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今なら無線LANでここまでできる

ネットワーク総無線化への道

2001年05月17日 07時24分更新

文● NETWORK MAGAZINE編集部

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 1999年末に「IEEE802.11b」の規格が策定され、開発元の1つである米アップルコンピュータから対応無線LANシステム「AirPort」が発売されてから1年ちょっとがすぎた。その後、アクセスポイントを中心にまさに堰を切ったように数多くの製品が市場に出回るようになった。今では、PCでネットワークを構築する際でも、「有線か、無線か」を悩むユーザーも多いことだろう。

 それ以前にも無線LAN製品は販売されていたが、たとえば1999年5月に発売された日本NCRの「WaveLAN/IEEE Turbo PC カード」がカード1枚で9万8000円といったように、非常に高価なものであった。また、当時のIEEE802.11bの前身となっている無線LANは、2Mbpsと速度も遅く、各社が他社製品との相互接続性を保証しているわけではなかった。そのため、あくまでも有線の接続が困難な場所、たとえば工場やビル間、ショールームや僻地などでのネットワーク化というニッチな市場に限られていた。

 それが注目され始めたのは2000年に入って、各社から対応無線LAN機器が発売されるようになってきてからである。日本では以前から無線LAN製品を出していたメルコが他社に比べ先行しているが、数多くのPC、周辺機器、ネットワーク機器のベンダーが無線LAN製品を出している。また、以前はアップルの「AirPort」との相互接続のみをうたっている製品が多かったが、徐々に他社製品との相互接続性を表明するようになってきた。

 こうした無線LANの製品化ラッシュにより、価格も個人が入手しやすいところにまで下がってきた。クライアント5台程度のSOHOレベルであれば、10万円弱でネットワークを組むことができる。また、フレッツ・ISDNを個人で利用する場合を考えても、ダイヤルアップルータ機能付きの無線LAN製品を使えば、6~7万円で自宅内の2~3台のPCから、有線のケーブルを敷設することなく、インターネット接続を利用することができるようになる。

 そして、ADSLやCATVインターネット、FTTHなどの高速インターネット接続サービスの立ち上がり、こうした無線LANの需要がますます高まっていくのは必須である。というのも、今まで「屋内が11Mbpsでつながっていても、インターネットへは64kbpsの接続になってしまう」といったボトルネックがあり、Webのさまざまなコンテンツが十分に楽しめなかったからである。しかし、高速な常時接続環境になればその状況も変化する。家庭内LANとインターネットが結びつき、家屋や部屋のあちこちで気軽にインターネットを楽しめることになる。家庭内LANという観点では、Ethernetのほか、HomePNAや電灯線などの選択肢もあるが、使いやすさという点では無線LANが一歩リードしているといえるだろう。

 また、企業内での利用も徐々に本格化しつつある。無線LAN製品の多くは個人ユーザー向けのモノだが、セキュリティやビル間接続などの機能を持った企業向け製品も続々と拡充されている。



メルコWebページ画面写真
画面1●無線LANの活用法を紹介するメルコのWebページ

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