Webグループウェア「サイボウズOffice4」などで知られるサイボウズ(株)が、Webブラウザで使用できるカード型データベースソフトを発表した。同社では、「サイボウズOfficeと並ぶ、サイボウズの柱とする」ソフトウェアだと位置づけている。開発も、サイボウズOfficeの生みの親であり、同社創業者でもある畑氏、青野氏が担当。相当の意気込みを持って送り出した製品だ。現在、同社Webページにてβ版をダウンロードすることが可能となっている。
製品概要
サイボウズDBメーカーは、OracleやMicrosoft SQL ServerのようなRDBMS(Relational DataBase Management System)ではない。難しいコンピュータ用語を知らないユーザーでも、Webブラウザを使って、データベースの設計から使用まで一通りのことができるように開発されている。実際デモンストレーションを見たのだが、ユーザーの操作感としては、Excelの表を作るよりも簡単に思えてしまうだろう。
“簡単さ”という意味では、次ページの「動作環境」表も見ていただきたい。データベースソフトウェアというと、それなりのサーバOSが必要と感じられるが、サイボウズDBメーカーは、Windows NT/2000 Workstation上のPeer Web Serverでも動作してしまう。「まず最初はファイルサーバにインストールして導入」という手軽な感覚で始めることもできるのである。
とはいえ、その核となるデータベースエンジンには、サイボウズOfficeにも使われているCyDE(Cybozu Database Engine)が採用されており、データベースとしての基本機能をおろそかにしているわけではない。データに対するロック(レコードロック)も、当然可能である。ロックとは、1つのデータに対し、ユーザーAが書き込んでいる間は、システムがデータを「ロック」し、ほかのユーザーからの書き込みをさせない機能である。また、CSVファイルの読み込み/書き出しも行なえる。
できあがったデータは表形式で表示され、検索や絞り込み(たとえば、「今日のデータのみの一覧」など)、ビューの切り替えなどが可能だ。サイボウズでは、以下の用途に活用できるとしている。
イントラネット
- 社内人事情報管理
- 製品仕様管理
- トラブル管理
- 広告媒体管理
- 出張宿泊先情報管理
つまり、「整理して公開したいデータは何でも使用できる」ということだ。データベースだから当然といえば当然なのだが、従来のRDBMSではこうしたシステムを作るにはかなりのスキルを必要とする。サイボウズDBメーカーの場合は、コンピュータのスキルが低い人間でも、すぐにデータベースを作ることが可能になるわけだ。「データベース機能を持った掲示板」的な使い方をイメージするのがよいだろう。
また、Webブラウザを使うデータベースということで、サイボウズではインターネットにおける以下のような形態での使用も提案している。
インターネット
- 製品カタログ
- 製品FAQ
データベースの内容をWebブラウザで表示できるのだから、インターネット上にそのまま公開すれば、きちんとデータベースで管理されたWebページが簡単に作成できるというわけである。