米AMD社は5日付(米国時間)で、デスクトップパソコン用CPUの価格を引き下げた。値下げ率はAthlonが18~28%、Duronが10~11%で高クロック製品ほど値引率が大きい。3月22日に発表したAthlon-1.33GHzは約28%下げ、253ドル(約3万800円)となった。秋葉原のパソコンショップではすでに連休中の1日に、この改訂を受けた形で販売しており、Athlon-1.33GHzが3万円以下で売られている。
Athlon(現行のThunderbirdコアの製品) |
この価格改定は、米インテル社が4月29日に行なったPentium 4の大幅な価格引き下げの対抗措置と見られる。インテルは価格改定に先立つ4月23日に発表したPentium 4-1.70GHzを352ドル(約4万2800円)と、Athlon-1.33GHzの350ドル(約4万2600円)にぶつけてきたが、AMDは今回の価格改定で約100ドルの価格差を持たせたことになる。
AMDでは2001年第2四半期中にAthlon-1.4GHzを投入するほか、第3四半期には“Palomino(パロミノ)”版Athlon(※1)、2002年前半には0.13μmプロセスとなる“Thoroughbred(サラブレッド)”版Athlon(※2)、さらに2002年後半にはSOI技術(※3)を使用した“Barton(バートン)”版Athlon(※4)と、半期ごとに新しいコアをリリースするというロードマップを明らかにしている。
※1 Palomino:現行のAthlonコアである“Thunderbird(サンダーバード)”と同じ0.18μmプロセス技術で製造し、128KBの1次キャッシュと256KBの2次キャッシュ(いずれもコアと同速度。Thunderbirdも同様)、を備える。詳細についてはまだ明らかにしていないが、Thunderbirdよりも小さなダイサイズで、より低いコア電圧、高速な動作クロックになるとしている。電力管理機能を備えたモバイル向けと、デスクトップ向けの2種類があり、モバイル向けPalominoは2001年第2四半期中にリリース予定。※2 Thoroughbred:0.13μmプロセス技術で製造するPalominoの次世代コア。2002年前半に登場予定。
※3 SOI(Silicon on Insulator):半導体形成時に、まずシリコンウエハーの上に薄く絶縁膜を置き、その上に半導体を形成することで、半導体部分とシリコン部分の間に小さなコンデンサーができてしまうのを防ぎ、高速・低消費電力化を実現する技術。
※4 Barton:0.13μmプロセスと、SOI技術を採用するThoroughbredのさらに次世代のコア。2002年後半に登場予定。最後のAthlonとなる見込み。
Athlon (FSB266MHz) | |||
クロック | 旧価格(4月2日) | 新価格(5月5日) | 値下げ率 |
---|---|---|---|
1.33GHz | 350ドル | 253ドル(約3万800円) | 28% |
1.2GHz | 294ドル | 219ドル(約2万6700円) | 26% |
1.133GHz | 265ドル | 197ドル(約2万4000円) | 26% |
1GHz | 224ドル | 176ドル(約2万1400円) | 21% |
Athlon (FSB200MHz) | |||
クロック | 旧価格(4月2日) | 新価格(5月5日) | 値下げ率 |
---|---|---|---|
1.3GHz | 318ドル | 230ドル(約2万8000円) | 28% |
1.2GHz | 268ドル | 199ドル(約2万4200円) | 26% |
1.1GHz | 240ドル | 179ドル(約2万1800円) | 25% |
1GHz | 204ドル | 160ドル(約1万9500円) | 22% |
950MHz | 182ドル | 149ドル(約1万8100円) | 18% |
900MHz | 172ドル | 140ドル(約1万7000円) | 19% |
Duron | |||
クロック | 旧価格(4月2日) | 新価格(5月5日) | 値下げ率 |
---|---|---|---|
900MHz | 129ドル | 115ドル(約1万4000円) | 11% |
850MHz | 111ドル | 99ドル(約1万2000円) | 11% |
800MHz | 90ドル | 81ドル(約9900円) | 10% |