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スピードネット、無線インターネットサービスを5月25日開始

2001年04月26日 14時50分更新

文● 編集部 佐々木千之

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スピードネット(株)(※1)は26日、都内で記者発表会を開催し、5月25日に埼玉県さいたま市(浦和市、大宮市、与野市が5月に統合)を手始めに、無線接続による常時インターネットサービスを開始すると発表した。5月1日から同社のウェブサイトを通じて受付を開始する。

※1 スピードネットは'99年9月に、東京電力(株)、ソフトバンク(株)、米マイクロソフト社がほぼ3分の1ずつ出資して設立した、無線/有線接続による高速・常時インターネット接続サービスを提供する企業。本社は東京都港区。設立後増資を行なっているが、2001年3月に事業開始をにらんだ大幅増資を行なった。現在の資本金は74億8750万円で、出資比率は東京電力77.13%、ソフトバンク10.35%、米マイクロソフト10.35%、ヤフー(株)1.67%、東京通信ネットワーク(株)(TTNet)0.17%、KDDI(株)0.17%、(株)光通信0.17%。

最高通信速度は1.5Mbps、月額利用料は4350円(インターネットサービス料金、機器使用料込み)。初期費用として、機器設置のための標準工事費9900円、契約手数料3000が必要。当初はさいたま市の一部地域で開始し、9月にさいたま市全域、10月に東京都杉並区、練馬区、12月に東京都市部(三鷹市、調布市、狛江市、小金井市、府中市、国分寺市、国立市)および神奈川県川崎市(多摩区、宮前区、高津区)、横浜市(青葉区、都筑区、港北区、緑区、神奈川区、旭区、保土ヶ谷区)、2002年2月に千葉県市川市、船橋市、浦安市までエリアを拡張予定。

スピードネットのサービス料金
スピードネットのサービス料金
サービスエリア
サービスエリア

顧客獲得目標は、2001年度末3万5000、2002年度末10万、2003年度末16万としている。主な顧客対象は個人ユーザー。無線インターネットアクセスサービスとして開始するが、2001年夏をめどに有線(光ファイバーまたはメタル)アクセスサービスを、さいたま市、杉並区、練馬区の各一部地域で開始する予定。有線サービスの利用料は現在調整中で、現時点では非公開。

東京電力常務取締役の築山宗之氏
東京電力常務取締役の築山宗之氏

発表会で挨拶した東京電力常務取締役の築山宗之氏は「東京電力が関東に5万キロにわたって敷設している光ファイバー網と電柱の活用により、NTTにまったく依存しないネットワークが構築できた。('99年9月の設立以来)事業開始までに時間がかかったが、十分な検証が行なえた。東京電力として、事業を主体的に行なうことが望ましいと考え、3月に事業の本格的開始に必要な50億円の増資を引き受けた。約8割を出資することになり、ネットワークインフラ面では技術開発など全面的に協力していく。営業面、コンテンツ面ではソフトバンクとマイクロソフトに協力をお願いする」と述べた。

スピードネット代表取締役社長の和田裕氏
スピードネット代表取締役社長の和田裕氏

サービスエリアとして東京都心部を除く周辺を中心としていることについて、スピードネット代表取締役社長の和田裕氏は「ADSLが伸びているが、電話局からの距離で制限がある。スピードネットは無線の方が有利と思われる場所を選定した。また当初は個人ユーザーを対象とするため、民力なども考えて、多くのユーザーに利用いただけることや、ほかのサービスプロバイダーとあまり競合しないと思われる地域を選んだ」という。また常務取締役の馬場博幸氏は「電波を使うという特性上、最初は電波の飛びやすい住宅地を選んだ」と述べた。

スピードネットのシステム概要
スピードネットのシステム概要

ほかのサービスが多く登場し、価格競争力の点で弱いのではという質問が出たが、「スピードネットはインターネットサービスも含めた込み込み料金であり、ADSLサービスなどに十分対抗していける」(馬場氏)と自信を見せた。今後は企業ユーザーや、ISPへの回線提供といったことも視野に入れて事業を展開していくという。

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