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Sun Cluster 3.0

2001年04月04日 15時31分更新

文● 渡邉 利和(toshi-w@tt.rim.or.jp)

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Sun Microsystemsは、まず米国で新しいミッドレンジサーバ製品群を発表している。Sun Fire 3800/4800/6800といったシリーズだが、注目すべき点は、これらが従来はハイエンドのSun Enterprise 10000(Starfire)でしか実現されていなかったDynamic System Domainをサポートしたことだ。これは、1台のハードウェアの内部を独立した複数のシステムに分割できる機能、と言えばよいだろうか。たとえば8CPUのシステムを、4CPUずつに2分割し、それぞれを独立したコンピュータとして運用できる。必要なら、一方でSolaris 8、もう一方ではSolaris 7を実行する、といった構成が可能になる。

従来はSunのサーバ群の中で唯一Starfireのみが備えていた機能が、ミッドレンジサーバにまで拡大されたわけだ。こうした分割は、万一の障害の際にもその影響範囲を限定できるなど、信頼性向上に寄与するが、当然分割によって管理の手間は増えてしまう。ハードウェアの機能として分割をサポートする一方で、ソフトウェアの強化によって統合の道を提供しようとしているのがSun Clusterだと見ることも可能だ。

これまで、tightly coupled clusterの利用は主としてバックエンドのデータベースサーバなど、少数だが重要度の高いサーバに限られていたが、今後はアプリケーションサーバなどの中間層のサーバにも拡大すると予想される。フロントエンドのWebサーバなどに比べれば少数だが、データベースサーバなどよりは多数のサーバが配置される中間層で、台数を増やしてスケールを確保しつつ管理の手間を削減し、かつトラブルの際にも処理が中断されないように保護を講じる、という需要に応えるには、Sun Cluster 3.0が提示する方向性はとても有効だと思われる。現在はまだ道半ばという状況ではあるが、OSの新しい姿をSolarisが実現してくれることへの期待も込めて、今後の機能拡張を楽しみに待ちたいと思う。

渡邉利和

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