日本アイ・ビー・エムは4日、IBMの新バージョンのUNIXで、Linuxアプリケーションも動作する『AIX 5L for POWER バージョン5.1(以下AIX 5L)』と、64bitプロセッサを搭載した『IBM eServer pSeries 620/660』、サーバ・クラスタ『Blue Hammer』、“SP外部接続ノード”といった新しいUNIX製品群を発表した。
AIX 5Lの概要
今回発表されたAIX 5Lは、IBMのPOWERアーキテクチャで稼働するもの。IA-64対応版である『AIX 5L for IA-64(Itanium)』はインテルのIA-64出荷にあわせて提供される予定。Linuxに対応したAPIを搭載することで、Linuxとの親和性を高めた“Affinity with Linux”機能が搭載されている。これにより、Linux用のさまざまなアプリケーションをコンパイルするだけで使用することが可能になっている。ほかにも、
- CPUとメモリのほかにディスクのI/Oの管理機能も提供する“ワークロード管理(Workload Manager)”機能
- 新しいJFS2(ジャーナル・ファイル・システム2)による1TBのファイルのサポートや256GBのメモリのサポート
- システム停止時に自動的にリカバリーするなどのRAS(Reliability、Availability、Serviceability)の強化
- AIX標準のシステム管理ツールであるWebベース・システム・マネージャによる音声出力やマウスを使わないキーボードのみの操作
などの機能が提供されている。出荷開始予定は5月9日。
UNIXサーバ新製品
今回、UNIXサーバ新製品2機種についても発表された。IBM eServer pSeries 620/660は、銅配線と“SOI(Silicon On Insulator)”技術を採用した、64bitプロセッサを最大6個まで搭載することが可能なSMPサーバ。“SOI技術”とは、チップ上に配置されたトランジスタを絶縁することで消費電力を減らし、銅配線によって処理を高速化する技術で、これにより従来製品に比べて高い処理能力と少ない消費電力を実現しているという。
価格は、デスクサイド・サーバであるIBM eServer pSeries 620が270万7300円から、ラックマウント型のIBM eServer pSeries 660が329万9500円からとなっている。出荷開始は4月27日からの予定。
また同時に、
- 『RS/6000 SP』で使用されるクラスタ管理ソフトや、高速なコミュニケーションを可能にする“SPスイッチ技術”に対応したクラスタシステムである、『Blue Hammer』にミッドレンジ・サーバ機種の追加
- ミッドレンジまたはハイエンドのサーバを、SPシステムの外部ノードとして接続する技術
が発表された。また、同社によると、今後Linuxによる「クラスタ・ソリューション」を開発する計画があるという。