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最速レビュー これがOffice XPだ! PartIII ( IME、Outlookの新機能 )

2001年04月07日 03時50分更新

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今度のIME2002は、“初心者がIMEを意識せずに日本語入力できるようにする”というコンセプトの基に開発され、ほかのIMEには見られない新たなモードが搭載された。また、コメント表示の使い勝手の向上や、単語登録専用ツールなども装備されている。

ナチュラルインプット

IME2002の新機能である「ナチュラルインプット」は、IMEのオン・オフや、わかりにくい未確定文字列の概念、文節区切りなどを意識せずに、自然に日本語入力ができる環境を実現した。

IME2002ツールバー
IMEツールバーのIMEを表わすアイコンをクリックし、「筆に青丸」がナチュラルインプット、従来どおりのモードは、IMEスタンダードモード「筆に赤丸」だ。

まず、IMEのオン・オフの切り替えは、日本語を入力したい箇所をクリックすると自動的にIMEがオンになり、それ以外の箇所ではオフになる。たとえば、本文中ではオンになり、ダイアログボックスで全角漢字入力が必要ないボックスではオフになるという具合だ。

未確定文字列の概念の排除については、「変換」キーを利用することで、従来の「文字の入力→変換(ここで未確定文字列状態になる)→確定」という手順から、「文字の入力→変換・確定」という手順になった。変換・確定されても、変換結果とは違う漢字に変換したい単語の前(もしくは単語上)にカーソルを矢印キーで移動させて、もう一度「変換」キーを押すと、変換候補が表示されるので、使用したい語を選ぶという具合だ。

これは、文節を意識せずに入力・変換できることにもつながる。たとえば、「明日歯医者に行く」と入力したいのに、「変換」キーを押して「明日は医者に行く」と変換されてしまった場合、「は」と「医」もしくは「医者」の間にカーソルをおいて「変換」キーを押すと、文節の異なる語句も候補一覧に表示されるようになった。脱字を入力して変換したときも同様で、前後の語を含む変換が行なわれる。

IME2002変換(画像)
「変換」キーを使うことで、未確定文字列の状態がなくなった。文字の入力・修正も、文節を意識せずにできる。
IME2002・脱字修正(画像)
脱字を直す場合も、直したい場所にカーソルを置いて「無変換」キーを押し、文字を入力、「変換」キーを押すと、前後を含めて正しい語に変換される。

また、人名/地名やカタカナ語英語などの変換モードを、ツールバーから選択しなくても、変換候補ウィンドウから直接呼び出せるようになった。

IME2002・人名地名辞書切り替え(画像)たとえば、「たかせ」という姓を入力して、変換された文字と違う場合は、その語を範囲選択して右クリックする。変換候補ウィンドウ内に(人名地名)と書かれた候補が出るので、これを選択すると、人名地名辞書に切り替わって人名候補が表示されるようになる。

変換や修正・編集は、読み入力中、漢字変換中、入力後の確定状態でも、常に同じキーで操作可能で、基本的にユーザーは「変換」「無変換」「ひらがな」「英数」キーを押すだけで、それぞれのキーどおりの変換ができる。これにより、複雑な変換方法を覚える必要がなくなったという訳だ。

IME2002・変換候補ウィンドウ(画像)
「変換」キー1つで、半角、全角、カタカナ、英字が変換できる。また、変換候補も半角の英数字なのか、全角の英数字なのかが記号で一目でわかるようになった。

ただし、ナチュラルインプットを使用できる環境は今のところWordとOutlook(どちらもVersion 2002)だけのようで、ワードパッドやメモ帳などで試してみたが、選択できなかった。このほか、文字を入力しつづけると自動的に漢字変換される機能が標準設定となっていた。

変換トレーニングウィザード

「変換トレーニングウィザード」は、基本辞書に登録されていない、自分のビジネスで使用する専門用語や、趣味などで頻繁に使用する語を、簡単に一括登録できる機能だ。これまで作成してきた文書を指定して未知語を検出し、登録を行なう。読み込めるファイル形式は、テキスト、リッチテキスト、HTMLドキュメントのほか、一太郎 5/6/7/8/9/10、Lotus1-2-3、Word for Win&Mac、Word 95-2002、OASYS、Works、WordPerfectなど。

変換トレーニングウィザード(画像)
IMEツールバーから「変換トレーニングウィザード」を起動。ダイアログボックスに、過去に作成した文書を指定する。
変換トレーニングウィザード・実行後(画像)
自動的に単語を抽出し、完了すると辞書ツールで確認が可能。
辞書で確認中の画面(画像)
ウィザードを使って登録された語は、「登録種別」の項目に「ウィザード」と表示される。
変換トレーニングウィザード設定ダイアログ(画像)
ウィザードを使って登録する単語の条件設定も指定できる。

コメントの強化

コメントが、意味でグループ分けされ、目的別に候補を選択しやすくなった。たとえば、「かいほうする」は、同じ意味合いとして「解放する」「開放する」があるが、「介抱する」は意味が異なるので表示されない。このほか、「聞く、聴く」「利く、効く」は意味がそれぞれ異なるので、「聞く」が選択されているときは、「効く、利く」のコメントは表示されない。

候補ウィンドウの強化(画像)
「介抱する」は、ほかの2つと意味合いが違うので、コメント表示されない。

送り仮名設定

IME2002・送り仮名設定の改善(画像)
送り仮名は、従来は「全部」「本則」「送る」「省く」の4種類だったところを、「全部」「本則」「通則」の3つになった。「通則」は、「送る」「省く」で設定されていた送り仮名の方法がまとめられたもの。

その他の機能強化点

辞書ツールも強化され、変換候補には表示されるが、自分では使うことがない単語は変換候補に表示しないようにカスマタイズ可能となった。

IME2002・コメントの表示/非表示設定(画像
「蔚」なんて漢字は使わないのに、「うつ」で変換すると表示される。これを単語登録で、「品詞」のところを「抑制単語」に指定することで、変換候補に表示しないようにできる。

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