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NSジャパン、新プロセス採用の低消費電力・高性能オペアンプ発表

2001年04月03日 18時15分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ナショナル セミコンダクター ジャパン(株)は3日、都内で記者会見を開き、高速アンプ用の新プロセス技術“VIP10”により製造した広帯域・低消費電力の高速『LMHオペアンプ』8製品を発表した。これらの新製品は、DVDプレーヤー、CD-RWドライブ、セットトップボックスなどに向くもので、こうした機器のメーカーが集中する日本での売り上げに期待しているという。

VIP10プロセスで製造されたトランジスターの断面構造図
VIP10プロセスで製造されたトランジスターの断面構造図
同社が開発してきた過去のVIPプロセスとの比較
同社が開発してきた過去のVIPプロセスとの比較。ピンク色の線はトランジスター回路の面積、紺色の線はエミッターの幅を示す

VIP10(Virtical Integreted PNP)プロセス(※1)は、テキサス州アーリントンのウェハー工場で開発された、誘電体分離総補型バイポーラ・プロセス。VIP10で製造された半導体製品は、広い帯域を備え、2.7V以下の低電圧動作、(回路配線自体が持つ)寄生容量を最小限に抑えてひずみを低減し、ダイサイズも小さくできるとしている。

※1 VIP10の詳細(ナショナル セミコンダクター ジャパン)

LMH66xxオペアンプファミリー
LMH66xxオペアンプファミリー

今回発表されたLMH(Linear Monolithic High-Speed)66xxオペアンプファミリーは、xDSLモデム向けデュアル高速アンプ『LMH6672』、xDSL局側装置向け『LMH6654/55』、ケーブルセットトップボックス向け『LMH6642/43』、GPSレシーバーやDVDプレーヤー向け『LMH6645/46/47』の8つ。このうちLMH6643はすでに量産出荷が開始されており、1000個ロット時の価格は260円。その他の製品については現在サンプル出荷中で、1ヵ月以内に量産出荷が可能としている。

ジョセフ・ヴィヴィジャル氏
米ナショナル セミコンダクター社、アンプリファイア・プロダクト・グループ・マーケティング・ディレクターのジョセフ・ヴィヴィジャル氏

米ナショナル セミコンダクター社、アンプリファイア・プロダクト・グループ・マーケティング・ディレクターのジョセフ・ヴィヴィジャル(Joseph Vyvijal)氏は「ナショナル セミコンダクターはアナログIC製品に強く、ブロードバンド用オペアンプでは世界市場でトップシェアを持っている。これまではローパワー製品を中心にビジネスを行なってきたが、今後はDVDプレーヤーやCD-R/RW、ファクスなどに向けた高速製品に重点を移す。こうしたコンシューマー製品市場では日本メーカーが強く、これを機に日本でのオペアンプ製品の売り上げを伸ばしたい」と述べ、日本市場へ積極的に売り込んでいく姿勢を見せた。

カテゴリー別オペアンプ市場規模予測グラフ
カテゴリー別オペアンプ市場規模予測グラフ

日本市場について、ナショナル セミコンダクター ジャパンのアナログビジネスグループ、オペアンプ製品担当の酒井克典氏は「ナショナル セミコンダクターでは、昨年200品種の製品を出荷、今年度は300品種を出荷する予定で、今後も毎年30%ずつ製品ラインアップを増加する計画。今回発表した高速オペアンプは日本市場で需要が見込める商品であり、現在(同社の)アナログ製品の世界的な売り上げ比率で、日本は10%程度を占めるが、今後の積極的な製品展開によって30%以上にまで引き上げたい」と意気込みを語った(具体的な金額は非公開)。

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