パフォーマンス面は優秀
ALiMAGiK 1の今後を占う製品
ベンチマークテストの結果は、メモリパフォーマンスを測定するWV32では好成績をマーク、AMD-761を搭載したA7M266を大きく上回っているが、そのほかのアプリケーションベースのテストでは、すべてA7M266に及ばなかった。とはいえ、その差はごくわずかなもので、これまで行ったAthlonプラットフォーム同士の比較テストの結果とはかけ離れた、意外とも言える結果となっている。当時とはビデオカードなどのハードウェア、またドライバのバージョンなども異なっているのだが、メモリ関連のテストで特定のチップセット(マザーボード)だけに有利に働くということは考えにくく、やはりALiMAGiK 1の熟成が進んでいると見るべきだろう。また同時に、このK7MG Proの完成度の高さも示している。
同じMSIのApollo KT266マザーボード「K7T266 Pro」もBIOSのチューニングを進めており、新BIOS(現時点ではまだβ版)ではかなりのパフォーマンスの改善が見込めるという。2000年末から登場してきたDDR SDRAMベースのプラットフォーム間の性能比較では、常にAMD-761が最速であるという結果を示していたのだが、どうやらここにきてそうとも言い切れなくなってきたようだ。ここ半年の間にFSB266MHz&PC2100 DDR SDRAM環境が本格化、ドライバ等の更新も進んでおり、今一度新たな環境でAthlonプラットフォームの性能を再検証してみる必要があるだろう。
ボード自体は、非常にオーソドックスでシンプルな仕上がり。目立った付加機能があるわけではなく、またBIOS設定が豊富でオーバークロックには向いているというわけでもない。その分、安定性や信頼性の面では期待していいだろう。今回はWindows Millennium Editon環境で評価したが、試用中は安定した挙動をみせていた。また、MSI製のボードとしては、AMD-761搭載の「K7 Master Rev1.1」、Apollo KT266搭載の「K7T266 Pro」とあわせ、DDR SDRAM&FSB266MHzに対応した3種類のAthlon/Duron用プラットフォームが揃ったことになる。本ボードが市場でどのように受け入れられるのか、ALiMAGiK 1の今後を占う意味で注目したい。
製品名 | K7MG Pro |
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メーカー | MSI |
チップセット | ALiMAGiK 1(ALi) |
メモリソケット | DDR DIMM×3、DIMM×2 |
拡張スロット | AGP Pro×1、PCI×5、CNR×1(PCIと共用) |
FSB設定クロック | 100~120、133~160MHz(1MHz刻み、BIOS) |
コア電圧 | 自動 |
CPU I/O電圧 | 自動 |
BIOS | AWARD |
ボードサイズ | 305(H)×250(W)mm |
問い合わせ先 | エム・エス・アイ・コンピュータ・ジャパン http://www.msi-computer.co.jp/ |