このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Pentium 4-1.7GHzベンチマーク

Pentium 4-1.7GHzベンチマーク

2001年04月23日 14時24分更新

文● 鈴木雅暢

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

“マルチメディアにフォーカスしたCPU”の面目躍如
ベンチマークテスト

 ここではいくつかのベンチマークテストを実施して、Pentium 4とAthlonのパフォーマンスを比較してみた。環境は下の表のとおり。同一のビデオカードに同一のHDDを使い、その他環境も統一して、CPU+プラットフォームの性能差がわかるようにしている。Athlonを利用できるプラットフォームは複数あるが、今回は現状もっとも高速なパフォーマンスを示すAMD-761で測定している。

WV32-CPU

編集部オリジナルのベンチマークテスト「WV32」で、整数演算(x86)/浮動小数点演算(x87)性能を測定した。Pentium 4はSSE/SSE2といったSIMD系演算のパフォーマンスにフォーカスして設計されているため、このようなベンチマークは苦手だ。Athlon-1.2GHzにも及ばない結果となっている。

Super π

東京大学金田研究室が開発した円周率計算プログラム。環境は1024×768ドット/32bitカラー/リフレッシュレート85Hz。104万桁の計算を、19回ループさせるのにかかった時間を掲載している。メモリ性能では勝るPentium 4だが、単純なx86/x87命令の演算は得意でないだけにAthlonに見劣った。

SYSmark 2000

BAPCo開発のベンチマーク。1024×768ドット/32bitカラー/85Hz。Adobe Photoshopなどクリエイティブ系アプリの性能を示す「Internet Content Creation」ではPentium 4も健闘を見せているが、Office 2000はじめビジネス系アプリの性能を示す「Office Productivity」では大きくAthlonに離された。

3DMark Ver1.1

Madonion.comの有名なベンチマークテスト。環境は1024×768ドット/16bitカラー/85Hz。ビデオカードのHardware T&Lを使わず、それぞれのCPUに最適化している。常にIntel系CPUが有利を保ってきたところをAthlonが1.33GHzで逆転したが、今回Pentium4が1.7GHzとなり再逆転した。

3DMark 2001

3DMark 2000の後継となる、Madonion.comの最新3Dベンチマークテスト。環境は1024×768ドット/32bitカラー/85Hz。Pentium4-1.7GHzが、わずかながら上回り意地を見せた。

MP3&MPEG4エンコード

MP3は、キヤノンが海外で販売してるMP3エンコーダソフト「e Jay MP3 Plus 1.3」で585MBのWAVファイルをMP3にエンコードするのにかかった時間。MPEG4は、Windows Media Encoder 7.0で、30秒間のAVIファイルをMPEG4にコンバートするのにかかった時間。ビデオのエンコードはPentium 4の得意分野だけに大差をつけた。
ベンチマーク測定に利用した環境
CPU Pentium 4-1.5/1.7GHz Athlon-1.33GHz PentiumIII-1GHz
チップセット i850 AMD-761+VT82C686B i815E
マザーボード Intel D850GB Gigabyte GA-7DX Intel D815EEA
メモリ PC800 RDRAM×2 256MB PC2100 DDR SDRAM(CL=2.5) 256MB PC133 SDRAM(CL=3) 128MB
ビデオ GeForce2 Ultra(64MB DDR) GeForce2 Ultra(64MB DDR) GeForce2 Ultra(64MB DDR)
HDD Seagate Barracuda ATA 100 Seagate Barracuda ATA 100 Seagate Barracuda ATA 100
OS Windows Millennium Edition Windows Millennium Edition Windows Millennium Edition
追加ドライバ等 Intel Chipset Software Installation Utility v2.80.008、Intel UltraATA Storage Driver Ver6.0、DirectX 8.0a AMD Miniport Driver Version 4.80、VIA IDE BusMaster Driver 2.1.50 、DirectX 8.0a Intel Chipset Software Installation Utility v2.80.008、Intel UltraATA Storage Driver Ver6.0、DirectX 8.0a

 結果だが、やはりOfficeなど一般のアプリケーションではAthlonが良い成績を収めており、3Dやエンコード処理などでSSEなどSIMD系演算性能を利用するアプリケーションではPentium 4のほうが優秀という結果となっている。掲載はしていないが、SYSmarkのアプリケーションごとの数値を見ると、Pentium 4は特にWordやExcelでは、未だPentiumIII-1GHzを上回っていない。それにしても、ビジネス系アプリでのAthlonの高速さには驚くばかりだ。結局、基本的にはPentium 4-1.5GHz対Athlon-1.2GHzのときと同傾向。Pentium 4は5月末に2GHzに到達するというし、Athlonも1.4GHzがすでに出荷目前と聞くが、前者はプロセスルールの0.13μm化、後者はPalominoコアの採用と、秋以降にはさらに大きな変化を控えている。この最速競争からはまだまだ目が離せない。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中