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東京ゲームショウ2001春 Vol.1

東京ゲームショウ2001春 Vol.1

2001年03月30日 23時40分更新

文● 岡本

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 (社)コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(CESA)主催による「東京ゲームショウ2001春」が3月30日より(4月1日まで)、千葉・幕張メッセで開幕した。今回の目玉は、何といってもビル・ゲイツ氏による基調講演と、Xboxについての発表だろう。

最初は前で手を合わせるなど、静かな語りで始まったゲイツ氏の基調講演だが、いつものように次第にその口調が熱を帯びたものになった。

 大きなXが描かれた階段の上にある壇上に現われたゲイツ氏は、最初は随分と穏やかな調子で、Xboxが持つ可能性とともに「一般家庭の3/4にゲーム機が普及している」という日本市場の重要性について語った。

 Xboxのハードウェアの仕様については、733MHzのCPU、Nvidia製GPUなど、すでに発表されているスペックからは大きな変更がなかったが、気になったのはHDDの容量についてだ。ゲイツ氏はXboxに内蔵するHDDは8GBと説明したが、Xboxの日本での公式サイトではすでに10GBに変更されている。ゲイツ氏は、まだこの変更を知らなかったのだろうか? また、ここではブロードバンドへの対応の重要性にも触れている。



こうして見ると、アメリカ仕様より随分小さくなった日本仕様のコントローラだが、元が大きすぎるため、実はかなり大きい。小さな子供には辛そうだが……。

 これに続いてゲイツ氏によって紹介されたのは、日本市場向けの特別仕様のコントローラだ。日本のユーザーからのフィードバックを受けた上で検討したと言うだけあって、アメリカ/欧州仕様のものより一回り小さくなっており(といっても、まだかなり大きく見える。日本の子供でも使えるのだろうか?)、ボタンの配置も一部異なっている。

 ゲイツ氏に代わり登場したのが、Xbox事業部制作統括部長の宮田氏。宮田氏は以前はSCEIで制作部を統括してPSゲームの制作の指揮を担当した経歴の持ち主で、現在はマイクロソフトブランドのXboxタイトルを統括する人物。


国内で開発されている「プロジェクト K-X」。女性キャラやカンフー風のキャラなどが登場する対戦アクションのようだ。
 宮田氏は初め「はっきり言ってマイクロソフトに移ってよかったと思っている」などと発言し場内を沸かせた後、日本でのソフト制作状況を説明した。現在、日本のXbox事業部には70名ほど所属しており、内部では3ライン、外部では7ラインのオリジナルタイトルが動いているとのことで、その中でも開発が進んでいるプロジェクトとして「プロジェクト K-X」が紹介された。

 このプロジェクトはデモを見る限りでは、カンフー風の動きをする格闘家やアメコミ風のブラックヒーローといったキャラクターが登場する3D対戦格闘ゲームのように思われる。キャラクターの動き、筋肉の表現などのレベルは非常に高く、観衆からも驚きの声が漏れていた。

 そのあとは、日本で開発されている各社のソフトが断片的に収録されたデモが上映された。その中でも大きな声があがったのがテクモ(株)の人気格闘ゲームの続編「DEAD OR ALIVE 3」が登場した場面だった。



MSとセガの提携が、今回の基調講演内での最大のニュースか? 今回はゲームショウには出展をしていないセガだが、Xboxタイトルとともに秋のゲームショウに出展することが発表された。

 再び壇上に上がったゲイツ氏は、先日亡くなった(株)セガの大川功会長兼社長に触れ、その功績について語ったのち、壇上に登場した(株)セガのCO-COO(共同最高執行責任者)である香山哲氏とともに、マイクロソフトとセガとの間の戦略的提携を発表した。今回発表された「ガンヴァルキリー」「ジェット セット ラジオ フューチャー」「セガGT」の4作以外に、計11作の開発が進められていることを明らかにするとともに、今秋の東京ゲームショウで大々的に発表することを宣言している。

 今回の基調講演では、セガとの提携こそ大きなニュースと言えるが、期待されていたそれ以外の大手メーカーの参入やタイトルの発表はなく、Xboxで実現される高度な3D技術のデモにも、それ自体には観衆からの大きな反響は感じられなかった。Xboxの日本市場での成功にはまだまだハードルは高いが、マイクロソフトが言うところの「無限の可能性を秘めたXbox」が、今後どのような展開を見せるのかこれkらも注目していきたい。

(社)コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会



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