今回発表したのは『Compaq iPAQ Pocket PC H3630』と『Compaq iPAQ Pocket PC H3660』の2機種。『H3630』はメモリーが32MBで価格はオープンプライス(直販サイトの“Compaq DirectPlus”では5万9800円)、『H3660』はメモリーが64MBで価格はオープンプライス(同様に8万9800円)。
『Compaq iPAQ Pocket PC』の最大の特徴は“ジャケットコンセプト”だ。ジャケットは『iPAQ Pocket PC』本体の外側を覆うケース。半透明でさまざまな色のジャケットもあるが、コンパクトフラッシュやPCカード用のスロットを装備したジャケットと交換することで、“Bluetooth”対応機器、マイクロドライブ、モデムやGPSなど、多種多様な周辺機器が利用できる。
標準で同梱されているCFスロットを装備したジャケットを、本体からずらしてみた。意外に簡単に抜けるので、本体を上下逆に持つのは危険なようだ |
PCカード型ハードディスクとCFカード型GPS |
加賀電子(株)のCFカード型“Bluetooth”インターフェース |
“Bluetooth”経由でプリンターから印刷することもできる |
ハングル文字で書かれたレシートのようなものを打ち出していた。POS端末だろうか |
『Palm OS』搭載機にもあった、折りたたみキーボード |
ケイディーディーアイ(株)の“cdmaOne”対応PCカード『Rapira Card』と、DDIポケット(株)のH"対応CFカード |
プレインストールされるソフトウェアは、『Pocket Word & Excel』など、マイクロソフトの『Office』サブセットのほかに、パケットビデオ・ジャパン(株)のMPEG-4デコーダー『PVPlayer v2.0』や米BEATNIK社の音楽ファイル再生ソフト『Beatnik Player for Pocket PC』など。
『Windows Media Player』プレイリスト作成機能を搭載している |
MPEG-4デコーダー『PVPlayer v2.0』ちなみに、映っているのはこの写真を撮影した人物 |
本体内部はかなりシンプル
また、会場では本体を分解して展示してあった。内部はかなりシンプル。ただし、コンパックの広報担当者にもどのチップが『StrongARM』なのか分からないという。
『iPAQ Pocket PC』のメイン基板。中央上部のフェルトペンで文字が消されたチップが『StrongARM』のように思えるのだが |
基板を裏返してみた。こちら側にも、フェルトペンで消されたCPUらしきチップがある |
全部でたったの4モジュール!? |
プレゼンテーション終了後1時間近くたっても、まだまだ大勢の人々が会場に残って、熱心に取材していた。馬場副社長は「『Palm』は電子手帳から発展したもので、主にコンシューマー向けだ。それに対して『iPAQ Pocket PC』はコンシューマーだけでなくビジネスユーザーにも展開していく」としている。
PDAの市場では、『Palm』はそのシンプルさ、軽快さを売り物にして急成長してきた。しかし、最近ではカラー化した『Palm IIIc』のように、マルチメディアコンテンツを扱うという方向に変わってきつつある。また、『Zaurus』も最近の機種では動画・音楽再生に力を注いでいる。それらに対して、当初から動画、音楽などを扱ってきた『Windows CE』側は、その面では『Palm』、『Zaurus』より若干のアドバンテージがある。今回発売される『iPAQ Pocket PC』が、日本でどれだけ支持されるのかが楽しみだ。