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Singer Song Writer 6.0 for Windows

Singer Song Writer 6.0 for Windows

2001年04月12日 23時03分更新

文● 石嶋由美子

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Singer Song Writer 6.0 for Windows

インターネット

3万8000円(キャンペーン価格3万2000円)/2万4000円(アカデミック価格)

「Singer Song Writer」は従来のMIDIシーケンス機能に加え、WAVEやAIFFなどのオーディオデータの同期再生も可能なMIDIシーケンスソフトだ。現在最新バージョンの「6.0」では、8トラックに増強されたオーディオトラックに加え、動画・静止画をMIDIと同期再生/表示する機能も加わるなど、MIDIの枠にとらわれない、自由な作品作りが可能になっている。

ムービートラックの追加により
お手軽VJも楽しめるSSW6.0

 誰でも一度は憧れるDTM(Desk Top Music)。デスクトップに見事に並んだ音符たちが、プレイボタンひとつで一斉にさまざまな音色を奏でるのに、思わず身震いした人も少なくないのではないだろう。ところが最近街で耳にするのは、重厚な管楽器や巧みにアレンジされたなオーケストラといった従来の「DTMの美学」ともいってもいいような音よりも、ブラック系のビートに軽いラップ調の女性ボーカルがメインのサウンドが多くなっている。その力の抜け具合の気持ちよさに挑戦してみたくなる気持ちも高まるものだが、果たしてMIDIを中心としたDTMでも、生の人の声やあの軽い感じのノリが表現しきれるのだろうか?

 そんな期待に応えてくれるのが、インターネット「Singer Song Writer 6.0 for Windows」(以下SSW6.0)だ。国産MIDIシーケンスソフトとして長い歴史を持つ本ソフトは、今まで慣れ親しんだMIDIの編集作業に加え、前バージョン(5.0)からオーディオファイルなどをトラックに貼り付け、MIDIパートと同期して再生することができるようになっている。MIDIだけでは表現が難しい生っぽい声などを使用したい場合にうってつけの機能だ。

 6.0では新たに動画および静止画も貼り付けられるようになった。音楽作成作業の中心となる「ソングエディタ」のトラック表示画面には、従来の「MIDIトラック」「オーディオトラック」、そして新設の「ムービートラック」があり、ここに各パートのデータを並べていく。ムービートラックに貼り付けられるファイル形式は、AVI、MPEG、QuickTime、静止画のファイルフォーマットはBMP、JPEGなど。曲のテンポに応じたムービーのスタート・ストップタイミングの同期、複数の動画/静止画の切り替え再生が可能となっている。

オーディオトラックにWAVEファイルを貼り付ける作業の画面。「ウェーブ入力のダイアログ」ではファイルの詳細を確認したり、試聴ができる。

 オーディオトラックは、従来の2トラックから8トラックにまで増やされており、オーディオデータを使用した曲作りの自由度が強化されている。使用可能なオーディオファイルフォーマットはWAVEおよびAIFF(ともにステレオ、モノラル対応)で、ビットレートは8/16/24bit、サンプリングレートは11.025/22.05/44.1/48KHzのデータをサポートする。各オーディオトラックには2バンド(Low/High)イコライザを搭載した「オーディオミキサー」が装備されている。「デジタルレコーダ機能」でオリジナルデータの録音も可能で、サウンドデータの波形編集やエフェクト処理を行う「ウェーブエディタ」や、ファイルを一元管理できる「ウェーブプールウィンドウ」も付属している。

「ソングエディタ」に、MIDI、オーディオ、ムービーと入力してみた。ムービーはサムネイル、オーディオは波形で表示されている。ここではトラックごとの音のレベル設定や、ボリューム、ベロシティ、パンポイントなどをマウスでグラフィカルに編集することができる。

 音楽作成の基本であるMIDIデータ作成は、トラック数は256、出力ポート16、タイムベースは480で、外部のMIDI機器との同期はMTC同期をサポートする。作成したMIDIデータは、スタンダードMIDIファイルのほか、iモードやJ-PHONEの携帯電話の着信メロディデータとして保存することも可能だ。

 MIDIシーケンスソフトを中心としたDTMは、初心者には難しいという印象が強いが、SSW6.0には、

  • 付属またはオリジナルの「アレンジパターン」やコードをトラックに貼り付けて、簡単に作曲やアレンジを進めていく「アレンジエクスプローラ」
  • マイクから入力した口笛や鼻歌などを音程検出(「A.S.C.」という検出エンジンを搭載)して音符に変換する「シングtoスコア機能」
  • ギターコードを元にした和音入力
  • 音色選択の際に、各種音源に対応した一覧リスト(付属の音色リストはローランドのSC-8850/8820やSC-88Pro、ヤマハのMU2000/1000、コルグの05R/W用など、多数の音源に対応)を見ながら視聴、選択ができる「トーンマップ」

などといった、「DTMは今回が初挑戦」「鍵盤楽器はできないけど、歌/ギターなら多少心得が……」という人ならすぐに曲作りが楽しめるさまざまな機能がついている。

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