが、すっかり忘れていたのだ。なくても動作することを祈って、電源オン!



完成か?
完成か?この状態でもWindowsマシンにはなる

 ………オッケー! 無事に動いた!!

 とりあえず、T810B-CUは動作している。ただし、きちんと動作させるにはちゃんと全部の電圧を用意したほうがいいのは言うまでもない。
 こうなったらこのまま動作確認だ。CD-ROMドライブを仮接続し、Windows Meをインストール。あっけなく動作。
 この企画はこれでおしまいだ。と思った。

 しかし、オニのAkiba2GO!は許してくれなかった。K副編と担当編集のK。これだけではぜんぜんおもしろくないと。ここまで来たならSolaris 8をインストールしろと。ていうかSPARCstationにSolarisが入ってなきゃウソだと。そのためならなんでも協力すると…(筆者注:費用の面では一切協力してくれない)。

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