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日本ガートナー、今後5年はブロードバンドもナローバンドも伸びる

2001年03月29日 01時37分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本ガートナーグループ(株)のデータクエスト部門は28日、プレス関係者を対象にアナリストブリーフィングを開催した。米ガートナーグループ データクエスト部門ワールドオペレーションズ・リサーチ E-ビジネス セグメント、バイスプレジデントのイアン・キーン(Ian Keene)氏が“ネットワーク経済:市場の加速要因と技術”をテーマとして、今後数年間の世界のネットワーク市場、特にブロードバンドにおける動向予測について説明した。

イアン・キーン氏
米ガートナーグループ データクエスト部門ワールドオペレーションズ・リサーチ E-ビジネス セグメント、バイスプレジデントのイアン・キーン氏

キーン氏は「Eビジネスが、ブロードバンドと従来のナローバンドの両方に新たな需要機会を作り出している。今後提供されるコンテンツは、速度と技術を必要とするようになる。ブロードバンドサービスは大きく伸びるが、ナローバンドも引き続き増加する。多くのアナリストが平均的ユーザー1人あたりのバンド幅は、これから増加すると分析しているが、我々ガートナーの分析によれば、今後の5年間では、かえって減少すると見ている」という。また、最近のインターネット関連企業の業績の鈍化にもかかわらず、Eコマース/Eビジネス市場は、今後も急激な伸びを示すと予測している。

Eコマース/Eビジネス市場規模予測グラフ
Eコマース/Eビジネス市場規模予測グラフ。2004年には3兆ドル(約366兆円)に達する勢い
“Hype Cycle”グラフ
ガートナーグループが新技術登場後の動きを予想するために使っている“Hype Cycle”。今回は通信関連技術に当てはめたもの。縦軸が注目度、横軸が経過時間を表わす。カーブは、新技術が登場して、それに期待が高まり、現実を知って幻滅し、技術の内容が正しく知られることによって再度注目が集まり、安定期に入るという、5段階を表わしている。例えば“3G”は現在最も期待値が高く、“WAP”に対しては幻滅している時期であることを示している。ただし、これはワールドワイドでの状況を表わすもので、日本など特定の地域に当てはまらない部分もある

しかしながら、今後に予想されるネットワークサービスは、“安いナローバンド”と“高いがブロードバンド”というサービスに落ち着くと予想している。キーン氏は安いブロードバンドサービスは「結局のところ夢物語にすぎない」とし、高速のブロードバンドサービスを享受できるユーザーは資金的な余裕のある一部にとどまるとしている。これは、ガートナーの予想する今後5年間のユーザーのネットワーク需要は、高速性能の追求よりも、モバイルコンピューティングやユビキタスコンピューティング(※1)につながる、どこでも利用できるネットワークにあるということからだ。

※1 どのような場所でもコンピューターが利用できる環境を指す。

ブロードバンド機器の出荷予測グラフ
ブロードバンド機器の出荷予測グラフ。北米ではまもなく需要の伸びが鈍化するが、アジア太平洋地域や特にヨーロッパでは、大きく伸びると予測している

とはいえキーン氏は、「結局のところ、ブロードバンドはいずれやってくる。そのための準備は必要。ブロードバンドの波がやってきたときに、それを支えるだけのネットワークインフラがあるはずだと仮定するのではなく、現実を見据えて着実な計画を立てておかなくてはならい」とも述べた。

Eコマースを利用する機器の伸び予測グラフ
Eコマースを利用する機器の伸び予測グラフ。携帯電話での利用が今後大きく伸びるという予想。2005年には携帯電話による利用が、PCによるそれを上回るとしている

日本では現在、米国に追いつけとxDSLや光ファイバーを使ったブロードバンドアクセスが広まりつつあり、より快適で(これまでよりも)安価なインターネット接続が可能になりつつある。一方、これと並行して、iモードに代表される携帯電話によるインターネットアクセスも急速に伸びており、キーン氏のいうワールドワイドの状況とは多少異なる。とはいえ、インターネットへのアクセスが固定されたパソコンだけにとどまらず、移動中でもどこでも利用される傾向にあることは間違いないところだ。

また、日本においては3G携帯電話のサービスを、キーン氏の説明にある“ブロードバンドアクセス”に当てはめると、ユーザーは高価だが高速なサービスよりも、多少遅くとも安いサービスを求める傾向にあるという説明にも納得がいく。新しく登場するインターネットアクセス機器は、ほとんどの場合廉価で、パソコンよりも処理能力の劣るものになる。そうであれば、インターネットアクセスのブロードバンド化よりも、アクセスする機器の多様化が速く進むなら、これもキーン氏の言うように、平均的ユーザーが消費するバンド幅は増えないのかもしれない。

ブロードバンド時代がやってくるとして、動画像を中心とした大きなバンド幅を必要とするコンテンツサービスが多く登場してきそうな気配だが、ユーザーが求めているのは、ブロードバンドだから利用できるサービスではなく、さまざまな機器でいつでもどこからでも利用できるサービスということになるのだろう。

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