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【東京ゲームショウ2001春 Vol.9】ビル・ゲイツ基調講演全記録

2001年04月02日 03時59分更新

文● 編集部 中西祥智

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(宮田氏退場。ゲイツ氏登壇 )

ゲイツ氏の背後にセガのロゴが映し出された
ゲイツ氏の背後にセガのロゴが映し出された

【ビル・ゲイツ氏】このような形で、マイクロソフト社が手掛けたゲームの努力に関して、アメリカおよび日本の成果について発表の場をいただき感謝しています。もちろん、1つの会社ですべてのことを行なうことはできません。こういった新しいプラットフォームに関しては、文字通り何百の会社が参加して、ベストを尽くさなければなりません。大小を問わず、多くの企業が参加し、いろいろなアイディアを試したり、実証済みのものを使ったりしなければなりません。

そうすることで、素晴らしいビジネスを実現できます。そのための環境が必要です。パートナー企業も成功をおさめることができるようにしなければなりません。そこで技術的な対話だけではなく、いかにして製品を市場に導入するかということについても対話をしてきました。

それは、世界中で非常に前向きに受け入れられました。そして200社のもっとも優秀なデベロッパーに、Xboxのために開発をしていただくことになっています。もちろん、ゲームの大半はこういったパートナー企業から出てきます。日本においては、私どもは70社のパートナーを誇っています。ここでビデオを用意しました。そこに彼等の成果、および彼らのコメントが出ています。Xboxプロジェクトについての彼らのコメントを見てみたいと思います。

(いくつかのXbox用ゲームの映像のあと、さまざまな人々がXboxについてコメントを述べる映像が流される)

本来ならば非常に高い評価に値する、一人の方がいます。いろいろなイノベーションおよび、日本のゲーム産業の成功に関しましては、(セガの)大川功会長が非常に偉大なことを達成されました。幸いにして私は彼と知り合いになり、そしてオンラインゲームについていろいろと話し合い、ビジョンを共有することができました。またそれ以外にも、彼は非常に情熱的に慈善活動などをしてきましたが、彼は亡くなりました。

しかし、この業界の発展を見て、さぞかし彼は満足することでしょう。マイクロソフトの強味と、セガの強味をいかにして組み合わせるかということを、つい最近まで相談してきました。そして両者がどういったことをできるかということを、話し合ってきました。

本日、セガとマイクロソフトが長期的なパートナーシップを発表することを彼が知ったなら、さぞかし喜ぶことでしょう。そして、11の強力なセガのタイトルが、Xbox上で実現されます。たとえば『ガンヴァルキリー』とか、『ジェット セット ラジオ フューチャー(仮)』とか、『パンツァードラグーン』とか、『セガGT』などといったものが実現されます。これはマイクロソフト社にとって、非常に重要なパートナーシップです。そしてこの新しいパートナーシップをまとめる上で、香山さんが非常な貢献をなさいました。ぜひ彼に登壇していただいて、Xboxのパートナーシップについての考え方を拝聴したいと思います。

(セガ特別顧問香山哲氏登壇。ゲイツ氏は横に控える)

壇上で話す香山氏と、見守るゲイツ氏
壇上で話す香山氏と、見守るゲイツ氏

【香山哲氏】セガの香山です。まず最初に、本来ここにいるべきは大川功でありまして、大川は生前から「ゲイツさんのところとなにかできんのか」と、そういうふうに私に話しておりました。東京ゲームショウを1つの目標として、お話し合いを続けてきて、ゲイツさんがお話しされたようにいくつかの大きな合意事項ができたのですが、ここに大川がいないことが残念でなりません。まず最初に、今大川に対していただいたメッセージに対して、セガ、およびセガグループを代表して、お礼を申し上げたいと思います。

本日は2つ、セガとマイクロソフトで合意したお話しについてしたいと思います。

1つ目はセガがXboxに正式に参入する、ということでございます。今お話にありましたように、4つのタイトルをはじめとして、現在11のタイトルの開発に着手しました。セガが誇る開発スタジオのうち、ビジュアルコンセプト、スマイルビット、ワウエンターテイメント―この3つがすでに開発に取りかかっております。E3の時に実機上で動くものと一部分。それと東京ゲームショウ秋では、セガが完全にカムバックしてまいりますので、そこではたくさんのタイトルをお見せできると思います。

2つ目がオンラインゲームについてです。マイクロソフト社からブロードバンドインフラ、およびマイクロソフトが考えるブロードバンドサービスについての説明を受け、いくつかの非常にアグレッシブな提案をいただいております。それに対して、セガは前向きに検討を、両者で行なうということについて合意をしております。これにつきましても、まとまり次第、こういった場で、あるいはプレスを通して発表できると思います。

オンラインゲームにつきましては、昨日『ファンタシースターオンライン』が日本ゲーム大賞をいただき、セガの実力については多くの方から認めていただいていると思っておりますが、今回のブロードバンドを通したXboxについても、セガの持てる力をきちんと発揮できるような形に努めてまいりたいというふうに思っております。

いずれにいたしましても、大川の夢、これをきちんとセガの社員が、一丸となってワールドワイドに展開をして、実現をしていきたいと思います。その意味で今回、この壇上で、ゲイツさんとこういう形で握手できたことについては、大変喜ばしく思っております。

セガはこれからも頑張って参りますので、皆さま方のご支援を改めましてお願い申し上げて、私の挨拶にさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

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