このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

ブロードバンドの屋台骨 「メトロ」を完全解剖

ダークファイバに灯をともせ!─テクノロジー編

2001年04月14日 05時41分更新

文● ネットワークマガジン編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「Alpine3808」写真
エクストリームネットワークのMAN向けEthernetスイッチ「Alpine3808」。最大32ポートのGbEポート、256の10/100BASE-TXポートを搭載することができ、ASICベースの高速なワイヤスピードスイッチングが可能。WDMやvMANと呼ばれる広域向けVLANにも対応
 高速化・長距離伝送、そして耐障害性など関しては、こうした技術である程度カバーできるだろう。しかし、通信業者が所有しているダークファイバをプロバイダがレンタルし、プロバイダが機器を設置して独自のサービスを展開する、というブロードバンドサービスのモデルを考えると、多くの機能が欠けている。実際には加入者にもっとも近い「エッジ」と呼ばれる部分で、課金管理やプロビジョニング、セキュリティなどの仕組みが必要になってくる。こうしたサービスを一から構築するには、手間と時間がかかるため、あらかじめ機器にこうした機能が用意されていると便利である。当然、こうしたブロードバンドサービスに必要な機能を提供するネットワーク装置も数多く存在する。



「OPTera Metro 5100」写真
DWDMスイッチの市場でトップシェアを持つノーテルネットワークスの小型DWDM装 置「OPTera Metro 5100」。同社の「Universal Optical Interface」により、 SONET/SDH、GbE、ESCON、ファイバチャネルなどを一枚のカードでサポートする。 プロテクション時は32波長、非プロテクション時は64波長を実現
 まず、MAN向けスイッチでは、VLAN機能のほか、暗号化やトンネリングを行なうことで通信を隠蔽するVPN(Virtual Private Network)などとユーザー認証を組み合わせセキュリティを実現するのが一般的だ。ユーザー認証にはフレッツ・ADSLでの採用でお馴染みとなったPPPoE(PPP over Ethernet)などが主流になり、プロバイダの課金管理システムと連携するようになるだろう。

 また、キャリア・サービスプロバイダ向けの付加価値機器の代表ともいえるのが、レッドバック・ネットワークスやユニスフィア・ソリューションズなどが提供しているSMS(Subscriber Management System)と呼ばれる集線装置である。これらは加入者管理システムという名前のとおり、CATVやxDSLなどの回線を収容し、プロビジョニングといった機能を提供している。また、課金管理やセキュリティ機能、帯域制御などの機能を有するレイヤ4/7スイッチのベンダーも、こうしたメトロの市場に向け次々と製品を投入している。

 現在、ADSLやCATVインターネットのようなブロードバンドサービスが各誌の見出しを飾っている昨今、そのバックボーンたるメトロはあくまで裏方の存在としてあまり注目されることはない。しかし、バックボーンの帯域不足やセキュリティ、あるいは広域ネットワークの信頼性いった問題はブロードバンドサービスの背後にかならず横たわるものであり、課題を抱えたままのサービスの提供は必ず行き止まりに突き当たる。こうした観点からもメトロの動向には今後も注目していきたい。



プロビジョニング
帯域管理
セキュリティ

さまざまなブロードバンドサービスを提供するメトロのエッジにおいて必要な機能。プロビジョニング、課金管理、セキュリティ、帯域割り当てなどをサービスプロバイダやキャリア側で実装する必要がある

プロビジョニング

 Provisioingとは、「必要な」という意味。サービスプロバイダで提供されるサービスを事前にセットアップすることを指す。たとえば、ユーザーは実際にインターネット接続のサービスを利用する前に、GUI環境から帯域幅やプロバイダを選択することができる。

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ