このページの本文へ

日米担当者に聞く! Xboxインタビュー

2001年04月04日 12時13分更新

文● 月刊アスキー大槻眞美子/小西利明、ASCII24桑本美鈴/中西祥智

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
[Q] 「“米国のゲームは日本では売れない”と米国スタッフにはっきりおっしゃったそうですが、米国のゲームが日本で売れない原因はどこにあるとお考えですか?」
[M] 「すごくいろいろな要素があると思いますが、まずいちばん大きいのはキャラクターの好みが全然違うことでしょうね。前の会社でクラッシュ・バンディクーや、日本で作ったサルゲッチュなどを経験したのですが、彼らが作る動物キャラクターのイメージはクレイジーなものがすごく多いんですよ。目がすっ飛んでいたり舌を出していたり。クラッシュも最初に彼らが描いていたものはそういうイメージでしたね。そうではなくて、日本はもう少しスマートなイメージのほうがいいんじゃないというところから始まりましたから。米国の広告で使われているサルゲッチュを見たら“えーっ、こんなのが好きなの?”という感じですよ(笑)」
[M] 「それから、日本人はゲームをやりながら割と酔いやすいんですね。特にフライト系のものをやると日本人はすぐ酔ってしまう。でも米国人は平気なんですよ。小さいときから車に乗りなれているからかもしれないですが。言い出すときりがないんですけどね(笑)。それに、ゲーム性が甘いっていうのかな、割といい加減に作られているケースも多い。それから、すごく難易度が高いものを彼らは望むんですよ。日本人からみるといいバランスじゃないかなと思って作るのですが、米国の人たちは“それじゃ簡単すぎる”と。逆に米国のゲームをやってみると“こんなの誰ができるの?”というくらい難しい。そういう難易度の差もあります。また、例えばロード時間にしても、日本はロードしている間に何とか画面を出して飽きさせないようにしようと考えるのですが、米国のゲームは“LOAD”とガーンと表示されてすごく待たされる。いろいろな意味でやはり少しカルチャーが違うのかなと思うくらい差がありますよね」
[Q] 「そうなると、日本で売れるようなタイトルを選ぶのもなかなか大変ですね」
[M] 「そうですね。ただラッキーなことにいっぱいあるので。少ししか作ってなくて、それみんなお願いねと言われると困りますが、すごくいっぱいラインが走っているので、その中から日本人向けのタイトルを選べる。例えば、アメリカンフットボールゲームなどは言葉だけ変えて出してしまえばいいと思っているし、アクション&アドベンチャー系のタイトルなどはきちんとローカライズして出したいと思ってますね」
[Q] 「現在発表されているタイトルは日米含めてアクション系のゲームがほとんどですが、ゲームジャンルはアクション系が多くなってしまうのですか?」
[M] 「やはり制作期間的なことを考えると、アクションゲームは大体1年くらいでできますよね。だけど例えばRPGとなると最低でも1年半くらいかかるし、本当に長いものになると3年、4年とかかってしまうわけですよ。そういうRPG系のタイトルも米国で始めていますし、日本でも始めようと思っているのですが、どうしても発売が先になってしまう。アクション系とRPG系では、グラフィックの量から何から違うので、いくらXboxが作りやすいといっても物量をこなしていかなければならないというのが現状ですね」
[M] 「あとパズル系のゲームなどもありますが、米国サイドでは、ゲームのコアユーザーにフォーカスしたところから始めようと考えていて、17、8歳から20代後半くらいまでのゲームコアユーザー、それも男性が中心になると思うのですが、そういうところにどうしてもフォーカスしてしまう。ただし、ゲームのコアユーザーだけみててもしょうがないわけで、そこできちんと評価され、認知されてというところから広がっていくんじゃないかなと思いますね。それはPSでもいっしょです。PSも最初は19歳くらいの男性がターゲットでしたから。それがひと段落して、それから上にもいき下にもいき、女性にも広がり、というラインナップだったと思いますので、同じような道を歩みたいと考えています」
[M] 「ですから、ユーザーの広がりについては長期的にみていますね。それから、ひとつ大きな要素は、NTTコミュニケーションズとアライアンスを組みましたので、びっくりするくらいのインフラができると思うんですよ。この辺はマイクロソフトのノウハウによって成り立つので、やはり他の陣営には真似できないですね。その中でオンラインゲームを中心としたユーザーの広がりをすごく期待しているんです」

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン