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INTAP、システム運用管理製品間の第1次相互接続試験に成功

2001年04月03日 17時51分更新

文● 編集部 今井睦俊

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(財)情報処理相互運用技術協会(INTAP)は3日、都内で記者発表会を開催し、運用管理システムの相互接続性を検証する機関“OSMIC企画委員会”が策定した共通仕様に基づく、複数社のシステム運用管理製品間の第1次相互接続試験に成功したと発表した。記者発表会には、INTAPの若松茂三専務理事、日本電気(株)のミドルウェア事業部第三技術部の羽田野耕一部長、(株)日立製作所のソフトウェア事業部システム管理ソフトウェア本部JP1アライアンス推進センターの塩谷隆廣センター長、富士通(株)のソフトウェア事業本部運用管理ソフトウェア事業部第四開発部の幕田幸男部長が出席した。

富士通の幕田部長、日立の塩谷センター長、INTAPの若松専務理事、日本電気の羽田野部長
左から富士通のソフトウェア事業本部運用管理ソフトウェア事業部第四開発部の幕田幸男部長、日立製作所のソフトウェア事業部システム管理ソフトウェア本部JP1アライアンス推進センターの塩谷隆廣センター長、INTAPの若松茂三専務理事、日本電気のミドルウェア事業部第三技術部の羽田野耕一部長
第1次相互接続試験では相互接続性を実証した
第1次相互接続試験では、運用管理システムが検出した障害イベントをDMTF CIM形式で記述し、異種の運用管理システムに通知する相互接続性を実証した

今回の第1次相互接続試験は、異種のシステム運用管理間で障害発生について相互通知するための共通仕様“インターネット環境における運用管理システムの相互接続フレームワーク MAXI バージョン 1.0”(MAXI:MAnagement information eXchange over Internet)を実装し、マルチベンダー環境での相互接続性を実証したというもの。試験には、日本電気、日立製作所、富士通の3社が参加した。試験環境では、運用管理サーバーとして富士通の『SystemWalker/CentricMGR V5.0』、日立製作所の『JP1/BASE V6.0』、日本電気の『WebSAM ESMPRO Ver3.8』を用い、ほかに2台のWindows NTベースのマシンをDNS/POP3/SMTPサーバーとして使った。運用管理サーバーに実装したMAXIは、インターネットビジネス環境などで発生した障害を、遠隔地にある異種の運用管理システムに通知するためのメッセージ規約の共通仕様。障害のイベントは、標準化団体“DMTF”(Distributed Management Task Force)が規定した“DMTF CIM”形式(イベントレベルをXMLにマッピングする規約)で記述し、SMTPによりポイントツーポイントで伝送され、共通鍵暗号“DES-CBC”で機密性が確保されるという。

それぞれ異なる運用管理システムを使ったデモの例
ECサイト/流通企業/サプライヤーがそれぞれ異なる運用管理システムを使ったデモの例

記者発表会の後半に行なわれたデモでは、カタログ検索や商品受発注が可能なECサイト内の商品マスターデータベースで発生した障害イベントを、流通企業とサプライヤーのそれぞれの運用管理システムに通知するモデルを紹介した。運用管理システムには、ECサイト用にSystemWalker/CentricMGR、流通企業用にWebSAM ESMPRO、サプライヤー用にJP1/BASEを使った。実際のデモでは、ECサイト内のマスター管理業務で発生した障害をSystemWalker/CentricMGRが検出し、WebSAM ESMPROとJP1/BASEに通知し、両システムが監視画面に異常発生を表示した。異種のシステムにトラブルを迅速に通知できるため、1社のシステムの障害が他社のシステムに与える影響を小さくできるとしている。

異常を監視画面に表示
SystemWalker/CentricMGRが検出/通知した異常をWebSAM ESMPROの監視画面に表示したところ
JP1/BASEの監視画面
同じくJP1/BASEの監視画面

試験に参加した3社は、MAXIの機能を運用管理製品の次期バージョンに組み込むとしている。また、3社以外のOSMIC企画委員会賛同企業の数社(日本チボリシステムズ(株)など)も、第2次相互接続試験に参加し、自社の製品に実装する予定。さらに、OSMIC企画委員会では、相互接続の範囲をアプリケーションサービスの連携にまで広げる予定で、このための共通プロトコルを策定するワーキンググループ“WG4(情報取得標準化)委員会”を、4月中に発足させるとしている。なお、OSMIC企画委員会は、システム運用管理の相互運用性を実証/普及させることを目的に、INTAPが設立した機関。MAXIを策定し、相互接続試験を実施する“WG1(システム運用管理相互接続)委員会”、MAXIによる連携モデル案の検討や技術動向の調査を行なう“WG2(次期技術検討)委員会”、プロモーション活動や市場ニーズ調査を行なう“WG3(プロモーション)委員会”、前述のWG4委員会の4つのワーキングループで構成される。また、OSMIC企画委員会には、試験参加の3社をはじめ、伊藤忠テクノサイエンス(株)、沖電気工業(株)、サン・マイクロシステムズ(株)、(株)CSK、(株)東芝、日本ユニシス(株)など、計25社が賛同している。

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