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QV-2400UX

QV-2400UX

2001年05月10日 22時37分更新

文● 行正

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気軽に使えて凝った撮影も可能

側面にはCFスロットがあり、上面中央部は大きく開いてUSBやAV出力コネクタが現れる。

 実際に使ってみると、QVシリーズではおなじみの回転式レンズ機構による撮影アングルの自由度の高さはあいかわらず便利で、明るく見やすい液晶モニタは光学ファインダがないことも不便とは思わせない。また、マクロやマニュアルフォーカス、バルブ(最大60秒)やインターバル撮影(1~60分間隔、開始時間指定可能)、パノラマ撮影や動画撮影などの多彩な機能は、使い込めば使い込むほどおもしろくなってくる。
 なお、ベストショット機能で「風景と人物」を選べば、右側もしくは左側の人物シルエットにフォーカシングエリアが表示されるものの、QV-3500EXで搭載されていたフォーカスエリア指定機能は搭載されていないのが少々残念だ。



TIF(左)とJPEG(右)で撮影した画像。元画像は1600×1200ドットをそれぞれトリミングしている。最終的にJPEGの画像として掲載していることもあるが、実際に見てもJPEGの最高画質ではTIFと画質的にはあまり差は感じない。両画像ともF5.6、1/56秒。

 電池駆動時間も、アルカリ乾電池で約600枚撮影、ニッケル水素充電池なら約720枚、リチウム電池ならば約1200枚、3Vリチウム電池パックを装着した場合は約1560枚(いずれもカタログ値)撮影可能と、最近のデジタルカメラ製品の中でもかなり長い。普段はニッケル水素充電池を使い、緊急用にアルカリ乾電池をバッグに入れていれば、1日持ち歩いて使っても電池切れの心配はまずないだろう。起動時間も約3秒と高速で、普段から持ち歩くサブカメラとしても使いやすい。
 画像に関しては、暗部や薄いグラデーション部分のCCDノイズが多少気になるものの発色は自然だ。ベストショット機能を使うと明確に木々の緑や花の色合いは鮮やかすぎる感じになってしまうのはQV-3500EXと同様だ。



絞り優先モード(左、F5.6、1/60秒)とベストショットの「花を撮る」(右、F2.8、1/95秒)の撮影結果。元データは1600×1200ドットだが、それぞれ640×480ドットにリサイズし、トリミングした画像を並べている。

 ベストショット機能の使い方などに関してはQV-3500EXレビューでも述べたが、高く評価したいのは初心者でも高度な撮影テクニックが利用できる点だけではない。プログラムモード(いわば全自動)撮影だけではないマニュアル撮影による絵作りということをユーザーに伝え、撮影の基礎知識を学ぶことができるという点で、カメラ初心者にぜひとも一度使ってみてほしい。もっとも、QV-2400UXが搭載する2段階の絞りのみでは表現も限られてしまうため、上級者にとっては多少不満があるかもしれない。
 QV-2400UXは、デジタルカメラ市場の形成に多大な貢献を果たした名機「QV-10」の直系の子孫であり、QV-10がそうであったように気軽に使えて楽しんで撮影でき、さらに凝った撮影もしたくなる製品だ。



ベストショット機能の「夜景」を使って撮影した東名高速新型照明灯(川崎市)。F2.8、露光時間1秒。

 なお、QV-2400UXと同時に発表された「QV-2900UX」は、光学8倍ズームと3段階絞りという光学系以外はほぼ同じ仕様であり、3倍ズームを物足りなく感じるのであればこちらをお勧めしたい。



通常モード(プログラム)撮影。F2.8、1/185。周辺歪みは少なく、コントラストの高い画像にもかかわらず階調の飛びもそれほど目立たない。元画像は1200×1600ドットだが、480×640ドットにリサイズしている。

QV-2400UXの主な仕様
撮像素子 1/2.7インチ211万画素(有効202万)
レンズ f=6.2~18.6mm(35mmフィルムカメラ換算:41~123mm)、
F2.8~4.5
絞り F2.8/5.6
シャッター速度 1/2000~バルブ
静止画 1600×1200ドット/800×600ドット
動画 320×240ドット、約25秒
記録媒体 CF(TypeII、microdrive対応)
液晶モニタ 1.8インチHAST液晶モニタ
電源 単3×4本/3Vリチウム電池パック、アルカリ乾電池/
ニッケル水素充電池/リチウム電池
本体サイズ 118(W)×54(D)×67(H)mm
重量 約245g

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