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Corel DRAW 10 Graphics Suite 日本語版

Corel DRAW 10 Graphics Suite 日本語版

2001年05月14日 18時02分更新

文● 伊藤裕也

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Webアニメーションならオマカセ!
Corel R.A.V.E.

Corel R.A.V.E.
今回のバージョンからCorel DRAWのパッケージに加わった新ツール「Corel R.A.V.E.」のメインウィンドウ。
 今回のバージョンからCorel DRAWのパッケージに新しく追加された「Corel R.A.V.E.」は、ベクターシェイプやビットマップイメージで作成したオブジェクトに動きを付加してアニメーションの作成を行うモーショングラフィックスツールだ。
 モーショングラフィックスツール――と一口にいっても放送用途に堪える高品質な映像を作成できるものからパラパラアニメ程度まで用途によっていろいろあるが、Corel R.A.V.E.は主にWebアニメーションの作成を目的とするツール。それぞれのオブジェクトに対してURLの埋め込みが可能であったり、Webアニメーションの事実上標準フォーマットとなっているMacromedia Flashフォーマットの出力に対応するなど、Webアニメーション作成ツールの基本をきっちりと押さえた仕様になっている。
 仕組みとしては、ほかのソフトで作成したベクターシェイプやビットマップイメージ、もしくはCorel R.A.V.E.自身が搭載するドローイングツールで描画したベクター形式の画像データを基本オブジェクトとしてワークスペースに配置(登録)、そのオブジェクトに対してキーフレームを設定、動きや回転などの属性を付加することであとは自動的にアニメーションの作成を行う――というごくオーソドックスなもの。アニメーション時間のコントロールは、時間の流れをフレーム単位で示すタイムラインで行う。
 具体的なアニメーションの作成方法としては、フレームごとに異なるイメージを用意するベーシックなものや、オブジェクトをまったく別の形状に連続的に変形させる「ブレンド」、最初と最後のコマ(オブジェクトの位置や形状)の違いからその間のデータを自動的に補完し、アニメーションの作成を行う「トゥイーン」が用意されている。
 ビットマップイメージなどのラスターグラフィックに対しては、アンシャープマスクやガウスフェード、ページカールといったエフェクトの適用も可能だ。
 Corel R.A.V.E.は条件分岐などスクリプトを用いたコントロールには対応していないため、複雑なインタラクティブコンテンツの作成においてはライバルのMacromedia Flashに及ばないものの、個人が作成するWebページを飾るためのコンテンツを生み出すためのアニメーションツールとして考えれば、必要十分な機能を備えている。Corel R.A.V.E.が、Corel DRAW&Corel PHOTO-PAINTのWeb対応における切り札であることは間違いないだろう。



表現力が向上した
Corel PHOTO-PAINT 10

Corel PHOTO-PAINT 10
Corel PHOTO-PAINT 10のメインウィンドウ。今回のバージョンよりCorel DRAWのユーザーインターフェイスと同じスタイルになっている。
 Corel PHOTO-PAINTは、一本でフォトレタッチとペイントの両方が実行できる統合グラフィックスツールだ。その最新版であるCorel PHOTO-PAINT 10は、Corel DRAWとの連携を高めるべくユーザーインターフェイスを統一した上で、インタラクティブツールやテキストツールの強化を行っている。


歪曲効果
テキストをパスに流し込んだ状態でも、ご覧のとおりテキストを編集できるようになっている。ただし、歪曲効果を付加したテキストを変更すると、歪曲効果は初期化されてしまうので注意。
 インタラクティブツールの強化点は多岐にわたるが、中でも注目はマウスで簡単に影を付加できる「インタラクティブドロップシャドウツール」で、影の透明度や光源の傾き具合を調節できるようになったことが大きい。新しいテキストツールでは、テキストのパスに対する色の流し込みやワーピング(変形)に対応している。このテキストの変形はテキストオブジェクトに付加した属性で表示するので、変形後のテキストの編集も実に簡単だ。
 また、画像の輪郭を保ちながらぼかし効果を適用する「スマートフェード」、写真に赤く写りこんでしまった目の色を補正する「レッドアイの除去」といった頻繁に使う特殊効果を追加するとともに、イメージの微妙な調整を行うツールとしてチャンネルミキサーも搭載している。チャンネルミキサーでは、RGB・CMYK・Labそれぞれのカラースペースにおいて、チャネルのバランスの微調整が可能だ。
 Corel PHOTO-PAINT 10の強化ポイントは、全般に表現力を高めるものが中心となっている。

 Corel DRAWファミリーの価格は下の表のとおり。今回レビューに用いたCorel DRAW 10 Graphics Suite 日本語版は通常版が8万8000円となっている。ちなみに、アドビシステムズのデジタルイメージの編集ソフト「Adobe Photoshop」と、同じくドローイングツール「Adobe Illustrator」を合わせた価格はおよそ17万円。それに対して、Corel DRAWとCorel PHOTO-PAINTを合わせたCorel DRAW 10 Graphics Suiteなら半額程度で済む。このコストパフォーマンスの高さは大きな魅力だ。また、搭載する機能はかなり豊富だが、ユーザーインターフェイスはWindowsの基本的なインターフェイスに準じた扱いやすいスタイルなので、操作の習得も早いだろう。
 Windowsで本格的にグラフィックスソフトを使いこなそう、学ぼうと考えた場合、安心してお勧めできるソフトウェアのひとつだ。


Corel DRAWファミリーの価格
Corel DRAW 10 Graphics Suite 日本語版
通常版 8万8000円
アカデミック版 4万4000円
店頭アップグレード版 3万8000円
Corel DRAW 10 日本語版
通常版 4万8000円
アップグレード版 2万3000円
Corel PHOTO-PAINT 10 日本語版
通常版 4万8000円
アップグレード版 2万3000円

製品名 Corel DRAW 10 Graphics Suite 日本語版
発売元 Corel/メディアヴィジョン
連絡先 03-3222-6841
URL http://www.mvi.co.jp/
対応OS Windows 98/Me/NT 4.0/2000

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