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ソニーとエリクソンの合弁企業、「携帯端末の市場でリーダーを目指す」

2001年04月24日 20時18分更新

文● 編集部 中西祥智

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ソニーとエリクソンは補完関係

ソニー(株)とスウェーデンのエリクソン社は24日、両社の携帯電話事業を統合し、“ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ”(Sony Ericsson Mobile Communications)を、10月1日に設立することで基本合意に達した。(【速報】ソニーとエリクソン、携帯電話で合弁企業を設立――世界第3位の携帯電話メーカーが誕生)

新会社の社長に就任するソニー執行役員上席常務の井原勝美氏は「新会社は、携帯電話端末の市場でリーダーを目指す」とした。

ソニー執行役員上席常務 井原勝美氏ソニー執行役員上席常務 井原勝美氏

今回の合弁企業設立は、2000年の9月ごろから交渉を開始した。新会社は、携帯電話事業を行なうソニーの社内カンパニー“デジタル テレコミュニケーション ネットワーク カンパニー”と、エリクソンの携帯電話端末部門とを統合する形で設立する。ただし、エリクソンのモバイル テクノロジー プラットフォーム ユニットは、新会社には統合されない。従業員はソニーから1000名、エリクソンから2500名の、合わせて3500名となる。

ソニー代表取締役社長兼COOの安東国威氏は「2001年のソニーの方針は、いつでもどこでも接続できる“ユビキタス・バリュー・ネットワーク(Ubiquitous Value Network)”の実現に全力をあげて取り組んでいく」ことの一環として、今回の合弁があることを語った。また「親会社同士の協力も行なう」としている。

ソニー代表取締役社長兼COO 安東国威氏ソニー代表取締役社長兼COO 安東国威氏

日本エリクソン(株)代表取締役社長のモーガン・ベングッソン(Morgan Bengtsson)氏は「次世代携帯電話によって、大きくコミュニケーションの方法が変わる。音楽、ビデオ、文字、ゲームなどによって、携帯電話はあらゆるコンシューマー機器の境界線を越えていくだろう」と予測した。

日本エリクソン(株)代表取締役社長 モーガン・ベングッソン氏日本エリクソン(株)代表取締役社長 モーガン・ベングッソン氏

井原氏は「ソニーは、基地局などのインフラ面が十分ではないが、音楽やゲームなどのAV面に強い。それに対してエリクソンは、インフラ面で圧倒的な技術力を誇っており、通信事業者、サービスプロバイダーとの関係も強い。ソニーとエリクソンは補完関係にあり、両社の強みをあわせることで、リーディングカンパニーになれる。また、巨額化する開発投資をまかなうには一定以上の規模が必要であり、両社が組むことで、開発を加速する」としている。

最もプライオリティーを置くのは魅力的な商品

さらに井原氏は、「時期尚早かもしれない」としながらも、新会社の戦略について語った。まず、最もプライオリティーを置くのは、強い、魅力的な商品を生み出すことだとしている。同氏によると、多くの企業がリストラを行なっているが、それは短期的な財務の改善や効率化に過ぎず、中長期的な成長は、魅力的な商品を提供できるか否かにかかっている。企画、デザイン、開発に最大の努力を払うとし、2社の機能の効率的な統合を早急にスタートするとしている。

また、経営のあらゆる面でのスピードを向上させ、業界No.1の“Time to Market”を目指すこと、両社の人材資源を最大限に活用して、新しいユニークな企業文化を創造することを挙げた。

握手する3人
左からソニー代表取締役社長兼COOの安東国威氏、ソニー執行役員上席常務の井原勝美氏、日本エリクソン(株)代表取締役社長のモーガン・ベングッソン氏
会場の一角に並んだ携帯電話
会場の一角に並んだ、ソニー製とエリクソン製の携帯電話。10月からはすべて同じブランド名になる

井原氏は、新しいブランド名については「内部で話し合っているが、まだ未定。“S”とか“E”とかの文字が入るかどうかも未定」だという。

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