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今なら無線LANでここまでできる

ネットワーク総無線化への道

2001年05月17日 07時24分更新

文● NETWORK MAGAZINE編集部

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 今まで無線LANといえば、アクセスポイントとインターフェイスカードがメインで、あくまで「はじめに有線LANありき」というのが暗黙の了解になっていた。しかし、最近では無線LAN製品のバリエーションも増えてきており、必ずしも有線Ethernetとともに使うものでもなくなっている。また、他のネットワーク機器との複合機や、無線プリントサーバといった新種の製品も登場し始めている。ここではそういった新しい無線LAN製品を紹介していこう。



アクセスポイント付きダイヤルアップルータ

 IEEE802.11b登場以前からあったのがこうした無線LAN対応のダイヤルアップルータである。すでに有線LAN+インターネット接続環境がある場合は使いにくいが、個人やSOHOの小規模LANの環境であれば、これ一台で無線LAN環境とインターネットへの接続環境を構築することができるため、利用価値の高い製品である。従来、PHSのPIAFSの通信機能を用いて、無線でのインターネット接続を実現していた製品はあったが、こうした製品が現われてきたのはここ1年と考えてよいだろう。

MN128-SOHO Slotin写真
写真1●NTT-MEの「MN128-SOHO Slotin」
 代表的な製品としてNTT-MEの「MN128-SOHO Slotin」(写真1)、ヤマハの「ネットボランチ RT60w」(写真2)、メルコの「WLAR-128」(写真3)などがある。また、TAとしては、今月のN-mag Reccomendで紹介しているNECの「WARPSTAR」シリーズが挙げられるだろう。



RT60w写真
写真2●ヤマハの「ネットボランチ RT60w」
 これらのカードをつないだクライアントには、無線でインターネット接続ができるというメリットがある。もちろんハブも搭載しているので、有線LANと無線LANでのデータ交換も行なえ、まさに1台で「すべて済む」という気軽さがよい。また、NECのWARPSTARのように既存のAterm TIシリーズに無線機能を追加するようなパッケージもある。ただし、無線の機能がつく分、通常のダイヤルアップルータよりもお値段はちょっと高め。



WLAR-128写真
写真3●メルコの「WLAR-128」
 今後はこうしたISDNルータだけでなく、ADSL/CATVインターネットなども増えてくるだろう。すでにメルコは「WLAR-L11」というADSL/CATVインターネット対応の製品を出している。



アクセスポイント間通信機器

 今までの製品では、アクセスポイント間の無線通信ができないため、2つの無線LANの間は有線で結ぶ必要があった。また、複数の有線LANを無線で1つのサブネットとして扱うといったことも難しかった。そこで最近出てきたのが、アクセスポイント間を無線でつなぐ機器である。これを使うことで図1下部のような同一フロアー内の複数のオフィスを無線でリンクすることができる。

無線プリントサーバ

PR-WO-01写真
写真4●NECの無線プリントサーバ「PR-WL-01」
 2000年後半に発売された無線LANとしては無線プリントサーバがある。これは既存のプリンタに接続し、クライアントからは無線でプリンタの利用ができるというもの。プリンタ自体はもともと低速なデバイスであるため、高速なインターフェイスはあまり必要がない。そういう意味では、無線化して使い心地はあがったが、出力が遅くなるということはあまりないと考えられる。ショールームや店先での利用などに向いているのではないだろうか。

 メルコの「LPV-WL11」とNECの「PR-WL-01」(写真4)、コマツの「LANAKP-611Air」などの製品がある。製品によっては対応するプリンタが異なるので、注意が必要だ。



屋外設置向け長距離製品

 また、IEEE802.11b対応の長距離通信機器も出始めている。屋外設置用の長距離アンテナや無線ルータなどである。

 もともと長距離接続用無線LANは、専用線の置き換えを目指したものだった。屋外にアンテナを設置し、公衆の道路や施設などに別途装置を設置しなくてもビル間で無線通信を行なえるというわけだ。専用線64kbpsと比べれば、2Mbpsの無線LANも十分高速といえる。基本的には屋外であるからといって別の方式を使うわけではないが、伝送効率と耐久性に優れたアンテナは必要になるだろう。また、屋外の設置ということで、それなりの構築ノウハウも必要となるため、インテグレーションも必要となる。こうした点を総合すると、アイコムや関西電機、コーラスコンピュータなど2Mbpsの時代から無線LAN製品を扱っているベンダーの製品が充実している。また、ルートの無線ルータのように長距離無線で、すでに多くの実績をあげているところもある。もちろん、アライドテレシスやプラネックスのように11Mbps無線から屋外設置用の製品を拡充しているベンダーも多い(図1)。

無線LANで構築されたネットワーク図
図1●無線LANで構築されたネットワーク。オフィスの内部が無線LAN化されているほか、同じビル内のオフィス2と3が無線で接続されているほか、別のビルにあるオフィス1とも無線で接続されている

写真5●キヤノン販売の屋外用長距離光無線LAN「CANOBEAM DT-50」通信媒体にはレーザー光を使用し、2台1対の対向で使用する。最大伝送速度は622Mbpsと非常に高速で、ATMの置き換えに対応できる。
 屋外の無線通信についてはIEEE802.1b準拠の電波を使う製品だけでなく、光無線製品も数多く登場している。キヤノン販売(写真5)、浜松ホトニクス、ビクターなどが数100Mbpsという高速な無線製品を出荷している。



その他

写真6●ソニーの「エアボード」
 その他、ユニークなものとしてはソニーの「エアボード」(写真6)が挙げられる。これは「パーソナルITテレビ」と銘打たれた、個人向けのWeb端末で、テレビやインターネット、メールなどがワイヤレスで楽しめるというもの。10.4インチのモニタ部分とベースステーションの通信にIEEE802.11bの無線LANを使っており、部屋の中を歩きながらペンでインターネットを楽しむといった使い方ができる。先頃開催されたCES(Consumer Electoric Show)でも、インテルなどがこうしたワイヤレスWeb端末を出展しており、次世代AV家電端末に無線がどんどん入っていくことになるだろう。

 また、個人ではあまり関係ないが、POS端末なども無線の恩恵を受ける用途の一つである。NECやデンソーなどは1~1.6Mbpsの高速なハンディターミナルの製品化を行なっている。既存のこうしたターミナルはPHSのPIAFSやIrDAなどの無線通信を用いていたが、データ伝送量の増加とPCとの連携を考え、PCライクな端末に移行しているようである。



●無線LAN付きダイアルアップルータ

MN128-SOHO Slotin
NTT-ME
価格:5万9800円(単体)、8万9800円(本体とクライアント用カード1枚のセット)
http://www.ntt-me.co.jp/mn128/
・ネットボランチ RT60w
ヤマハ
価格:6万9800円
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/hardware/RT60w.html
・WLAR-128
メルコ
価格:4万5000円(単体)、4万9800円(本体とクライアント用カード1枚のセット)
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/w/wlar-128/
・Aterm WL50T&WL11C ワイヤレスLANセット
NEC
価格:オープンプライス
http://121ware.com/product/modem/aterm/warpstar/wl50t/

●無線LAN付きブロードバンドルータ

・WLAR-L11
メルコ
価格:3万4000円
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/w/wlar-l11/

●無線プリントサーバ

・LPV-WL11
メルコ
価格:2万6000円
http://buffalo.melcoinc.co.jp/products/catalog/item/l/lpv-wl11/
・KP-611Air
コマツ
価格:3万9800円
http://www.komatsu.co.jp/el/lan/

●長距離用無線LAN

・CANOBEAM DT-50
キヤノン販売
価格:580万円から(2台1組)
http://www.canon-sales.co.jp/canobeam/index-j.html

●テレビ

・エアボード
ソニー
価格:オープンプライス(オンライン価格12万9000円)
http://www.airbonet.com/

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