デルコンピュータ(株)は25日、中小企業や大企業の部門向けの低価格サーバー『PowerEdge SC』シリーズを発表した。今回発表されたのは『PowerEdge300SC』、『PowerEdge1400SC』、『PowerEdge2500SC』の3機種で、26日より販売を開始する。
『PowerEdge300SC』 |
今回の新製品について、マーケティング本部エンタープライズシステムズマーケティング部長の山崎浩氏は「中小企業や大企業の部門向けに、不必要な機能などを削って、コストダウンした製品を販売」するために『PowerEdge SC』シリーズを開発したことを明らかにした。
『PowerEdge SC』シリーズは、これまでの製品が装備していた、リモート監視機能や外付けストレージデバイスへの対応を削ることにより、価格を引き下げたもの。レッドハット(株)の『Red Hat Linux 6.2』への対応も行なわない(『Red Hat Linux 7.0』には対応)。今回提供する製品は、現行の『PowerEdge』シリーズのスペックを変更したものだが、次の世代からは『PwerEdge SC』独自のデザインポリシーを反映させた製品を提供していく。
『PowerEdge300SC』は、フロアスタンド型のエントリー・サーバー。プロセッサーがPentium III-800MHzでメモリーが64MBのSDRAM(100MHz、ECC)、48倍速CD-ROMドライブ、ネットワークコンオトーラー、10GBハードディスク(Ultra ATA/33)といった最小構成では、価格は8万9000円となる。
『PowerEdge1400SC』 |
『PowerEdge1400SC』、『PowerEdge2500SC』もフロアスタンド型のサーバー。搭載するプロセッサーはそれぞれPentium III-866MHz、Pentium III-933MHz(BTOで変更可能)で、最小構成の価格は11万8000円と24万8000円。
中小企業やSOHOなどの顧客は、小規模なシステム向けの『PowerEdge SC』によって、システム構築の初期投資を抑えることができる。また、サーバーの製品構成が簡単になったため、サーバーの運用や管理が容易となり、システムの“TCO(Total Cost of Ownership)”を削減できるという。
山崎氏は「中小企業や大企業の部門向けのハードウェアのみの販売には、『PowerEdgeSC』シリーズなどの製品を投入し、販売形態はウェブサイト上で、ユーザー自身がカスタマイズして購入する形にしたい。そして、営業部門のマンパワーはISPや大企業向けのソリューション販売に投入する。現在、ハードウェアのみの販売とソリューション販売は、金額ベースの売り上げでは拮抗している。前者はウェブ上での販売にすることでコストを削減し、後者は営業のマンパワーで販路を拡大する。ただし、デルはあくまでもハードウェアを販売する企業であり、ソリューションの提案やサポートなどは、ハードウェアを購入していただくための手段として行なう」と、ハードウェアの販売を重視する姿勢を強調した。