このページの本文へ

ニフティ、2001年度事業方針説明会を開催――iモード、Lモードは公平な競争を

2001年04月19日 04時55分更新

文● 編集部 中西祥智

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ニフティ(株)は18日、都内で2001年度の事業方針説明会を開催した。

事業方針説明会
18日の事業方針説明会。参加した取材者は100名ほど

冒頭、ニフティ代表取締役社長の渡辺武経氏は「原点に帰り、昔の“NIFTY-Serve”が持っていた、ほかとは違うものを取り戻したい。新しい価値、しくみを考え、利用者を幸せにする、利用者に力を与えるISPになっていきたい」と述べた。

ニフティ代表取締役社長  渡辺武経氏ニフティ代表取締役社長 渡辺武経氏

2000年度の事業報告

昨年度、ニフティは回線設備の増強、チャンネルビジネス、グローバル化といった3つの方針を掲げた。(※1)回線設備については増強を重ね、昨年10月以降、ビジーアクセスポイントがなくなったという。チャンネルビジネスは、チャンネル数が開始時には3チャンネルだったのが、21に増加。グローバル化は、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの8ヵ国のISPとグローバルアライアンスを締結し、合計での会員は2300万人となった。

※1 ニフティの使用する回線網は、富士通(株)が所有しており(富士通のネットワークサービス“FENICS”)、実際のバックボーンの増強などは富士通が行なう。

@nifty入会状況
@nifty入会状況

会員数は、昨年9月の料金改定までは月平均7万5000人の増加、改定後は月に約10万人のペースで伸びており、現在の会員数は約460万人となっている。2001年2月度の@nidtyトップページの(※2)ユニークユーザー数は、1054万人とYahoo!に次ぐ。売り上げは前年比23%アップの604億円となった。渡辺社長は「まずまずの数字を残せた」としている。また、ニフティは利益額を非公開としており、「黒か赤かだけでも教えてほしい」との質問に対して、同社は「健全な利益をあげております」と答えた。

※2 ウェブサイトを訪れた実際の人数。同じ人が何度訪問しても、1人としてカウントされる。

2001年度の目標は

渡辺社長は2001年度の目標として「サービスビジネスの拡大、ブロードバンドビジネス、個のエンパワーメント」の3つを掲げた。

2000年度は、会員から徴収する接続料が売り上げの87%を占め、広告収入やEコマースなど、サービスビジネスからの収入は13%だった。これを、2001年度には17%、2003年度には30%にまで拡大し、収入源の多様化を図るとしている。ただし、社長室室長の宮坂修史氏によると「利幅は減ったが、接続料金だけでも十分食っていける」とし、売り上げの柱は、あくまでも接続料金であることを強調した。

ブロードバンド化については、同社ではADSLやCATVなどを利用する会員数が、2002年3月末には30万人になると予想している(ADSLが20万人、CATV10万人)。対応するキャリアーは、NTTの“フレッツ・ADSL”、“イー・アクセス”、“アッカ・ネットワークス”、など。また、26日より順次サービスを開始する電力系地域NCC(New Common Carrier)5社のADSLサービスにも対応する。将来の“FTTH(Fiber To The Home)”に関しては、現在のところ具体的な方針はないが、どの事業者とでも組む用意があるという。

提供するコンテンツ
提供するコンテンツ。映画30タイトルを含め、100タイトルを予定している

また、ブロードバンド化を見据えたコンテンツとして、ゲームやTV番組、30本の映画などを中心に、今年度中に100タイトル程度を提供する。

3つめの目標、個のエンパワーメントとは、“「個」の幸せ・成功、自己実現”をキーワードとし、“力を与える、元気が出る”などをメッセージとすると説明している。しかし、その具体的な形については、同社では「今回はコンセプトとしての発表であり、具体化にはもう少し時間がかかる」としている。

iモード、Lモードは公平な競争を

モバイルへの展開について、次世代携帯電話“FOMA”への対応を予定しているが、現段階では具体的な計画は検討中。iモードに関しては、現在でも約30のコンテンツを提供しているが、(※3)iモードが開放されれば積極的に対応していく。同社取締役の土肥健一氏は「iモードの開放は大歓迎。早期に実現して欲しい。これまでのiモードコンテンツはゲームなどのエンターテインメント系だったが、これからはビジネス系、企業系サービスが拡大する。そこは大きな市場だ」としている。宮坂氏は「iモードにしても、6月からのLモードにしても、公平に競争できる環境を整備してほしい」との要望を語った。

※2 iモード公式サイトは、iモード対応携帯電話以外からは見ることができない。NTTドコモでは、広く開放することを検討している。

ニフティでは今年度、昨年度と同じく前年比23%増、745億円の売り上げを見込んでいる。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン