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IBM、iSCSIストレージ『IBM TotalStorage IP Storage 200i』を発表

2001年04月13日 11時23分更新

文● 編集部 中西祥智

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日本アイ・ビー・エム(株)は12日、“iSCSI(SCSI over IP)”対応ストレージ『IBM TotalStorage IP Storage 200i』と、“NAS(Network Attached Storage)”と“SAN(Storage Area Network)”を接続するゲートウェイ『IBM TotalStorage Network Attached Storage 300G』を発表した。

『IBM TotalStorage IP Storage 200i モデル200』ラックマウント型
『IBM TotalStorage IP Storage 200i モデル200』ラックマウント型

iSCSIは、ハードディスクなどのSCSI機器を、SCSIインターフェースで接続した時と同じように、IPネットワーク上で利用できるようにする技術。通常のSCSIの信号・データを、IPでカプセル化して送受信するという。iSCSIを利用すれば、ストレージを追加する際にそれぞれのサーバー単位ではなく、ネットワーク単位での追加が可能になる。比較的容易に追加することができ、データの共用が容易に行なえ、また複数のストレージを一元管理できるという。IBMやシスコシステムズ(株)などが、現在(※1)IETFに規格標準化を提案している。

※1 “Internet Engineering Task Force”インターネットに関連する、さまざまな技術の標準化を推進する団体。

iSCSIと同様にネットワーク経由でストレージを追加する方式として“NAS”や“SAN”などがある。

NASはデータをHTTPやFTP、NFSなどのファイルプロトコルで送受信するストレージネットワーク。そのため、データベースアプリケーションなど、ブロックI/Oでデータをやり取りする場合は、ファイルプロトコルに変換しなければならない。それに対して、iSCSIはブロックI/Oで送受信するため、そういったオーバーヘッドがないという。また、SANはストレージ間を光ファイバーで結ぶストレージネットワークで、通信速度は高速だが、非常にコストがかかる。

日本IBMストレージ・システム製品事業部事業部長の和田昌佳氏日本IBMストレージ・システム製品事業部事業部長の和田昌佳氏

日本IBMストレージ・システム製品事業部事業部長の和田昌佳氏は「iSCSIはデータベースサーバーに、NASはファイルサーバーに。また、大規模なストレージネットワークはSANで、それ以外はiSCSI」と、3つの方式が必ずしも競合するものではないとした。また、仮に競合しても、ストレージネットワークの市場そのものが急速に拡大しているため、それぞれの棲み分けが可能だという。

『IBM TotalStorage IP Storage 200i モデル100』タワー型
『IBM TotalStorage IP Storage 200i モデル100』タワー型

『IBM TotalStorage IP Storage 200i』はiSCSI対応のストレージ『IBM Hardware Appliance』、IP経由でのSCSIアクセスを可能にするドライバー『iSCSI iClient』、iClientのリクエストを制御するソフトウェア『iSCSI iManager』で構成される。Windows NT/2000とLinuxに対応しており、今後AIXやSolaris、HP-UXにも対応を予定している。タワー型の『モデル100』とラックマウント型の『モデル200』の2モデルあり、『モデル100』に搭載可能なハードディスクの容量は109GBから218GB、『モデル200』は218GBから1.74TB。受注は同日に開始し、出荷は6月29日から、価格は約300万円から。

『IBM TotalStorage Network Attached Storage 300G』は、IPネットワークとSANを結ぶゲートウェイ。SANのストレージ群を、IPネットワーク側からはNASのファイルサーバーに見せる。1ノードモデルの『モデルG00』と2ノードモデルの『モデルG25』がある。1ノードにつきPentiumIII-933MHzが2プロセッサー搭載されており、対応するファイルプロトコルはHTTP、CIFS、NFS、NetWare。1ノードモデルは同日、2ノードモデルは27日に出荷を開始し、価格は約700万円からとなっている。

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