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MP7200A

MP7200A

2001年03月29日 22時45分更新

文● 内田

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MP7200A

リコー

オープンプライス

2000年末から2001年2月にかけて、ヤマハ三洋電機プレクスターから16倍速書き込みのCD-RWドライブが相次いで登場しているが、リコーはこれらの先行製品を上回る20倍速書き込みのCD-RWドライブ「MP7200A」を発表した。前モデル「MP7125A」(12倍速書き込み)から大幅に書き込み速度が高速化されたが、内部構造の一新により、高速書き込み時の安定性・確実性も一段と強化されている。

新機能「JustSpeed」の搭載によって
より安全・確実な書き込みを実現

 12倍速書き込みの「MP7125A」の後継機種にあたる「MP7200A」は、3月28日時点で出荷されている製品としては最速となる20倍速書き込みのCD-RWドライブだ。MP7125Aに引き続いて、バッファアンダーランをほぼ確実に防止する「JustLink」を今回も搭載しているが、モーターやピックアップモジュール、制御LSIが新規開発のものとなっており、さらなるスピードアップと、高速書き込み時の確実性・安定性の向上が図られている。

 20倍速に達した本機の書き込み方式は、従来のリコー製ドライブや、プレクスター、三洋電機の製品のようにメディア全域を一定の書き込み速度で記録していく「CLV方式」ではなく、領域によって書き込み速度を変更する「ゾーンCLV方式」が採用されている。具体的には、リードイン(記録のスタート地点情報の書き込み)は12倍速、メディア最内周約100MB分の領域は16倍速、以降の領域は最速の20倍速で書き込んでいく、という仕組みだ。ヤマハ「CRW2100E」が採用している「パーシャルCAV方式」に似ているが、こちらは12倍速で書き始めて徐々に書き込み速度を上げていき、約123MB地点に達したところで最大の16倍速になるというもので、実際には構造が異なっている。CLV方式の場合、内周部にデータを記録する場合には、外周部に記録する場合よりも高速なメディア回転速度が必要になり、モーターへの過負荷や書き込みの確実性や安定性が低下する恐れがある。それを防ぐために、リードインと内周領域への書き込み速度は落としている、というわけだ。
 また、20倍速書き込みに対応するため、レーザーパワーの高出力化や高精度のパルス制御を実現した新型ピックアップ、従来比1.5倍の制度でパルス幅を制御するデジタルコントローラLSI、高回転型スピンドルモーターの新採用といったメカ・LSI部分に改良が行われている。

 このほか、CD-RW書き換えは10倍速(CLV方式)、CD-ROM読み出しは最大40倍速(CAV方式、デジタルオーディオキャプチャとCD-RWメディアも最大40倍速で読み出し可能)、バッファメモリは2MBと、速度/容量は前モデルから変更はない。しかし、広帯域化・低ノイズ化されたピックアップのアンプ部による高速読み出し、ヘッド部のシーク機構を従来のギアモーターからステッピングモーターに変更し、アクセス精度の向上と高速化(アクセスタイムはMP7125Aより20ms高速な100ms)、駆動音の静粛化を図るなど、CD-R書き込み関係以外の部分でも内部構造のグレードアップが進んでいる。

本体背面。インターフェイスはATAPIで、今回からUltraATA対応になっている。UltraATA非対応のチップセットで使用する場合には、付属ユーティリティを使用して設定を変更する必要がある。オーディオ出力端子はアナログとS/PDIFを装備する。

 MP7200Aのもうひとつの大きな特徴は、新機能「JustSpeed」だ。これは、16および20倍速書き込みを行うときに働き、書き込み前に使用するメディアの診断を行い、最適な書き込み速度を割り出し、自動的に速度を変更する機能だ。診断内容は、

  1. メディア挿入時、各メディアに記録されているメーカー名、メディア名の情報(ATIP情報)を読み出し、サポートする最大書き込み速度を決定。ATIP情報を持たない低価格メディアやリコーが未検証のメディアを使用した場合は、次の(2)と(3)の診断により最適な書き込み速度を割り出す。
  2. メディアの最内周に設けられているOPCエリアと呼ばれる試し書き用の領域にレーザーを出力し、MP7200Aの最大レーザーパワーの範囲内での最大書き込み速度を決定。高速書き込み時には、記録層をより素早くレーザーで化学変化させる必要があるが、感度の悪いメディアでは、その反応が間に合わず、書き込みに失敗することもある。そのため、このチェックでメディアの感度が悪かった場合には書き込み速度を落とす。
  3. 外周部分のトラックを実際に走査して、メディアのカット精度不足によるトラックの「ぶれ」をチェック(サーボ追従チェック)し、追従できる範囲内での最大書き込み速度を決定。トラックのぶれ幅が大きい場合には速度を落として追従できるようにする。

以上の3点で、これらの組み合わせによって、最終的な書き込み速度が決定される。高速書き込み時には、バッファアンダーランによる書き込み失敗だけでなく、メディアのレーザー照射による化学反応が悪くて正しくデータを記録できなかったり、偏重心や反りのある粗悪メディアを使ってしまった場合の微妙なトラックのぶれが元となって発生する「サーボ追従エラー」による書き込み失敗の可能性が低速書き込み時よりも高くなる。JustSpeedは、こういったメディアの品質が原因で起こる書き込みエラーを防ぐための機構だ。

 JustSpeedは、JustLinkと同様にドライブ内のファームウェアが制御する機能であり、ユーザー側は特別な設定を行う必要は一切ない(付属ライティングソフト「B's Recorder GOLD」上で機能を停止させることは可能)。つまり、「異なる最高書き込み速度のメディアを混在して使用している」とか「サポートする書き込み速度の表記がなく何倍速で書けるのかわからない」「同じ10枚入りボックスの中にあるメディアなのに中身の品質にばらつきがある」といった場合でも、ユーザーは書き込み速度を常に20倍速に設定してデータを書き込み始めれば、あとはドライブがすべて自動的に診断し書き込み速度を決めてくれる、というわけだ。

 付属のライティングソフトは、データCDから音楽CD、Video-CDなど幅広いフォーマットの作成に対応するプレマスタリングソフト「B's Recorder GOLD」と、フロッピーやMOに近い感覚でエクスプローラ上のファイルコピー/移動でデータを書き込めるパケットライトソフト「B's CLiP」の2本(ともにビー・エイチ・エー)。B's Recorder GOLDは、JustLink機能のON/OFFや履歴表示(前回の書き込み時にJustLinkが働いた回数を表示)、音楽CDの作成時に書き込んでいる最中の曲を再生する機能といったJustLink特有の機能に対応しているほか、MP7200Aに初めて搭載されたJustSpeed機能のON/OFFも可能だ。

「B's Recorder GOLD」の設定画面に新たに追加された「JustSpeed」のON/OFFスイッチ。通常はOFFにする必要はまったくないが、どうしても強引に20倍速で書き込みたい、という場合にはここで設定する。

 なお、今回の20倍速書き込みドライブの発表と同時に、同社から20倍速書き込み対応のCD-Rメディアも登場する。ラインナップは700MB×10枚パック(スリムケース入り)、650MB×10枚パック(スリムケース入り)、700MB×25枚パック(スピンドルケース入り)の3種類で、価格はすべてオープンプライス、実売価格は10枚パックがいずれも1000円前後、25枚パックが2000円前後となると予想される。

リコー製の20倍速書き込み対応CD-Rメディア。色素は従来どおりアドバンストフタロシアニンを使用。高速対応メディアは低速書き込みを苦手とするケースが多いが(高出力レーザー用に設計されているため、書き込みが遅いときには過反応になってしまう)、リコー製メディアは1~20倍速まで、幅広い書き込み速度をサポートする。

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